Youtubeで偶然見かけて、なんとなく面白そうだなと感じ、特に予備知識もないまま手に取ってプレイしました。
ゲーム概要:死にゲーシューティング
作品名 | Noita |
開発 | Nolla Games |
リリース日 | 2020年10月16日 |
ジャンル | 2D、ローグライク、シューティング、物理演算 |
価格 | 2,050円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam、GOG) |
日本語 | 対応 |
インストールサイズ | 約1.52GB |
Steam評価 | 圧倒的に好評(95%) |
プレイ時間 | 約30時間 |
2020年にリリースされたゲーム。当時多く配信者がプレイしていたのを記憶しています。
- Qどんなゲーム?
- A
ランダムに生成されるダンジョンをひたすら下へ潜っていく2Dシューティング
- 武器が銃ではなく、杖
- 呪文が弾薬
- 杖カスタマイズのバリエーション
- 物理演算の効いたステージ
- 死にゲー
- 武器が銃ではなく、杖:ジャンルはシューティングですが、武器が銃ではなく、杖を使って呪文で攻撃する点がユニークですね。杖は他ゲーでいう銃本体にあたり、発射間隔やリロード速度、キャパシティなど様々なパラメーターが設定されています。強力な呪文を手に入れても、杖自体がよくなければその力を十分に発揮できないですし、逆に杖が優秀でも呪文が弱ければ、思うように活躍できません。
- 呪文が弾薬:呪文(スペル)はこのゲームの「弾薬」です。銃らしいショットガンのような呪文もあれば、ビーム、ミサイル、ダイナマイトいった兵器系、バリア、ワープ、召喚といった魔法系など豊富なラインナップ。
- 杖カスタマイズのバリエーション:Noitaの醍醐味は、これらの呪文を自由にカスタマイズできることです。杖自体にも性能差があるため、強い呪文を強い杖にセットすれば無双できる…とはいかず、その時々で適切な組み合わせが求められます。例えば、キャパシティの低い杖には軽量連射系の軽い呪文、逆に連射に向かない杖には消費の重いバリアや回復といったユーティリティ系…といった感じにその時々の最適解を考えるリソース配分系ストラテジー的面白みもあります。
- 物理演算の効いたステージ:動的に変化するリアルな物理挙動も魅力の1つ。重力にしたがって高所から流れる水。逆に上昇するガス。木は燃え広がり崩壊する。強いエネルギーとつりあう強い反動などなど…。
- 死にゲー:ゲームオーバーしまくるのが前提のいわゆる死にゲー。何度も死んで学習しましょうってスタイルですね。ゆえに難易度はハード。
ゲームの流れ
最終目標:ダンジョン最深部のボスを倒すこと
いくつかの階層に分かれたダンジョンを進んでいきます。それぞれの階層の最下層にあるワープがひとまずのゴールとなります(◯面クリア的な)。
このワープ先は他のゲームでいう「拠点」のような場所で、パーク(特殊能力)の取得やショップ(商品はランダム)での買い物ができます(商品はランダムで変わります)。
アップグレードとカスタマイズを行えるのは基本的にここだけ。杖のカスタマイズと試し撃ちで結構な時間を費やすことになるでしょう。
準備が整ったら、再び下層へと進み、またそこでワープ→拠点→また下層へ。この繰り返しです。最終的に最深部のボスを撃破できればゲームクリアとなります。
- 敵を倒しながら下へ
- 最下層でワープ
- 拠点で強化
- 次の階層へ
- ①~④を繰り返す
- 最深部のボスを倒す
感想:思っていた以上にハード
綱渡りのようなバランス
いやまさか、こんなに難しいとは…。
個人的なプレイ感としては、かなり昔のゲームですが「人生オワタの大冒険1」を思い出しました。低体力で理不尽ギミックが満載という共通点があり、とにかくすぐ死ぬ。
救済措置や引き継ぎシステムがないため、死ぬと最初からやり直し。進行がリセットされるので、この点も厳しい。
被弾=即ゲームオーバーではないものの、HPをじわじわ削る仕掛けがそこかしこに設置されており、敵の攻撃もエイム力高め。
地味に大きいのが、被弾時の無敵時間がないこと。
他のゲームでは、「ダッダッダッ」といった具合に被弾と無敵時間で規則的なリズムを刻み、ダメージ受けながらも少し時間的余裕があるのが一般的です。しかし、Noitaでは「ダダダダダ!」と隙間なく被弾が続くので、「あ、ダメージ受けてるな?」と気付いたときにはすでに瀕死状態…ということが頻繁に起こります。
さらにヤバいのが、環境因子が次々と襲いかかってくる点ですね。
たとえば、火。
爆弾でもなんでも、火を使ったとします。すると周囲の燃えやすい地形にどんどん燃え広がっていきます。この燃えている地形に触れるとプレイヤーは燃焼状態になり継続ダメージを受けるのですが、初期HPだとHP3割近く削られるんですよね。
いやでも、火の取り扱いに気をつければ…。
→なぜかあちこちで自然発火が発生。どこもかしこも焼け野原。
いやでも、足元に注意していれば…。
→そこに敵がいたら?複数体だったら?2方向からきたら?逃げ込んだ先に毒水があったら?
いやでも、プレイヤーが慎重に立ち回っていれば…。
地形「毒も追加、あと酸も」敵「来ました」
このように、プレイヤーがコントロールできない脅威が幾重にも重なり、想定外のシナジーを発揮して襲いかかってくる恐怖。なんて理不尽。これがNoita。
もうちょっとヒントが欲しかった
全体的に説明不足な点も難易度をさらに押し上げていると思います。
コンテンツ量自体は非常に豊富で、30時間プレイしても、まだ使ったことのない呪文がたくさんありますし、隠しボスもまだすべて倒してません。常に新たな発見があり、やればやるほど未知の要素が顔を出すので、かなり長時間楽しめるゲームだと思います。
しかし、その一方で、ヒントや説明の不足は少し残念に感じました。
最初にあるのはスタート地点の簡単な操作説明だけで、それ以外のヒントは一切なし。「あとはプレイヤー自身で発見してくださいね」というスタンスです。
例えば、拠点(中間地点)での出来事。
強化やカスタマイズはローグライクの醍醐味。しかし、ショップで売られている呪文には説明文がなく、試行錯誤するにもまず何をどう試せばいいのかすら分かりません。
とりあえず興味を引かれた呪文をピックし試射。ここで初めて呪文の全容がわかります。ここで厄介なのは自傷属性(自分にも当たり判定がある)を持つ呪文が存在することです。
なんの気なしに放った呪文が壁や地面を反射してプレイヤーに襲いかかってきて……
- 知らん呪文を使う
- 知らん効果で自分がダメージを受ける
- ゲームオーバーになっている
という状況が頻繁に起こります。
敵の攻撃やマグマへのダイブといった通常の死因ならまだしも、本来は一息つけるはずの場所でやられるのは理不尽すぎて…もう…ね…。
他にも、攻略の鍵ともいえる杖編集や、各種状態異常の効果、錬金(ポーション)についても説明はありません。これらは攻略というより、チュートリアルに組み込んで欲しい基本的な知識です。Noitaはそれすらもプレイヤー自身に気づかせることを求めてきます。ステージで苦労するのはゲームとして納得感がありますが、仕様が分からなくて苦労するのはさすがに少し不親切に感じました。
Noitaは学問
理不尽。初心者に厳しい。プレイ中何度イライラしたことか、何度心が折れたことか。
それでも不思議と何度も手を伸ばしてしまう……!!
数ある魅力のうち、自分がこのゲームで好きなのは、操作テクニックより知識優位なところですね。操作自体はそこまで難しくなく、「危なくならない立ち回り」を心がければ、シビアなアクション操作は求められません。
では、なぜ知識が大事か。
まず脅威への対応力が1つ。毒も火も対処法さえ知っていれば脅威ではありませんし、初見殺し要素も事前に知っていれば避けられます。
そして、知識の重要性が最も発揮されるのは、「ゲームをぶっ壊す」瞬間です。Noitaの醍醐味は、敵だけでなくプレイヤー自身も理不尽な力を手に入れられることにあります。画面全体を覆い尽くすばかりの弾幕を張ったり、壁を削って下層へショートカットしたり、プレイヤー自身が理不尽と化すことができるのです。
ただし、これを実現するためには、特定の呪文のシナジーや、杖編集の仕組み(例えばリチャージ速度を短縮する技術)を熟知しておく必要があります。このような知識の積み重ねこそが、ゲームの奥深さを感じさせる部分であるのと同時に、初心者には隠されすぎているもったいない部分でもあるのかなと。
知れば知るほど強くなる
Noitaでは、知識が深まれば深まるほど、攻略が格段にスムーズになります。もちろん、どのゲームでも理解が進めばプレイが楽になるものですが、このゲームでは特にその変化が顕著です。それはやはり、進行に劇的な変化が生じるからでしょう。
例えば、最初は即死していたシチュエーションでも、知識があれば無傷で切り抜けられるようになります。また、当初はコツンコツンと当てるだけのシューティングだったものが、良い杖カスタマイズができれば全画面攻撃を駆使した無双プレイに変わることもあります。
全体的にハードでマニアックなコツの多いゲームですが、その根底にあるものは実にシンプル。敵を倒し、進んでいくという基本は変わらず、杖や呪文の組み合わせで単純な爽快感が得られる普通に楽しいゲームでした。
知識がそのまま実力に
個人的には、プレイするほど右肩上がりに面白くなっていったゲームでしたが、正直なところ、最初の頃は「なんだこのクソゲー」と思うくらい、非常に苦しい時間が続きました。ストレスのたまるゲームなので気軽にはオススメしづらいですね。序盤は覚えることが多く、ある程度の耐久&学習フェーズが必要です。
自分の場合、杖編集のコツ、特にチェーンソーの使い方が分かってきた頃から、ゲームの可能性が一気に広がり楽しさが増していったのを覚えています。
あと地味に良かったのが「起動と終了が非常に早い」こと。ミニゲーム感覚でサクッと始めてサクッと終われるのは、実際のプレイ内容はともかくストレスフリー。空き時間に少し触るのにちょうどいいゲームでした。
1日数分からでも、興味がある方はぜひ。
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