ひぐらしのなく頃に業~綿騙し編~の感想と考察

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最速から1週遅れで観て、数日遅れでアップしてます。

綿流し編の感想とか

 旧作に沿って進みながらも、ちょっと違う、ちょっと違うを積み重ねて、最後はなんだこれ!?という新展開。綿流し編と同じく、見どころは魅音と詩音の双子トリックで、暴れまわっている発症者はどっちでしょうかというところ……のはずなんだけど、言うほど暴れまわったかな。裏ではめちゃくちゃやってたかもしれないけど、表打ってはひぐらしらしい猟奇的なシーンはなかった。むしろ最後まで純粋な思いの衝突で、どちらかというと人間味のある悲劇でした。解決編では血でドロッドロなんだろうなー。

 細かい考察は抜きにして、直感では魅音が発症者。園崎家の陰謀云々いうところは詩音っぽいけど、圭一への気遣いが打算的な詩音のイメージとはかけ離れている。というか今作の詩音はずっとそんな感じ。わざと裏側を描かない演出かもしれないけど。幼少期(刺青を入れる前)に入れ替わらなかった世界線というのもあるかもしれないと思いながら観てた。つまりここでいう魅音は中身は前の詩音。鬼騙し編に倣って、発症しそうになるけど踏ん張った魅音(前詩音)だったけど、対峙した沙都子に影響受けて発狂……みたいな。でもそうだとしてもその前に梨花ちゃんたちを殺してるわけだから、今更フラッシュバックしたって……な感もある。正直まったくわからない。

 印象的だったのが、前作のオマージュっぽいところがところどころにあったこと。最後の圭一が地下から脱出しようと体当たりを繰り返して壁に血痕がぐったり……なんてのは前作の梨花ちゃんの「お先に退場」のところみたいだった。その他、魅音と詩音の立ち位置が前作とは正反対であるとか、オヤシロ様の壊れた箇所も違うとか、意味ありげな演出が盛りだくさんで、鬼騙し編に比べて謎が爆発的に増えた。

 あと関係ないけど魅音の艶やかなピンク色のカバンも目についた。こんな女の子っぽいもの持ってたかなー?と思って前作観たらちゃんと持ってた。今作ほど艶やかじゃないけど。前作ではもう女の子扱いとか無茶だろってほどのオジサンだったけど、今作はそういう細かいところも含めてめちゃくちゃ女の子っぽい。

今作の共通ルール

 前作では、各編はパラレルワールドのようで、実は不動の共通ルールがあり、それが謎解きの大前提としてありました。原作ではルールXYZと呼ばれるもので、おおざっぱにいうと「病」「マジの陰謀」「ブラフの陰謀」です。業においても共通ルールは存在すると思いますが、旧作とは少し異なるようですね。鬼騙し編と綿騙し編だけですが、共通している点は以下です。

・過去作がベースとなっている

・梨花ちゃんが過去作ではベストのアドバイスをする

・発症者が出る

・梨花ちゃん死ぬ

・沙都子死ぬ

・現場で2人倒れる

・富竹鷹野行方不明

・悟史の名前がまだでない

・過去作がベースとなっている

・梨花ちゃんが過去作ではベストのアドバイスをする

 まず、新作といえども、基本は原作通りに進んでいくんですよ。前作が比較対象としてあることがすべての前提にある。ほんのちょっぴり違う世界。そしておや?というタイミングでベストな選択をする梨花ちゃん。発症者のフラッシュバック演出もある。しかし惨劇は回避できない。

 ほんのちょっぴり違う展開を作り出す原因は何か、そしてそれらを乗り越えてハッピーエンドはあるのか?というのが本作のエンディングだと思うんです。

・発症者が出る

 まだ確定事項ではないですが、鬼騙しのレナはモロに引っかいてましたし、綿騙しの魅音はその死体の首元に引っかき傷がありました。前作でいうルールXは変わらずありそうです。

・梨花ちゃん死ぬ

・沙都子死ぬ

 まだ2編ですが、主人公?でもある梨花ちゃんがやられるのはわかるとしても、沙都子が死ぬのはちょっと分からない。今作の沙都子は本当に謎が深い。

・現場で2人倒れる

 これも象徴的ですよね。鬼騙し編ではレナと圭一、綿騙し編では魅音?と沙都子。圭一は生き残りましたが、それ以外は死亡。鬼騙し編ではレナの凶行に圭一が引っ張られたようにみえましたが、綿騙し編では描かれませんでしたね。鬼騙し編に倣うなら、魅音か沙都子のどちらかが発症していてどちらかが引っ張られて相打ち……といったところでしょうか。ただ現場に残ってた拳銃は魅音が持ち出したものとは違うという指摘もありますね。

 話は突然変わりますが、今作のEDとてもいいですよね。曲名は「神様のシンドローム」、シンドロームは症候群のことですが、原義は「同時進行」……これもヒントになりそうじゃないですか? 

・富竹鷹野行方不明

 前作でいうルールY「マジの陰謀」に関わってきそうなところです。綿騙し編では何かから逃げるように車を盗んで鷹野とともに逃走した、という補足がありました。前作を知っている人なら、鷹野がこんな分かりやすい痕跡を残すわけがないとすぐに気付くはずです。組織内で何かあったんでしょう。鬼騙し編では何やら引っ越し作業をしている入江診療所も描かれてましたしね。綿騙し編では、組織らしき集団が園崎家に姿を現していたのは不思議でした。尾行の様子なども含めると圭一、魅音、沙都子の誰かを張っていたのか。黒幕が以前とは違う説がありますね。

・悟史の名前がまだでない

 これも不思議ですね。鬼隠し編では圭一が、綿流し編では詩音が、それぞれ思いを馳せる登場しないまでも大重要人物だったのに、名前どころか「沙都子には兄がいる」ことすら巧妙に明言を避けられています。祟騙し編ではどうか。

最初のゲーム「宝探し」

 鬼騙し編のシーンだったんですが、部活動で前作ではジジ抜きだったのが宝探しに変わってたんですよね。原作をやった人なら分かると思いますが、ここでのジジ抜きはただの日常シーンとしてではなく、作品を象徴するシーンの1つでもあるんです。ババ抜きはジョーカーという厄介者、罪を押し付けあうゲームですが、ジジ抜きはすべてのカードの中から1枚抜いただけで、たとえ敗者でも最初に抜いた1枚を戻せば救われる……みたいな、作品全体として「罪滅ぼし」が大きなテーマだったわけです。

 今作でも意味のあるシーンであることには間違いないと思います。前作以上にタイトな放送なスケジュールで、あんなに尺を取るというのはそういうことでしょう。漫画版でもかなり丁寧に描かれていました。正直まだ意味はわかりませんが、沙都子が梨花に罠をかけて勝者となるというシーンからも、沙都子が今作では重要人物であることは間違いない。しかし最後は梨花がやり返すところからして、やられっぱなしではなさそうだ。

沙都子黒幕説

 沙都子黒幕説が巷では人気で、まあー怪しい人物なのには同意。ただ黒幕とまで言い切るには子供すぎるような。メタ的な考察で、沙都子を操るプレイヤーが変わったみたいなのもありますが、いくら行動や意志が変化したといっても限度がありますからね。 ひぐらしはひぐらしで完結して欲しいという思いもあります。多分前作でいう大石や園崎家みたいなブラフ役かなーと思ってます。鬼隠し編のレナといい綿騙し編の魅音といい、沙都子と2人きりで場を離れた2人が発症したのは、沙都子がいらん一言を言ったからじゃないかな。もしこれが意図的な悪魔のささやきとかだったら怖すぎるよ。

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