起動に苦労したけど、普通に楽しく遊べたサバイバルホラー『The Evil Within(サイコブレイク)』の感想

4.5
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総評:グロいがエンタメ寄りの楽しい作品。理不尽さを遊びと捉える寛容さが必要かも。今買うならDLCセットで。

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バイオ生みの親がリリースした2014年の作品

The Evil Within(サイコブレイク)は、Tango Gameworks(日本)」が2014年にリリースしたサバイバルホラーTPS。バイオハザードシリーズのディレクターである三上真司さんが設立したTango Gameworksの初作品として注目を集めた、非常にバイオらしい要素を含んだゾンビシューティングゲームです。

一方で、プレイヤーのみを苦しめるトラップの配置や、ゲーム画面を遮る黒帯問題、PC版だけ日本語未対応(日本語データ削除)といったシステム面に対する不評も目立ち、Steamストアレビューも一部で荒れ気味と言えます。それでもなお、「非常に好評」を保っており、総合的には高い評価を得ている作品と言えるでしょう。

12時間でクリア

インストールサイズは約50GBで、PC版は日本語には対応していませんが、日本語化MODがあります。EPIC版の日本語の手順については以下の記事を参考にどうぞ。

プレイ時間:難易度が一番低いカジュアルで実プレイ12時間ほど。途中から弾や回復に余裕が出て、あっけなくボスを倒せることもありましたが、死ぬこともめちゃくちゃ多かったので自分としてはちょうどいい難易度でした。バイオシリーズと同じく途中から難易度は上げることはできず、下げることができるのみなので、自信のある人は最初は高めに設定した方がいいかもしれません。

実績:ストーリークリアしただけでは実績解除率は24%。クリアしたことで大量の経験値を得られ、新しい武器と新しい難易度もアンロックされました。また、本編を補完するDLCもプレイ可能になり、1周クリアしただけではまだまだ…といったところでしょうか。

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4つの特徴

サイコブレイクの特徴
  • ゴア表現
  • サイコスリラー的な演出
  • 物資がシビア
  • ステルスアクション(隠密)

ゴア表現:本作は「暴力や血しぶきが飛び散る描写など、生々しい残虐なシーン」を指すゴア表現が特徴です。ただし、全編グロまみれかというわけではなく、基本的には即死ギミックに引っかかったゲームオーバーシーンだけが衝撃的です。

サイコスリラー的な演出:『サイコブレイク』というタイトルの通り、サイコスリラー的な演出が随所に見られます。画面がゆらゆら揺れたり、画面の点滅、突然の画面遷移などが取り入れられています。これらは自然な雰囲気づくりとしてなじんでいますが、視野の狭いTPSゲームということもあって、人によって気持ち悪く感じる人がいるかもしれません。

物資がシビア:入手できる回復アイテムや弾薬は限られており、ストック数も厳しく制限されています。つまり、弾がそもそもないし、あっても大量に持ち歩けません。出現する敵の数に対しての充分な補給が難しいため、無駄撃ちを避け、弾薬を使用しない(ギミックの利用やスニークアタックなど)立ち回りが求められます。実際の自分のプレイでは、一瞬で弾切れになることも多かったですが、補給もそれ以上にあり意外と余裕がありました。

ステルスアクション(隠密):無用な戦闘を避けるために隠密行動が肝要です。敵に気付かれずに後ろから襲撃すると武器を使わずに倒すことができ、アイテムの節約ができます。メタルギアソリッドほど露骨ではありませんが突破に欠かせない要素です。

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感想:めっちゃバイオ。めっちゃエンタメ。

プレイ前の印象では、世界観的にもゲームシステム的にもストレスフルなゲームだと思っていました。最悪クリアできない可能性も頭にあり、最低難易度の「カジュアル」でプレイを始めましたが、いやはやビビりすぎました。あらゆる点で、めっちゃバイオ。めっちゃエンタメ。確かにストレスを感じる瞬間はあったものの、全体的には楽しいと感じる時間の方が長いゲームでした。

何よりも良かったのが、こまめなセーブポイントの存在でした。1つのギミックを超えるごとにオートセーブが入ります。これは時間でいうと5~10分間隔で休憩ポイントがある感じです。これにより、どんな理不尽なギミックに出くわしてもがんばれました。ヒリヒリする展開が続くかと思いきや、精神的には非常に楽にでしたね。短時間のプレイでも確実に前進している実感があり、戦略ゲームのように地盤をしっかり固めるスタイルが好きな自分にとっては、非常にありがたく、やり甲斐のあるシステムでした。

舞台が多彩だったことも予想外の驚きでした。バイオらしい館もあれば、夕日の綺麗な屋外ステージもあり、メリハリがあって毎回新鮮な気持ちでプレイできました。細かいオブジェクトのディティールにも凝っており、夢中になれる…ほどではないですが、ふと思うことがあるくらいには惹かれる空間でした。

良くも悪くも「ゲーム」

ポイントで体力や武器の強化ができる

ゲーマー向けのハードコアゲー

ちょい難しいライトなエンタメゲー

「武器弾薬を拾ってゾンビを撃つ」という定番のゲーム性が、シンプルでありながら非常に面白かったです。このゲーム性はリアリティやサバイバルを追求したものではなく、良くも悪くもゲーム的、アトラクション的で、その中で過酷さがほどよく取り入れられているという感じでした。

相手の近接攻撃を小ダッシュを繰り返してかわしていく動きなども、自分で操作しながら「ゲームだなぁ」としみじみ思いました。グロテスク描写は時に斬首や顔面陥没などの衝撃的なシーンもありますが、血の匂いが感じられるようなリアリティはなく、むしろ遊び心を感じました。

ストーリーも比較的わかりやすい

主軸となるゲーム性が面白いため、世界観やストーリーにも自然に興味が向いていったという感じですね。その世界観は独特で、サイコスリラー系の独特な演出が多い中、ストーリー自体は比較的わかりやすい展開だったと思います。

主人公であるカステヤノス刑事が、ある精神病院で起きた事件の捜査中に異次元の世界に囚われ、ホーンテッド(ゾンビ)と対峙しながら事件の真相に迫っていく内容で、主人公の過去やバイオっぽい研究、黒幕の内面、そして世界観の答え…など、比較的明示的に描かれていたと思います。ただし、完全に理解するにはDLCが必須です。セットバンドルが安いので、購入する際はセットで検討することを推奨します。

トラップ多すぎ!

こっそりカチャカチャしている雰囲気好き

他の人のレビューでもあったようにトラップの多さには驚きました! ステージによりますが、ひどいところでは罠罠敵、罠罠敵くらいの頻度で登場することもありました。それらの罠の多くは敵には反応せず、プレイヤーをピンポイントに狙った仕掛けでしかなく、これを不公平、理不尽だと感じる人がいるのも理解できます。一応事情はあるんですけどね。

この理不尽さが最も顕著だったのが序盤のチャプター3。ここは探索と攻略をセットで行う箱庭ステージで、「暗い」「広い」「どこに行けばわからない」「敵多い」「弾ない」「武器ない」「オートセーブない」「ゲームオーバーでアイテム拾い直し」というストレス要素が初心者プレイヤーに複合的にのしかかってくる難所で、このただでさえ大変なところを、さらなる追い打ちとしてトラップが悪目立ちしていました。

幸いこれ以降はわかりやすく一本道になっていき、チャプター3ほどの苦労したチャプターはありませんでした。トラップもギミックとして楽しめるようになり、接敵地点に巧妙に配置されたトラップの処理に悩んだり、トラップの配置から攻略順序を逆算しなければならないステージがあったりと、頭を捻る攻略の面白みがありました。また、トラップ解除後に手に入るアイテムがクロスボウの弾に変換できると知ってからは、むしろありがたい存在でした。

振り返ってみても、チャプター3が特に厳しかった。ここをクリアできたら多分もう大丈夫。

プレイ環境の変化

リリース当初は黒帯が消せなかった

即死ギミックの多さも特徴です。まあ大体そういうところでは直前にオートセーブが入るため、すぐにやり直せるのですが、発売当時なら辛かったでしょうね。というのも、本作発売の2014年はPS4初期型がリリースされた直後くらいの話で、当時はまだHDDが主流でしたから、読み込みが遅く、即死ギミックのたびに待たされる時間があったのだと思います。PC版での①日本語不対応(日本語データ削除)、②レターボックス(黒帯)表示固定化、③30FPS固定問題も同様で、ゲーム性とは関係ない部分で瑕疵があった作品かなと。

現在、これらの問題は解決され、日本語導入に手間がかかるものの、システム面の不備はほぼ解消されました。しいていえば、トラップに気付いてもすぐに止まれないことや、しゃがんで撃てないことと、立ちとしゃがみで光の当たり方が異なることがややストレスでした。

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理不尽要素を遊びだと思えれば

ストアレビューを読むと、理不尽、不親切すぎるから受け付けないという声が散見される中、個人的にはヌルい難易度だったこともあってか、逆にその理不尽さに制作者の遊びを感じて面白く思えました。すぐにオートセーブでやり直せるってのも大きかったです。

ゆっくりと扉を開ける動作に本作のすべてが表されていると思います。さぁ次の部屋はどうなんだ?と新しい世界を待ち望むワクワク感。エンタメ真正面ってな感じの作品で予想以上に楽しめました。

これより評判のいいサイコブレイク2は一体どうなっているんでしょうね…。近いうちに…。

Steam/Epic

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