久々にパズルで感動。LIMBOのゲームデザイナーの新作パズルアドベンチャー『COCOON』の感想

5.0
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LIMBOのゲームデザイナーによる新作

作品名COCOON(コクーン)
開発Geometric Interactive
リリース日2023年9月30日
ジャンルパズルアドベンチャー
価格3,250円(Steam
対応プラットフォームPC(Steam、Windows)、Switch
XboxONE/X/S(ゲームパス対応)、PS4、PS5
日本語対応
インストールサイズ2.16GB
プレイ時間約5時間半

COCOON(コクーン)は、虫のようなフォルムをした主人公が、古代文明が残した機械の中で法則を学び、世界を探索していくパズルアドベンチャーゲーム。

LIMBOとINSIDEのリードゲームデザイナーを務めたJeppe Carlsen氏による新作であり、過去作同様にゲーム内に言葉は登場せず、移動以外で使用するアクションキーも1つのみ。

プレイ時間:約5時間半でクリア。基本スムーズに進行し、ちょくちょく詰まる箇所が…って感じですね。それでもなんとか自力でクリアできました。平均4時間くらいでクリアできるようなので、自分は結構かかった方ですね。道中寄り道することで実績解除することができ、それらの時間も含めても1桁時間で終えられるゲームです。

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感想:純粋にパズルとして面白い

いや~驚きました。

なんとなく評価が高いという理由でストックしていて、プレイを始めた理由も気まぐれ。それがまさか、こんなすごいゲームだったとは…。

第一印象は微妙:前情報無しで始め、まず気になったのがビジュアル面でした。正直イマイチだなぁと。昆虫っぽい主人公のフォルムは気持ち悪く、周りの背景の質感も良くない。肝心のパズルも単純すぎる。これはもう、昆虫の世界とかそんな感じのイロモノ系のよくあるパズルゲームだなぁと。

パズルのクオリティに引き込まれる:しかし、徐々にパズルの手応えが増していくとともに、印象も変化していきました。

「面白い。しかも良く出来ている」

パズルの傾向としては、ガチガチの論理ゲームではなく、閃きが第一のアハ体験系のパズルで、比較的ライトに解けます。時に詰まることもありましたが、そういう場合でも、気付けばなんてことないギミックで、イライラより「やられたぁ!」と思える爽快さが上回りました。法則学習とパターン識別のレベルバランスも見事で、段々深まる難易度の中でも、根っこは単純なところが素晴らしいなと。

ボス戦のようなものも。達成感抜群。

いろいろパズルゲームをプレイしてきましたが、一口にパズルゲーといっても、「世界観こだわってて雰囲気がいいです」、「グラフィックがすごいです」、「ちょっとアクション要素足してます」といった、パズル以外の要素で補足するゲームが多いです。LIMBOオマージュ系は特に。

しかし、本作はストレートにパズルのみで面白いです。もちろん世界観やグラフィックも素晴らしいのですが、それらもあくまで脇役で、パズルが面白すぎるからビジュアルも映えるという感じです。

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多層構造ギミック:中でも特徴的なのが、オーブを利用した多層世界構造のギミック。オーブにはそれぞれ世界があり、どの世界にいても同じ時間が流れています。

いわばブラウザのタブをいっぱい開いた状態ですね。閲覧できるのは1つのタブのみですが、自由に行き来することができます。例えば、1つしかタブが開けなかったら、タブを重ねてやり過ごす…みたいに、タブ(オーブ)同士の関連の仕方に多くのバリエーションがありました。

多層構造はそれほど珍しいものではありませんし、調べれば似たようなゲームはいっぱいあると思います。しかし、多層構造を世界観(ストーリー)にしっかりと組み込み、なおかつロード時間がなくスムーズに行き来できるパズルゲームというのは非常に珍しく、個人的にも新鮮な体験でした。

細かい作り込み:しっかりプレイヤーのことを考えられていて作られています。たとえばマップ。めっちゃ広いです。「どこからどこまでがギミック?」「分かれ道をどっちに進む?」といった不安を感じるほど。しかし、よくよく注目してみると、退路が塞がれていたり、終わったギミックが閉じられていたりと、進捗に合わせたガイドが丁寧なんですよね。

特に終盤では、行動の選択肢が増えすぎて、どこから手を付ければよいかわからないという状況も多く、選択肢を減らしてくれるのは、それだけでもヒントになりますから、非常に助かりました。

また、仕様面で良かった点として、手数の多いギミックをクリアしかけた時、正解ルート手順途中から曲が流れるのが良かったですね。解ける前から嬉しいというね。ウイニングランの喜び。ゴールでさらに盛り上がるのも最高でした。

良くなかった点:

  • 終盤の手数が多さ
  • シューティング要素
  • 尺が短い

終盤の手数の多さ:終盤は二重三重の多重構造が増え、パズルがより複雑化していきます。問題は難しさよりも、手数が多すぎることでパズルが解けた瞬間の嬉しさが半減してしまうことです。短い手数で突破できれば、気付きと突破の喜びをほぼ同時に味わえますが、終盤はこの気付きと突破が離れすぎており、難易度の上昇とともに爽快感も薄れていった印象です。

シューティング要素:わずかですがシューティング要素があります。本作はボス戦などアクションが必要そうに思えるところでも、難易度としては非常に穏やかなのが良いところです。しかしなぜか、このシューティング部分だけ時間制限?があるのが解せなかったです。

尺が短い:濃密な内容ではありますが、3~5時間でクリアできるゲームに約3,000円という価格設定はちょっと高いかなと。

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総合:久々にパズルゲームで感動

世界観やグラフィックに頼らず、単純な操作でプレイヤーを引き込むパワーを持った非凡な作品。あまり詳しく触れませんでしたが、言葉のないストーリーやスケールの大きい世界観も当然素晴らしく、エンディング迎えた時の圧倒される感覚も忘れられません。

ちょい高い価格設定だけ難ですが、ゲームパスにも対応しているので、興味ある人はぜひ。

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