なんとなく見た目に惚れ込んで衝動買い。シリーズ完全初見プレイの感想。
ゲーム概要:財布がシビアな拠点運営&防衛
作品名 | Kingdom Two Crowns |
開発 | Stumpy🐙squid, Fury Studios, Coatsink |
リリース日 | 2018年12月12日 |
ジャンル | シミュレーション、アドベンチャー、資源管理、RTS |
価格 | 通常版:2,300円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam、GOG)、 XboxOne|X|S、PS4|PS5、Switch アプリ版(Google Play、App Store) |
日本語 | 対応(字幕のみ) |
インストールサイズ | 約1.34GB |
Steam評価 | 非常に好評(91%) |
プレイ時間 | 約15時間 |
Kingdom Two Crownsは、Kingdom(キングダム)というシリーズの3作目です。
キングダムシリーズは現在までに4作品がリリースされており(2024年6月現在)、そのどれもが初代のクラシック版をベースにしています。
リリース日 | 作品名 | 価格 |
---|---|---|
2015年10月22日 | Kingdom:Classic | 無料プレイ |
2016年8月10日 | Kingdom: New Lands | 1,700円 |
2018年12月12日 | Kingdom Two Crowns | 2,300円 |
2023年6月26日 | Kingdom Eighties | 1,400円 |
- Qどういうゲーム?
- A
資源カツカツ系の拠点防衛ゲーム
平たく言うと未開拓の島で王国を築こうぜ!というシチュエーションで、昼間のうちに探索と建設を行い、夜は敵の襲来に備えるということを繰り返す拠点発展&防衛ゲームです。
最終目標とゲームの流れ
舞台は島で、横移動のみ可能な2Dマップです。プレイヤーは王冠をかぶった王様として行動します。
動物を倒したり木を切り倒したりすることでコインを得て、そのコインを使って王国の発展を進めます。島には夜になると敵が出現し、昼間のうちにその備えをしなければなりません。プレイヤーが敵からダメージを受けると王冠を落とし、これを持ち去られるとゲームオーバーになります。
マップは陸側と海側に分かれており、陸側には固定で魔物の巣?(敵本拠地)が設置されています。すべての島でこれを破壊することが最終目標です。
しかし、初見でその目標を達成するのは難しく、まずは島内を探索し、王国の拡大や技術の開放を目指します。
- 人と金を集める
- 敵の攻撃に耐えられる程度の防衛環境を構築
- 余った金で施設拡充
- 船を作って他の島でも探索
- いずれ敵の本拠地を叩く
大体こんな流れで、序盤は耐えて耐えて、途中から反撃に打って出る感じですね。
前作『New Lands』では船で出港するだけでクリアだったようです。それが本作ではちゃんと各地の敵本拠地を叩く必要があるようで、その点でやや難しく(面倒に)なったみたいです。
夜には敵の襲撃
夜の襲撃は日数の経過とともに苛烈さを増していき、より大規模な襲撃になるブラッドムーンというイベントも発生します。
それでも、個人的な手応えとしては難易度的にはライトな方だと感じました。最善手を選ばなくても要所さえ押さえれば、比較的余裕のあるプレイが可能でした。
- Qシリーズの違いは?どれをプレイすればいい?
- A
どれでもよし。人気的にはNew Landsの情報が多い印象。
ネットで軽く調べた程度のシリーズ初見者の感想ですが、本作含めシリーズ作品はどれも初代のマイナーチェンジ版という印象を受けました。攻略的にも大きな変化はないようで、今回のプレイでわからなかった部分は前作の情報を調べることでほぼ事足りました。
本作『Two Crowns』独自の要素としては、2人協力プレイができることですかね。画面を分割してのローカルプレイ、または部屋番号を公開してのオンラインプレイを楽しめます。
野良マッチングはなし。
DLCもあるよ
また、通常の中世風のステージに加えて、魔法が使えるファンタジーステージ「デッドランド」、ニンジャが活躍する日本風のステージ「ショーグン」など一風変わったプレイを楽しめる特殊ステージも最初から同梱されています。
さらに、北欧バイキングをテーマにした有料DLC「ノースランズ」もあり、つい最近でも古代ギリシャ神話をテーマにした新規DLCの発表もありました。
まだまだ現役バリバリ。
感想:癒やされるが戦略ゲーム的には不足も
良くも悪くもスローテンポ
使用するキーは「
」の3つだけ。激しい操作は必要なく、日数経過による難易度の上昇も緩やか。ピクセルアートは愛らしく、流れるBGMも牧歌的。リラックスしてプレイすることができ、長時間でも全然疲れません。ただ一方で、さすがにのんびりすぎるなぁと感じることも。
プレイ中の大部分は移動時間
たとえば移動時間。
シンプルに足が遅い! そのうえスタミナの概念があり、マップの端を見に行くだけで日が暮れてしまいます。外への探索だけでなく自国領内の移動だけでも一苦労です。
まあ、リアルタイムストラテジーってこういうもん。探索=移動も時間的リスクのある行動だと。
ただ、本作の場合、そこまで厳格な時間管理を求められないため、実際的には単なる小休止という感じです。雰囲気を楽しむうえでは素敵な余白かもしれませんが、戦略ゲーム的にはやや情報密度に欠けるかなと。
雰囲気は本当にいいんだけどね
難易度はほどほど、落とし穴が多い
戦略ゲーム的には難易度はほどほどに感じました。最善手を選び続ける必要はなく、全体的に余裕がありました。しかし、取り返しのつかない最悪の一手が常に存在し、そのために何度もゲームオーバーを経験しました。
- 人数こそパワー
- キャンプの両脇の木は残し、できるだけ存続させる
- キャンプ跡地に宿泊施設をつくれるが高め
- キャンプの立地が難易度を決める
- 狩猟がメイン金策
- ウサギは草原(緑色の地面)によく湧く
- 弓兵はゲート近くには近寄れない
- 冬は貯金を切り崩すか槍兵の釣り
- 拠点発展で銀行おじさん出現
- 若干利子がつくようで、積極的に預けておk
- リセットはしない
- ゲームオーバーで施設が引き継がれるためゼロからやり直さない
自分がやらかしたので言うと…
- コインを使い切ってしまい、コインを稼ぐための投資ができなくなる
- 夜までに壁の建築や改築が間に合わず、拠点内に敵の侵入を許してしまう
- うっかりミスでキャンプ消失(キャンプ片側の木を切り倒す)
一手一手が重いというわけではありませんが、基本的にセーブ&ロードでやり直すことができないので、やらかしたら終わりです。たった一手で数時間のプレイが無駄になるのは辛いですね。
戦略ゲームとしては不親切
他に辛い点としては、ゲーム内の説明が少ないのが不親切だなと。そもそものゲームコンセプトが手探りの冒険感を重視しているためか、戦略的な思考の前にまず観察力が求められます。
問題点は、この観察自体にもリスクが伴ううえ、わかりづらいことです。例えば、施設のアップグレードにはコインが必要ですが、アップグレード後の効果の明確な説明はなく、無駄になる可能性すらあります。
具体例一覧:
- 焚き火(本拠地)アップグレードの効果が不明確
- 森の中で見つけた謎の彫像の効果が不明確
- 銀行機能(コインの貸し借りはともかく利子の仕組みが分かりづらい)
- 季節
変化に気付けるかどうか…。自分はゲーム外で調べることでやっと意味を理解できました。
季節とは:日数が経過することで季節が移り変わり、特に冬になると狩猟や農場ができなくなり、金策に困ります。冬になる前に備えておく必要がありますが、ゲーム中にそれを知らせる忠告はありません(季節の移り変わりのタイミングでブラッドムーンになるくらい?)。
ゲーム全体のプレイ時間とリプレイ性に不満
このゲームは最終的には5~6つの島を制覇する必要があり、通しでのプレイにはかなりの時間がかかります。それを最初からやり直すのは非常に骨が折れます。幸い、ゲームオーバーから再開すると施設は引き継がれるため、強くてニューゲームが可能ですが、それでも同じ地点まで復帰するのにそれなりの時間が必要です。
失敗してやり直すという設計自体に文句があるわけではありません。試行錯誤は楽しいです。ただ、ゲームオーバーになりかねないリスクに対して、やり直しに時間がかかりすぎるのと、序盤の動きに変化がまったくないのが個人的にキツかったです。
総評:戦略より雰囲気を楽しむ
う~ん、こうして振り返ってみると結構不満が多かったですね。けれども、どうでもいいゲームについてここまで書きたくなることはないので、それだけ語りたくなるゲームだったということだと思います。全然プレイできるし、楽しいですよ。
個人的な総評は…、リラックスしてプレイできるカジュアルゲーで癒やされるけども、戦略ゲームとしては物足りなさを感じる部分もある…といったところ。
ゴリゴリの戦略ゲームと、ほどよい難易度の雰囲気ゲーのどちらが良いかは個人の好みの問題だと思います。急がずリラックスしてプレイできる点を良いと感じる人もいるでしょうし、自分のように移動ばかりで打つ手が少ない戦略ゲームとしてやや冗長に感じる人もいるでしょう。
いずれにせよ、見た目やゲーム性に興味があるならぜひプレイしてみてください。初代は無料、前作はセール時に170円、本作も575円とかなりお得に購入できるので、とりあえずウィッシュリストに入れておくだけでもおすすめします。たとえハマらなかったとしても、コスパがいいゲームであることは間違いありません。
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