ゾンビシューティング!
ゲーム概要
作品名 | The Evil Within 2(サイコブレイク2) |
開発 | Tango Gameworks |
リリース日 | 2017年10月13日 |
ジャンル | サバイバルホラー、TPS |
価格 | 4,800円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam)、PS4、XboxONE |
日本語 | 対応(フルボイス) |
インストールサイズ | 約34.37GB |
Steam評価 | 非常に好評(91%) |
プレイ時間 | 約18時間(難易度サバイバル) |
The Evil Within(サイコブレイク)の続編。あの悪夢から3年後。
前作かなり楽しめたので期待を持ってプレイ。ちなみに開発元のTango Gameworksの作品はすべてゲームパスに対応しています(2024年現在)。
- Qどんなゲーム?
- A
ほぼバイオ。弾を拾ってゾンビを撃つゲーム。
- Q前作プレイしてなくて大丈夫?
- A
明確に続き物なので、前作プレイを推奨。
前作からの変化
グラフィックが大幅進化。世代が変わったこともあってか(PS3→PS4)、より鮮明に(そしてより重く)なりました。
世代的にもFallout3からFallout4になったときみたい。明るくなって、色がくっきりはっきり。
特に赤色の鮮やかさが印象的でした。
小物のデザインも相変わらず凝っていてすごいと思う。
前作の評価を下げた要因であるシステム周辺には何一つ不足がなかったです。PC版でも起動がスムーズで日本語完全対応(フルボイス)。
主観視点でも楽しむことができるとのことでしたが、自分には合わず、前作同様肩越し視点の視野角MAX設定でプレイしました。
クリア後に黒帯オプションが解禁されて笑いました。
マップも広くなりました。
オープンワールドとまではいかなくとも、それに近い広さのマップもあります。罠もなければ、面倒な謎解きもなくなり、全体的にかなりプレイしやすいゲームになったと思います。
感想:1ほどの強烈な体験は味わえず
「良くできている。うまくまとまった。でも興奮は足らない」
ヒューマンドラマとしては好きだけど、ゾンビシューティングとしては物足らなかったな、というのが正直な感想です。
全体的に難易度低下
シューティング?
前作は最低難易度のカジュアルでプレイしましたが、何度もゲームオーバーになるくらいヒィヒィ言いながらクリアしたのを覚えています。今回はゲームに慣れているので大丈夫だろうという判断で通常難易度のサバイバルでプレイしました。
…びっくりするほど肩透かしでした。めっちゃ簡単! 「これクリアできるのか…?」と不安になることは1度もなかったです。
前作で猛威をふるった理不尽な仕掛け(見づらいワイヤートラップなど)や、敵をマッチで燃やす必要がなくなったことも大きいですが、それ以外の部分でもかなり抑えめな難易度設計だと感じられました。
難易度低下は以下の3点の影響が大きいです。
- マップが広くなった
- スニークアタックの強化
- 敵が賢くない
マップが広くなった:前作は狭い通路での戦いが多く、真正面から応戦せざるを得ない状況になりがちでした。それが本作では、一部のマップはオープンワールドと言えるくらい、ほぼすべてのマップが広くなりました。これにより敵の死角を突きやすくなっただけでなく、仮に見つかった場合でも逃げることができるようになりました。
スニークアタックの強化:これにより相対的にスニークアタックがめちゃくちゃ強くなりました。
というやりたい放題の環境になってます。資源カツカツ系のシューティングで、弾薬無使用の一撃技を低リスクで発動し放題なのだから、そりゃー簡単になりますわな。
敵もあまり賢くない!:敵のチェイス能力が非常に低く、プレイヤーが遮蔽物に隠れるとすぐに姿を見失います。そのため、
- わざと敵に見つかる
- 壁に隠れる
- 敵は姿を見失うが、追っている状態
- 壁に近づいたところをスニークアタック
といったこともできます。敵集団相手にこのハメ技が決まったときはさすがに笑っちゃいました。
だから撃たなくていい状況があまりにも多すぎるんですよね。自分が前作を評価している点は、なんだかんだゾンビシューティングとして面白かったというのが大きかったので、そもそもシューティングしなくていい本作のバランスはあまり好きじゃなかったです。1周目から縛りプレイなんてしたくないですし。
ボスのHPもなんだか低いように感じられ、ステージ中の謎解きもほぼなし。前作は意地悪すぎたところがありましたが、困難を乗り越えた先の達成感は唯一無二でした。その達成感が本作ではあまり感じられませんでした。ストレスがありすぎるのも問題だが、なさすぎるのも味気ないなと。
全回収のストーリー
一方でストーリーは最高でした。
サイコブレイク1は辻褄合わせや世界観についてよりも、わけのわからなさをわざと演出した雰囲気ゲー的な側面が強く、DLCによる補完があってもなお消化不良感がありました。それが本作では、あれはああいう、これはこういうといったように、すべての出来事に理由付けがあり、筋が通っていてわかりやすく、キャラクターにも感情移入もしやすかったです。
過去からの解放と克服
今回もまたSTEMの中に入り、その世界を支配するサイコパスと戦っていくわけですが、今回はサイコパスよりも主人公セバスチャンの内面に迫っていく内容でした。
鍵となるのは娘を亡くした火事。
前作では特に深堀りされないまま、火にトラウマがあったラスボスと共鳴する部分があったのかな…となんとなく察する程度でした。今回はその火事前後の回想が丁寧に描かれ、セバスチャンにもたらされた影響がどれだけあったのかが明かされます。
それを知ったうえで、火事を彷彿とさせるステージや前作STEMの悪夢の再現をぶつけてくる黒幕のいやらしいこと。そして、そんなこれ以上ない困難に物理的精神的に立ち向かっていくセバスチャンのかっこいいこと。
特にいいなと思うのは、いい意味で深みがないというか、ストレートに感情をぶつけるキャラクターが多いところ。作品全体を通してどちらかというとアート成分やや強めの作品ではあるけれども、バイオにも通じるようなエンタメ的なマインドがあり、深刻だけど深刻じゃないという単純明快さが根本にはあります。示唆を与えてくれる作品も好きですが、「危ない!」「辛い!「あの野郎!」って素直な感情で共感できるのが大好きです!!
それとストーリーでいうと、ネタバレになるので深くは触れませんが、キッド関係にも進展があったのが嬉しかったですねー。またDLCコースかなと思いきや、本編中でやってくれました。前作DLCでも解消できなかったモヤモヤも晴れ、文句なしの終わり方に大満足のストーリーでした。
終わりよければ全てよし
ゲームとしてはヌルくなったが、全回収のストーリーは最高。
前作のネガティブな部分はすべて解消され、起動時のエラーもなければ、なぜかPC版にだけなかった日本語対応も嬉しかったです。実際のプレイでは、厄介な罠や面倒なギミックがなくなり、スムーズに進められる。ただ、あまりにも快適さを重視した結果、ゲームとしての歯ごたえはだいぶ減少したかなと。個人的にもっとも震えたのは、前作の敵が出現したシーン。逆に言うとそれ以外の本作オリジナルの敵はなーんか印象に残らないのが多かったですね。
とはいえ、面白いは面白かった! ラストに続編匂わせがあったのも、懸念よりもまた楽しいゲームができると嬉しくなりました。ただ、残念ながら本スタジオは閉鎖されちゃいました。同じクリエイターでまたどこかで…そのときはタイトル名は変わってそうですけど、またこんな感じのゲームをプレイしたいですね。
コメント