鉄血のオルフェンズ22話「まだ還れない」のストーリー振り返りと感想。オルガ、吹っ切れる。アラヤシキシステムの謎が明らかになる。

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21話「還るべき場所へ」

22話「まだ還れない」

火星にはまだ帰れないしビスケットがいるところへ還るつもりもない。

カルタのその後

イズナリオの狙い

人間らしさ~阿頼耶識(アラヤシキ)の正体~

オルガ吹っ切れる

アーブラウ議会への道

カルタのその後

 カルタの精神はボロボロ。評価もボロボロ。イズナリオから直々に退却命令が出される。統制局局長から直々の命令というだけでなく、彼はカルタが現在のポジションにつく手助けをしてくれた後見人であることもあり、従わざるを得ない。

 イズナリオ(父)「役立たず」

 マクギリス(子)「死んでおけば生き恥を晒さずすんだのに」

 この親子…。

イズナリオの狙い

 アンリ・フリュウは動揺していた。マカナイが再始動したからだ。彼が亡命してアーブラウにいないからこそ選挙に勝つ見込みがあった。イズナリオが彼女に近づいたのも、彼女がアーブラウ代表になり、彼女に恩をつくった自分への見返りを期待してのものだった。

 マクギリスとボードウィン家の幼子を結ばせ、カルタの後見人になり、アンリ・フリュウに近づいた。これらの行いはセブンスターズ内での影響力を高めるためで、影響力を高めるのは、自らの地盤を固めることにほかならない。彼はギャラルホルン内での権力闘争を最もよく体現する男なのかもしれない。

人間らしさ~阿頼耶識(アラヤシキ)システムの正体~

 アインは生命維持装置によってギリギリ生かされている状況だった。復讐できるチャンスを取り戻すにはアラヤシキ手術しかない。そんなマクギリスの進言に、ガエリオはまだ素直に受け入れないでいた。ガエリオ含む多くの地球人の根底には、身体に機械を埋め込むこと、アラヤシキシステムへの嫌悪感があった。なぜならそれは「人間であることを捨てる」ことだからだ。その言葉がトリガーとなり、マクギリスはついにアラヤシキシステムの正体について語り出す。

 300年前の厄災祭で人類は疲弊し存亡の危機にあった。互いに消耗するだけの戦争を止めるには彼ら以上の圧倒的な力が必要だった。たとえば、人間の能力を超えた力。それに同意する者たちが国の枠を超えて集まり、その研究過程で生まれたのが、阿頼耶識(アラヤシキ)システムだった。アラヤシキシステムはモビルスーツの運動性を最大限に高める。そしてそのシステムをより有効に活用できるようにしたのが72機のガンダムフレームだった。

 ギャラルホルンはアラヤシキとそれを活用するガンダムフレームを使い、厄災祭に介入し厄災祭を終わらせた。

 しかし300年が経って、かつて戦争を止めたアラヤシキが今では厄災祭を呼び起こすものとして忌み嫌われている。ギャラルホルンも弱体化し、今では権力闘争と汚職に忙しい。マクギリスの父親イズナリオはその極みだ。CGS編の頃、コーラルの汚職に失望するマクギリスが描かれていた。

 つい近年まで稼働していたというアラヤシキの研究施設にて、マクギリスはギャラルホルンの原点回帰について熱く語った。いわば救世主ともいえるアラヤシキシステムの存在。求心力を失ってきたギャラルホルン。ガエリオの心を揺らしたのは間違いないが、マクギリスの狙いはもっと他にありそうである。

オルガ吹っ切れる

 衝撃的なビスケットの死を受けて、鉄華団には重苦しい空気が流れていた。文字通り仕事が手につかない状態に。年端もいかない彼らにかける言葉を知らないメリビットは、タービンズの女性たちに相談をするが、冷たい反応しか帰ってこない。彼らと同じような環境で育ってきた女性戦士が考えるに、今あえて彼らに何かする必要はない。

 やはり鉄華団を復活させることができるのはオルガしかいない。しかしオルガは部屋に引きこもってでてこない。メリビットは近寄りがたい雰囲気を感じ萎縮していた。ただミカヅキだけはオルガに真っ向から向かっていった。

 鉄血のオルフェンズ、もう22話である。主人公であるミカヅキも精神的成長を遂げ、塞ぎこんだ仲間にも気の利いた一言をかけるに違いない。

 …と思っていたよ!

 始まったのはいつものミカヅキ節、しかも濃い目で。オルガは慰めを期待していたに違いない。

 「次は何をやればいい?」「あと何人殺せばいい?」

 「お前のほうが大丈夫かよ!」と言いたくなるような調子なので、オルガは自分どころではなくなった。悩みもすべて馬鹿らしくなって、すっかり吹っ切れた。

アーブラウ議会への道

 マカナイをアーブラウ領エドモントンの議会へ連れて行き再び代表の座に君臨させる。それがクーデリアと鉄華団の直近の目標だ。自分たちの出発地と目的地は明らかなので、ギャラルホルンの監視の目はより精度を増している。辿り着くのは容易ではない。そこでクーデリアが編み出した案は、海路ではなく陸路を活用することだった。具体的には、アラスカ・アンカレッジに停泊し、そこからはテイワズ管轄の鉄道を利用するルートである。

 週に一度、アンカレッジからフェアバンクス経由でエドモントンへ行く定期便が走っている。定期便なので怪しまれることもないし、海が警戒されている現在では有効だ。

 これにはテイワズのコネと、フェアバンクスでの乗り換えを隠密かつ迅速に行えるサポートが必要だ。そこで登場したのがラスカー・アレジという人物。彼はアンカレッジにいるマカナイ派の人物である。次回は彼の協力がうまくいくかどうかが見どころとなる。

感想

 今回はいろんな人がキレてた回だったなぁ。

 アラヤシキの謎がついに明らかになった。厄災祭ではアラヤシキという人間を超えた力で人類を治めた。そして今また人類に争いが起ころうとしている。それを止めるのはギャラルホルンではなく、新たな…それがマクギリスの狙いだろうけど、すべてではない。しかし、マクギリスの根底には統治や管理といった思想があることは間違いないだろう。そして自分こそが人類を導く存在であると思っている。憶測が入っているが、ガンダムのラスボスはだいたいこんなもん。次回子供マクギリスの話があるようなので、そこで明らかになるか?

 今回一番印象的だったのはミカヅキとオルガのかけあいだ。作品を象徴するシーンでもあると思う。鉄血のオルフェンズは猪突猛進というか、バカ正直な精神を肯定的に描いている。今回のオルガの「吹っ切れ」を要約すると、「歯向かうやつは全員殺す」ってことだ。いい見方をすると、わかりやすく共感しやすい。悪い見方をすると、リアリティがない。

 鉄血のオルフェンズが他のガンダムシリーズと異なるところは、大人の抑圧を受けていないことだと思う。少し前に、最近のアニメは親が出ないと話題になっていた。鉄血のオルフェンズの主人公には親どころか指揮官すらいない。厳密にいえば指揮官はいるが、今回のように脅しをかけられるような相手である。他シリーズでは若い主人公が組織への不審と反逆心を上官に矯正されるシーンがよくあった。そういう意味で他シリーズと比べるとストレスフリーな環境なのかと。もちろんいつも命がけの戦闘をしているので「比較的」ですが。

 コントロール役がいないぶん、好き勝手やれて、うまくいけば仲間内で大はしゃぎする。随所に極道要素がみられ、現在の最重要人物であるマカナイもその筋とみられてもおかしくない服装をしている。この悪友感というのか、アウトロー感というのか。そういったものへのリスペクト、憧れといったものを感じる。

 イレギュラーな策でレギュラーを上回る。教科書通りの策をとことんコケにし、自分らの道理を通す。前回も書いたと思うが、その根底には主流派への反逆、反主流派の逆襲がある。他のシリーズでは上官から殴られて終わっていたのをのびのびとやっている。親が出ないアニメの話じゃないけど、こういう時代なんだなって。

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