とりあえず全キャラハードまでクリアしたので、現時点での軽いレビューとゲーム紹介など。
StSライクのカードゲーム
Vault of the Voidは、Spider Nest Gamesによるデッキ構築型カードゲームです。
よくあるSlay The Spire(StS)のフォロワーですが、ランダム性が低いのと、カードデザインがやや複雑という特徴を持ち、デッキ構築型カードゲームの中でも、良く出来ているほうだと高評価のゲームです。
標準で日本語ありです。完璧なローカライズでした。
ゲームサイズは700MBくらいです。
ゲームの流れ
難易度はノーマル、ハード、インポッシブル、インポッシブル+の4つ。インポッシブル+は自分で縛りを設定することができるモードで50段階まで調節できます。インポッシブル+カオス50(i50)が最高難易度です。
実際にプレイした手応え的には、ノーマルハードレベルまでなら1~3回の試行回数でかろうじて突破できる感じでした。インポッシブル、インポッシブル+はまだ未プレイです。
プレイ時間は、自分の場合は1周1時間半~2時間弱でした。
選択可能なキャラクターは4人
キャラクターは4人。それぞれ固有の能力を持っていて、獲得できるカードやレリックにも違いがあります。
初期デッキは2つから選択する方式。ある程度コンセプトを持ったデッキを最初から使えます。
ヒドゥンというキャラクターの場合は、出血による状態異常ダメージを重ねていく出血型と、手数に優れた斬撃型の2つがあります。そう、サイレント。
最初のボーナス
初期デッキを選択した後に、5枚入りのブースターパックを引けます。さらに、好きなアンコモンカードを1枚選ぶこともできます。選べるアンコモンカードはクリアごとに増えていきます。
つまり最初から6枚も新規カードを入手できます。デッキ枚数が20枚固定であることを考えると破格ですね。
イベントは踏み得
マップはこんな感じに左から右に1マスずつ踏破していくスタイル。階層は第3層まであります。3層はボスラッシュみたいなものなので、実質マップ攻略を楽しめるのは2層までですね。右端のボスを倒せばHP全快して次の層へ…という感じです。
イベントマスもご覧の通りたくさんあります。特徴は1つもマイナスイベントがないこと。せいぜいペナルティを背負ってメリットを得るかという選択があるくらいで、基本的に踏み得です。
入手できるカードも事前にわかる
「マップ報酬」からどのマスでどのカードを入手できるか確認することができます。
つまり、カードもイベントも事前にすべてわかるのです。極力ランダム性を排除したゲーム設計というのがコンセプトの1つとなっています。
デッキ編集
デッキは20枚固定で、減らすことも増やすこともできません。そのかわりにいつでもデッキ編集が可能で、戦う相手によってデッキを組み替えることができます。
毎ターン5枚引けるので、ドロー系をいれなくても4ターンでシャッフルです。これがどの程度のものか。参考までにStSは初期デッキ10枚、圧縮意識して20~30枚です。
カードカスタマイズ
StSのように、強化マスでカードを強化することができます。
加えて本作では、カードカスタマイズというのがあります。カードに虚空石と呼ばれる石をセットすることで、追加効果を付与できるというものです。
微ブーストレベルのものが多いですが、中にはカード複製やカード再実行(2連続使用)のような強力な付与も存在します。基本的に補助、少しぶっ壊れが混入というバランスですね。
戦闘の基本ルール
カード説明は長ったらしいですが、ルール自体はとてもシンプルです。
コストは自動回復+カードで加速
カードをプレイするには、カード左上に記載されているエナジー(コスト)が必要です。エナジーはターン開始時に回復します。最初のターンのみ3で、それ以外のターンで2ずつ回復していきます。
エナジーはカードをパージすることで回復することもできます。パージとは、カードをプレイするかわりに捨てることで、1枚のカード=1エナジーとなります。
毎ターン5枚になるようにドローできるので、ターン開始時の回復も含めれば手札全パージで7~8は確実に確保できるというわけですね。まあエナジーにも上限があるため(基本5)、貯めて次のターンに放出…ということはなかなかできませんが…。
パージのおかげでカードが腐ることがほとんどなく、安定的に戦うことができます。
被ダメージには遅延がある
敵の攻撃→ダメージ
ではなく、
敵の攻撃→自ターン終了→ダメージ
といった感じに、ダメージが入るまで遅延があります。ダメージを抑えるには攻撃を受けた自ターンのうちにブロックを積み上げる必要があります。
ポイントは全滅させるとダメージを回避できるところですね。序盤は攻撃とブロック半々でプレイせざるを得ないですが、最後の最後は防御全放棄でいいわけです。最後にドーンと叩き込む瞬間はクリアの喜びと相まって爽快です。
倒すタイミングが重要な戦闘進行度
戦闘進行度というゲージが100%ではないかぎり、敵を倒したとしても、増援が出てきます。
戦闘進行度は敵を倒すごとに増えていきますが、その値は敵の強さに比例していて、1体倒すだけで100%になる敵もいれば、倒しても数%しか上昇しない敵もいます。倒すタイミングだったり順番だったりに工夫が求められます。
感想:情報量は多いがプレイ感はわりとシンプル
第一印象は文字ちっさ!でした。それだけ情報量が多いということなのですが、実際何回かプレイしてみるとそこまで複雑なゲームではないなという感想を持ちました。
戦闘は手癖で
プレイ時間の大部分を占める戦闘は、慣れるとほぼ直感でプレイできます。戦闘中に干渉できるのは手札だけですから、毎ターン配られる5枚=実質5手に集中すればいいだけです。短い手数のパズルを繰り返しているようでした。戦闘中のプレイングより、デッキ構築にすべてがかかっているように思いました。
言い訳のできないデッキ構築
本作のポイントはデッキ構築にあると思いますね。事前にカードを入手できる場所を明示されていますし、マイナスイベントは1つもありません。デッキ構築は自由であると同時に言い訳の出来ない領域でもあります。
シナジー重視
初期デッキを2つから選べることからも、コンセプト・シナジー重視のデッキが推奨されていることがわかります。いわゆるグッドスタッフ的なデッキでは勝てません。というのも、Slay The Spireと比べて敵HPが際立って高いからです。序盤からHP100超えがチラホラいて、ラスボスに至っては1000を超えてます(もしかしたら難易度によってもっと跳ね上がるかも?)。
そこで、単体の強さより、相性のいいカード同士を組み合わせたシナジーが求められるわけです。特別強い組み合わせがあるわけではありませんが、自由にデッキから出し入れできるため、コンセプトに沿ったカードをいくつも投入することができます。そのため、特別狙ったプレイングをしなくても、気が付いたらとんでもないスケールになっていた…ということがよくありました。
良くなかった点
あえて良くなかった点をあげると、1周がやや長めなところですかね。自分の場合、クリアまで1時間半~2時間弱でした。熟練者だと3時間超える人もいるようです。
あとランダム性の低さゆえに、サプライズが少ないです。良くも悪くも予定調和的というか、盤石の勝利か、納得の敗北かしかなく、StSであったような無理そうだったけどレアレリックで大逆転!みたいなことはまずないです。
意外とロマンゲー
あえてこのゲームをプレイする面白みを挙げるとするなら、以下の3点でしょう。
特に自分が気に入ったのは、シナジーの重ねがけによる大ダメージのロマンですね。溜めて溜めてズドン!と。バカゲーとまでは言わないにしても、プレイ感としては大味な印象を受けました。まあ、まだ低難易度しかプレイしてないので自分が無双プレイしているだけかもしれませんが…。
全キャラハードクリアまで20時間くらい。まだ難易度は2つあって、うち1つは50段階まであると…。完全クリアまで一体どれだけかかるのだろう…。ストアレビューでは1000時間超えのプレイヤーも多数。かなり長く楽しめそうです。
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