ネームタグは自力で頑張って。
芽衣から虎に(芽衣と虎の共謀)→小室と内野が強奪(1枚ずつ)→コートの男に奪われたと狂言→上原を本物のボスと誤認した小室が2枚とも売るため内野から強奪→虎の証言でコートの男の真実を知った芽衣が取り返す
後藤は助監督が推薦した新人で、銃は4丁
音を頼りに推理するゲーム
作品名 | Unheard ー罪の代弁ー(疑案追声)(Steam) |
開発 | NEXT Studios(香港) |
リリース日 | 2019年3月29日 |
ジャンル | 探偵、パズル、アドベンチャー、ミステリー |
価格 | 1,010円 |
日本語 | 完全対応 |
クリア時間 | 約8時間(本編3.5時間+無料DLC4.5時間) |
Unheard ー罪の代弁ーは、音を頼りに事件の全貌を解き明かす推理アドベンチャー。三谷幸喜『ラヂオの時間』『ザ・マジックアワー』、佐藤祐市『キサラギ』、タランティーノ『ヘイトフル・エイト』、上田慎一郎『カメラを止めるな!』などの作品から影響を受けた本作は、様々な思惑を持つ登場人物たちが織りなす同時進行の群像劇を描いています。
プレイヤーは「声探システム」と呼ばれる盗聴システムを駆使し、1人1人の行動を追跡して動機を探り、事件の真相を解き明かすことが目的となります。ジャンルは真相を暴くアドベンチャーのようであり、情報を組み合わせるパズルのようであり、体験型のシミュレーションのようでもあります。
ゲーム画面は動画サイトのスタイルを模しており、再生やスキップ、巻き戻し、早送りといった操作が可能で、コメント機能をメモとして使用できます。プレイヤーは透明人間のように各部屋を自由に歩き回ることができますが、声は基本的に同じ部屋でないと聞こえず、どこか1箇所にしか留まれないため、同時進行する群像劇すべてを1回のプレイで追いかけることはできません。そのため、1人ずつ最初から追っていくのを人数分繰り返すというのが攻略の基本になります。
本作は中国のゲームですが、演技力の高い声優によるフルボイスや、日本風に差し替えられた人物名など、国産ゲームかと見紛うほどクオリティの高いローカライズが施されています。
クリア時間は約8時間。5つのチャプターからなる本編は3.5時間ほどでクリアできました。推理はノーペナルティであり、間違えても「◯個正解」「ちょっと足りない」といったヒントが表示されるため、難易度はほぼないに等しく、最悪総当りで無理やり突破可能です。ただし、無料DLC『致命的なシナリオ』は1チャプターで本編以上の大ボリュームであり、ヒント機能もなく難易度も高めでした。
感想:ライブ感が楽しい+声優がすごい
同時進行の群像劇として、事件の展開から収束までドラマチックな起伏が豊富で見応えのあるドラマでした。最初はまったく無害そうな人物を追って事件の謎っぷりを楽しみ、次にそこそこ事情を知ってそうな人物を追って謎の外観を掴む。そしてとうとう見つけた核心人物を追うことで事件の全貌を知る…。その過程で二転三転する自身の推理を楽しむという、攻略というよりむしろ体験型のシミュレーションゲームのような感じでした。
こういうストーリーは結構追う順番も大事だと思うのですが、基本、最初にいるキャラクターを追えばまず間違いなく、後は名前が判明した順に追っていけば理想的なドラマ展開を体験できます。今思えばネームタグはプレイヤー誘導のための機能だったのかもしれません。自由に攻略しているようで、シナリオライターの手のひらの上で転がされているだけという…。
声優の演技も素晴らしかったです。ストレートな感情の爆発や、気丈に振る舞いながらも不意に本音が漏れる場面、そして演技していることを演技しているようなややこしいキャラクターもいました。そのような複雑な役柄を完璧に演じきった声優たちの技量はシナリオ以上に際立っていたと思います。
また、部屋に入るとパタリと一瞬にして静寂が訪れる感じや、長廊下で人の声が近づいたり遠のいたりする距離感、そしてさりげなく少ししか聞こえないけれども核心に触れた独り言など、場所や状況や言い回しによって音の質感が変わるリアルさも、音をテーマにした作品なだけあってこだわりが感じられました。
気になった点
一方で気になった点としては、まずそもそもとしてゲーム性が低いというのがありますね。やることといったら、移動、ネームタグをつけること、再生・停止・早送り・巻き戻し、このくらいです。プレイ時間の大半は”聞く”時間で占められ、チャプター1からずっとこのゲーム性に変化はありません。画面の変化も少なく、張り合いがないというか…暇な時間が多いです。
シナリオは短い尺にまとめられていて濃密な内容ではありますが、辻褄合わせに焦点が当てられているためか、イベントが多すぎて状況の急変が過剰であるようにも感じられました。それゆえに登場人物の内面の掘り下げが不足していて動機が不明瞭な部分がありました。また、同時進行タイムラインは全体的には良く出来ていましたが、調整のための無音時間も少なからず存在し、事情はわかるけども、やや気になる点でした
推理に関しては、普通に理解していれば解ける国語の試験みたいな内容で、当てるのも外すのも特に変化がないため、味気ないシステムでした。ヒント機能は嬉しかったかな。詰まることがなくて個人的には好都合でした。
ただ、DLCはヒントが皆無で難しかったです…。そうDLCねぇ…。すげー苦労しました。時間的にも本編以上に時間がかかりましたし。登場人物が20人弱いて、通しで30分弱。内容としてもすごく入り組んでいて、情報の出し方も断片的で、引っ掛けも多い。ゲーム画面とは別にメモを取りながら必至に追いかけました。せっかくあるゲーム中のメモ機能(コメント)では把握しきれないほど複雑すぎるのはさすがにやり過ぎな気がしました…。作中作ってレベルじゃねーぞ!1
ちなみに答えは目次上に貼り付けてます。
同時進行系の映画が好きな人におすすめ
振り返ってみるとあっという間にクリアできたな~と。内容が薄かったわけではなく、むしろ時間を忘れて夢中になれる時間が多かったのだと思います。初見時の衝撃や真相に近づいているワクワク感は独自のものがありましたし、全体として良作だと思います。複雑な人間関係が入り組む同時進行系の作品が好きな人は、絶対にハマると思います。
価格もリーズナブルで、セールでワンコインで買えるので、興味がある人はぜひ。
- 本編ラスト含めなんとなくうみねこみがあった。 ↩︎
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