3Dナラティブパズル
The Forest Quartet(ザ・フォレスト・カルテット)は、2022年12月リリースのデンマークはコペンハーゲン発の3Dナラティブパズルゲーム。開発者Madsさんとその家族によって制作されました。
ナラティブとは、ストーリーを表現する方法の一つで、物語を魅力的かつ興味深く伝えるために、語り口やスタイルに焦点を当てた表現方法です。要は、ストーリー重視だけれども、プロットだけでない魅せ方にこだわった作品と言えます。
亡くなったメンバーを悼む
ストーリーは、4人組ジャズバンドのボーカル兼サックス奏者の女性が亡くなったことを告げるラジオ放送から始まります。
プレイヤーは、その亡くなった女性の霊となって、悲しみに打ちひしがれるバンドメンバーの内面の苦しみを和らげることが目的です。
最後は全員が参加する追悼ライブで締めくくられます。
パズルで内面の闇を払う
バンドメンバー3人はそれぞれに異なる心象風景を抱えており、プレイヤーはそこに巣食う心の闇を払うために、設置されたパズルを解かなければなりません。
パズルの難易度は低め。直感的に解けるレベルです。パズルそのものの面白さより、徐々に明らかになる事実や、心象風景の雰囲気を楽しむタイプのゲームですね。
探索時のキーボードを使った操作は非常にシンプルで、左手1本でプレイ可能なため、リラックスした状態でサクサクとゲームを進めることができました。
1時間ほどでクリア可能
インストールサイズは約1.5GBで、プレイ時間は1時間ちょっと。
日本語にするには、タイトル画面のOption→Languageから日本語を選びましょう。文字の分量は少ないですが、翻訳のクオリティは比較的高めだと感じました。
攻略の順番は、自分は何も考えずに「ピアノ→ウッドベース→ドラム」の順番でプレイしましたが、雰囲気的にも難易度的にも正解の順番だったと思います。
感想:1時間ドラマを観たと思えば満足
落ち込んでいたバンドメンバーが立ち直るまでを描いており、掘り下げはボリュームなりといったところでしたが、むしろシンプルな分、より洗練された印象がありました。
最初は、単にメンバーの死を悼んでいるだけのように思われましたが、風景やモノローグを通じて、過去から続く心理的な問題があることが見えてきます。つまり、仲間の死だけでなく、もともとの本性と向き合う自立の物語でもあったと。それだけに最後の追悼ライブは仲間を悼むだけでなく、将来に向けた力強い演奏のようにも聴こえ、より大きなカタルシスを味わえました。
せかせかせずに、のんびりプレイで、最後にはしみじみと音楽を楽しみ、静かに物語が終わっていく…。最高の雰囲気ゲーでした。たまにはこういうゲームもいいですね。
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