宇宙船クルーを管理するシミュレーション
作品名 | Space Crew: Legendary Edition |
開発 | Runner Duck |
リリース日 | 2020年10月16日 |
ジャンル | RTS、SF、シミュレーション |
価格 | 通常版:3,190円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam、GOG)、 XboxOne|X|S、PS4、Switch |
日本語 | 対応 |
インストールサイズ | 約806MB |
Steam評価 | やや好評(79%) |
プレイ時間 | 約8時間(未クリア) |
- Qどういうゲーム?
- A
宇宙人と戦う宇宙船クルー管理シミュレーション
プレイヤーはユナイテッド・ディフェンス・フォースのキャプテン。地球を狙う謎の地球外生命体との戦いに挑みます。
FTLライクのクルー管理シミュレーションで、前作『BOMBER CREW』をプレイしたことがある方なら、あれの宇宙船バージョンという理解でおkです。
ゲームの流れ
本作はモンハンや地球防衛軍のようなミッション形式で進行します。ミッションには金策系、アイテムアンロック系、ストーリー系といろいろあり、ストーリー系をすべてクリアすることが一応のゴールです。
基地ではミッションの受領/完了の報告、機体の整備などを行えます。
- クルーの勧誘・強化
- クルーの装備購入
- 船の強化
- 船備品の調整
- ミッションの受領/完了の報告
ミッションマップはセクターごとに区切られており、大抵「危険ルート」か「最速ルート」の分岐があります。
船内はこんな感じ。
クルーにはそれぞれ役職があり、艦長、通信士、メカニックなどが存在します。各役職には特定のスキルがあり、たとえば艦長は回避運動を行ったり、武装担当は武器の命中率を上昇させたりできます。
戦闘はリアルタイムで進行し、クルーは持ち場の任務を担当しながら、非常事態には互いにカバーし合うことが求められます。
ちなみに、一時停止ボタンはなく、スロー(遅延)のみ使用可能です。このスローもデフォルト設定では時間制限があるため、慣れるまではわりとハードかもしれません。自分の場合は、設定でスロー時間を無限にし、本当に忙しいときはオプションを開いて無理やり一時停止にしてしのいでました。
実際の戦闘風景。
プレイヤーが行えるのはクルーの配置や目的地の設定のみで、実際のマップ移動や武器の発射などは完全オートで進行します。船内にトラブルがなければ基本的に見ているだけになります。まあでも、めっちゃ忙しいゲームですね。
感想:バランスが気になる
クリア諦めました
「面白い」というか「面白い要素がある」といった感じで、随所にユニークな面白さは見出だせるものの、いろいろと足りない部分も多いのが正直な感想です。全否定するほど酷いわけではありませんが、自分は途中で気持ちが萎えてクリアを諦めました…。
全体的に難易度低下
まず良かった点について。
前作『BOMBER CREW』をプレイした者として、全体的に非常に易しくなったな~と感じました。
機体はシールドもあって硬くなっていますし、クルーが機体の外に放り出されても無重力下ですので落下死はありません。これに関しては前作が過酷すぎただけかもしれませんが…。
個人的に嬉しかったのは、ノーペナルティの難易度調整ができることです。プレイがスムーズになるだけでなく、誰でもウェルカムという製作者の姿勢が見えるのが嬉しかったです。ちゃんと新規層に向けて作っているんだなって。
ミッションの多様性も良かったですね。「敵を殲滅」「敵エース撃墜」「護衛」「救助」といった基本的なものから船を降りて戦う「潜入」なんてのも。
「潜入」は体力の管理や軽いパズル要素など一工夫必要なステージとなっていて、特別深い戦略性はないものの、ワクワク感あり緊張感あり、初見ではなかなか楽しめました。
全体的にバランス調整がいまいち
次に良くなかった点について。
全体的にバランスがあんまり良くなかったですね。無調整というか、詰めが甘いというか…。特に気になったのは以下の3点です。
ミッションの報酬:
前作から引き続き報酬が渋いです。序盤は1ミッションクリアで装備パーツ1つ購入できるかどうかというレベル。新しい装備がテンポ良くアンロックされていくのに、実際に装備するまでに相当時間がかかるのが非常にもどかしかったです。
本作のミッションは「行って帰る」までがセットで、簡単なミッションでもそこそこ時間がかかります。自動戦闘で画面を眺める時間が長いのもあり(体感時間めちゃ長)、結構がんばったのに報酬が少なすぎるのはなんだかなぁと。
敵の侵入:
戦闘中、敵クルーが移乗して襲ってくることがあります。これ自体は厄介だけれども愉快なイベントで、どのクルーを応戦させるか、その間のシステムはどうするかなど、考える余地があって面白いです。
問題はこのイベントがあまりにも頻発しすぎることです。本作の戦闘はウェーブ制になっており、1ウェーブの間に2~4回の襲撃が起こります。これはさすがに多すぎる!
船に取りつかれる前に撃退できればいいのですが、いかんせん武器が当たらない&威力不足でまったく抵抗できないことがほとんどです。
これは武装配置の問題もあるでしょうね。前作ボンバークルーでは、敵の後ろを取れば複数武装で集中砲火を浴びせることができました。しかし、本作は四角い船の各辺に武装が散っているため、狙った1機を集中して叩くことが難しいです。そのため、どこか平均的というか、ホワイトベースの対空砲火的な、まんべんなく砲撃を散らす戦い方になりがちで、画的にも地味です。
空域環境:
本作はマップを空域ごとに区切ったセクター制を採用しています。そのおかげでルートに分岐があったり、窮地で無理やり空域離脱して逃れたりなど、新たな戦略的な楽しみが生まれた一方で、空域固有の環境効果がやや大味に感じられました。
特に小惑星帯では、自船の機動力が低いため次々に衝突してすぐにシールドが枯れます。クルーが小惑星帯に投げ飛ばされたときは、何かに当たるたび船の軌道が変わるので、救出するのに相当時間がかかりました。
それと、ミッション遂行中、たまにサブミッションが発生することがあります。これはリスクある寄り道で、リターンもそれなりにある悪くないイベントです。ただ、これに時間制限が設けられていることがあり、なのに設置箇所がセクターの奥すぎて間に合わないことが多々ありました。他にも行きにはなかったのに帰りに敵の拠点があったり、謎解き必要なギミックで悩んでいると敵のウェーブが始まったり、バランス的にも世界観的にも、アレ?というものが多かったです。
空域は要素としては面白いんですけどねー。いまいち噛み合ってないなという印象でした。
離着陸時の演出:
個人的に最も物足りなく感じたのは、離着陸時の演出ですね。前作では離着陸時の沈黙やルーティン操作に味があって非常に良かったです。しかし、本作ではその出撃~帰還の演出がややそっけなく感じられました。危なくしろとは言わずとも、もっと高揚するような仕掛けが欲しかったですね。
総評:マイルドになったが味は薄まった
前作ボンバークルーはドラマのような劇的な展開や演出が豊富で、その点では楽しめましたが、難易度的にはややハードなバランスに感じられました。本作スペースクルーではその逆に、戦場独特の雰囲気や演出は弱められ、難易度的にはマイルドに仕上がっています。
強烈な体験をしたいなら前作を、ゲームとして現実的にクリアを狙うなら本作がおすすめです。個人的には前作より一枚落ちるかなと感じました。シリーズに興味がある方は、まずは『BOMBER CREW』からプレイすることをおすすめします。
おそらく元ネタであろう『FTL』はもっとおすすめです。
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