キャッチーな見た目に反して恐ろしく難易度が高いゲーム。
ローグライクデッキ構築アクション
One Step From Eden(ワンステップフロムエデン)は、Thomas Moon Kangによるローグライクアクションゲーム。
ロックマンエグゼ風のリアルタイムアクションとSlay the Spireのようなローグライクデッキ構築要素を組み合わせた斬新なゲームシステムが特徴。
大体13時間ほどプレイした時点でのレビューです。
戦闘はロックマンエグゼ+スレイザスパイア
バトルはこのような4×4のマス内で戦います。エグゼのエリアスチールのような侵入系はありません。
攻撃方法は武器攻撃とスペルの2パターン。
武器攻撃はエグゼでいうロックバスターみたいな通常攻撃で好きなタイミングで発動可能。キャラクターによって武器にも特徴があって、このサフロンというキャラクターの場合はノーコストで低威力の連射攻撃を行います。
スペルはStSでいうカード、エグゼでいうチップです。スペルにはコストがあり、画面下のマナゲージを参照します。発動できるのは手札(頭上)にある2枚だけで、1枚使用するたびにデッキからランダムに引きます。コストの続く限り連打が可能ですが、デッキを引き切るとシャッフルのため数秒の待機時間が生じます。
戦闘終了後の報酬
敵を全滅させるとスペル獲得のチャンス。
3択ですが、欲しいものがなければスキップも可。
スペル出現率の補正
「フォーカス」というシステムがあり、これを設定することで特定ブランドのスペルの出現率を上げることができます。つまり、来て欲しいスペルを呼び込めるわけです。
体感としては、ほんのり効果といった感じ。
レベルアップでアーティファクト(レリック)
戦闘終了後には経験値も手に入ります。経験値が100に達するとレベルアップし、アーティファクトを獲得できます。
アーティファクトはStSでいうレリックのようなもので、デッキ外からキャラクターorスペルを強化することができます。
レベルは1周でレベル9~10くらいまで上がるので、最低でも9個はアーティファクトが手に入ります。大量に手に入る分、効果は抑えめなものが多いですが、塵も積もれば…ってやつで影響力はかなり高いです。
ルート選択もStS風
StSのように次に進む部屋を選択できます。といっても分岐は少ないですけどね。
マップ右端が次のエリアで、その直前がボス。焚き火(キャンプ)は回復。ショップは買い物、ミニボスはエリート、救難・ハザードは普通の戦闘+αといった感じ。
ショップはなんでも売っている
ショップはこんな感じ。
注目は右上にある契約。これは即座に効果を得られるけども、数戦闘ペナルティを負うというもの。キャッシュを支払わずに最大HP増加やHP回復などの強力な効果を得られますが、ショップの立地的にボス直前であることが多く、ボス戦でのリスク増大が確定するハイリスクハイリターンのシステムです。
他に特徴としては、スペル(カード)強化と削除の両方が確定で出現というのが大きいですね。ショップ自体の出現率は高く、フロアも7まであるので、複数枚強化・削除を安定的に行なえます。
強化はランダムだが連続強化も可能
スペルの強化は独特で、ランダムに選ばれた強化項目の中から1つを選ぶという仕様。
ダメージボーナス、ダブルキャスト(2回連続プレイ)、状態異常付与、シールド獲得などいろいろあって、スペルに合うかどうかは使ってみなければわかりません。
3つともきてほしくない強化を引いてしまうこともあり、そういった場合にはスキップすることもできますが、強化アイテムは消費します。
強化は同じスペルに対して何度でも可能で、強化ポイントを多く使用しますが、お気に入りのスペルを徹底的に強化できるのはなかなか楽しいです。ただし当然、何が付与されるかは運です。
ボスを7体撃破でラスボス戦へ
各フロア終端にはボスが待ち受けています。
ボス戦はギミック豊富でまあしんどいですが、やり応えのある難易度とも言えます。
ボスを撃破すると、見逃すかトドメかを選べます。
見逃して先に進むを選ぶと400回復。倒すと報酬。選択によってエンディングが変わります。
通常ボスを7体突破すると、ラスボス戦→エンディングとなります。
多彩なキャラクター
プレイ可能なキャラクターは全部で9人。それぞれ
- 初期デッキ(スペル)
- 初期アーティファクト(レリック)
- 武器(通常攻撃)
に違いがあります。
同じキャラクターでも、スペルとアーティファクトの異なるセッティングもあるので、実際は9種類以上とも言えます。スキンの種類も豊富で、キャラクター選択の時点からセッティングの幅が広いゲームであることがわかります。
感想:最初はノーチャンスに思えた
初プレイ時の印象は最悪でした。
なんといっても…
難しすぎるだろ!
まずゲームスピードがクソ早い。ロックマンエグゼを2~3倍速にしたような弾速と移動スピードで、避けるのも当てるのも難しい。4×4というやや広めな空間を超スピードで動き回る敵相手に1マスピンポイントを狙う初期スペルは星座占いより当たらない。
極めつきはボス。雑魚をはるかに上回るスピードと弾幕に「冗談だろ?」と思ったのを記憶しています。初プレイ時は2面で倒されて、あともう6エリアもあるのかと知ったときの絶望感たるや。
終盤ならともかく、わりと序盤で絶望してしまったため、ものすごくやる気が削がれました。だって完全ノーチャンスなんだもの。
ゲームとの距離も遠くに感じて、本気でアンインストールを考えるところまでこのゲームを嫌いになりました。
慣れが「おしい」を生み出す
そんな不満を抱きつつもプレイを続けるうちに少しずつ奥に進めるようになっていきました。毎回同じところでやられているなーというのもわかってきて、苦手なボスのギミックはwikiで調べるなど本格的に対策を考え始めました。すると意外にあっさりラスボスまで到達して、負けてしまったけども「おしい」という感覚になり、この段階でようやく面白いなと感じられました。
最初絶望していたのは未知の攻撃リズムが完全にランダムだと思いこんでいたからでした。こんな弾幕じゃ手が追いつかないぞと。実際はどんな攻撃にも規則性があり、それがわかってから心理的に楽になりました。
反射神経は重要ではなく、慣れが最大の攻略法ですね。
デッキ構築は多彩だがヌルゲー
スペルやアーティファクトの数が多彩で、いろんなタイプのデッキを組めますが、戦略性の面ではやや大味かなと。
豊富で大量獲得可能なアーティファクト
StSでいうレリックにあたるアーティファクトですが、本作では効果が抑えめな代わりに大量に取得することができます。基本的に汎用性高めなタイプの出現率が高いのですが、尖った効果のものも混ざっています。入手機会が豊富なため、1プレイで多くのアーティファクトに触れられるのも良い点かと思います。
スペル削除アイテムも大量
スペル削除アイテムは最初から1個、ショップには確定で1個。ショップはすべてのエリアにほぼ確実に存在するので、最大7個入手できる機会があります。その他、契約や報酬でも入手できるため、8~10個入手できるときもあります。初期デッキなら余裕で全削除可能です。余計なピックをしても無理やり圧縮デッキに軌道修正できちゃいます。
フォーカスによる補正
フォーカスは特定ブランドのスペルの出現率を上げるシステム。これによって欲しいスペルをよりピックしやすくなります。いわば運をコントロールできるようなもので、これもだいぶプレイヤー有利な仕様かと思います。
スペルの性能差は顕著
スペルの性能差はわりとハッキリしています。威力というより当てやすさの差が大きいですね。高威力で当てにくいスペルより広範囲低威力の方が役に立ちます。
総合すると、アーティファクト(レリック)大量、削除アイテム大量、欲しいスペル(カード)出現率に補正という、ローグライクデッキ構築型という枠で見るとかなりのヌルゲー仕様かなと思います。
まとめ:最初の数時間が壁
慣れたら手軽で楽しいけども、そこまでが…という感じですねー。Steamレビューでも最初の数時間はチュートリアルだ!みたいな書き込みもありましたが、本当その通りだと思います。これはイケる!と思えるラインまでが遠いですね。その前に心が折れてしまう人がいても仕方ないです。
初心者にはエンジェルモードがオススメです。これは被ダメ補正とスピード補正を調節できる救済システムで、ゲームオーバーになるたびに調整幅が増えていきます(最大50%?)。エンジェルモードオンでプレイしてもペナルティは一切なく、オンのままでも実績解除できます。
やりごたえのあるアクションゲーを求めている人にはオススメできますが、StSのようなカードゲーム目的だと期待外れに思うかもしれません。
…
これから始めようかなと思っている人が覚えるべきこと↓
- 超難しいアクションゲーであること
- アクションは覚えゲー
- オプションからエンジェルモード
- デッキ編集からフォーカスを設定できること
- Wikiが充実していること
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