年初あたりにめちゃくちゃバズったゲーム。フロア20クリア時点での感想です。
ローグライクデッキ構築の系譜
幸運の大家様(こううんのおおやさま、Luck be a Landlord)は、TrampolineTalesによるローグライクデッキデッキビルドゲーム。
見た目は完全にスロットですが、内容的にはローグライクデッキ構築の系譜で、Steamレビューに「戦闘を抜いたSlay the Spire」とあって「まさに!」と思いました。カード(絵柄)とレリック(アイテム)だけをピックしていく感じですね。
ゲームの流れ
とてもシンプルなゲームなので、ゲームの流れを画像で説明します。
大まかなストーリーは、家賃を上げ続ける大家と、負けじとスロットマシンで家賃代を稼ぐプレイヤーの戦い…といった感じです。
最初に次の家賃の告知がされます。
今回は5スピン後に25コイン。
スロットマシンはこんな感じ。
操作は簡単。「スピン」をクリックするだけ。
するとスロットがスピンして報酬を得られます。
いわゆる「役」はなく、絵柄それぞれのポテンシャルがそのまま表れます。猫は1コイン…みたいな。最初なのでどの絵柄も1コインしか排出してませんね。
スピン後に新たな絵柄を3つから選択。
あえてスキップすることもできます。
家賃の期日になったらこれまで稼いだコインを支払います。
この時点でコインが不足していればゲームオーバーとなります。
無事支払いが完了すると、新たな家賃が設定されます。当然のごとく値上げ。
家賃支払後には絵柄に加えてアイテム(レリック)も取得できます。
ステージを進めるとボス戦が始まったり、エッセンスというレリックの強化verみたいなものが選べるようになったりします。
…以上。
本当にこれだけ。
選んでいくだけなので、操作も簡単。
運と実力のバランスについて
Steamでは、実力と運のバランスについて言及しているレビューが多かったです。結局運だ!とか実力でカバーできる!とか。
これはどちらも正しいです。
負けの理由は圧倒的に運です。間違いなく運ゲーです。ただ、運がどちらともいえない働きをすることもあって、そういうグレーゾーンでは実力の影響が大きくなります。
まあでも、そんなシビアなゲームじゃないですけどね。所詮3択の中からより正解らしいものを選んでいくだけなので。こういうデッキ構築系のゲームの中では難易度は比較的易しいほうだと思います。とにかく試行回数が大事。
絵柄には明確な強弱がある
強い絵柄、弱い絵柄の違いが明確です。
個人的には「絵柄の効果で消せる絵柄」と「アイテムを使わないと消せない絵柄」の差が大きいと思いました。
他のデッキ構築ゲームと同様に、より有効な絵柄をスロットに表示させるような戦略、いわゆる圧縮が大事になってくるのですが、絵柄のピック回数に対して除去アイテムの供給数は少ないです。そのため余計なものをピックしないことが大事になってきます。その余計なものの判断基準の1つに、「絵柄を消せる絵柄」の対象になる/ならないがある…というわけです。
より受け口を広くするという意味で麻雀のようですが、有効牌がいつも固定で決まっている感じですね。
手軽にリトライ
単純なゲームだけあって、操作感は抜群にいいです。
リトライも
ゲームオーバー→あぁ残念→気を取り直して→リトライ
ではなく、
ゲームオーバー→あ、→リトライ
くらいのスピード感があります。
設定でゲームスピードを上げたり、ショートカットキーの設定もできたりするので、UI面ではストレス感じることなくプレイできました。
ストーリークリアまでは6時間
ストーリーに一区切りのつくフロア8クリアまで約6時間でした。
最難関のフロア20クリアまでは約12時間でした。
実績もたくさんありますし、コンボも全然見ていないので、余裕でまだまだ遊べます。
感想:なぜかハマる
最初にデモ版をプレイしたのですが、開始すぐに「あっそういうことか…」となりました。つくりも、演出も、システムも、なんてしょーもないゲームなんだろうかって…。一昔前のフリーゲームみたいなクオリティ。でも、なぜかプレイする手は止まらず、30分プレイしたところで購入してしまいました。
その後も飽きることなく、一気に10時間ほどプレイしてフロア20クリアしたところでこの記事を書いています。
振り返ってみると、面白ー!と興奮するよりかは、あとちょっとやりたい欲をちょうどよく刺激してくる、なぜか長時間やっちゃってるタイプのゲームでした。
見た目がキャッチーで、設定もユニーク、ゲームシステムは王道、操作はシンプル。頭は使わないが、まったく使わないこともない。簡単すぎず、難しすぎず、負ければ運ゲーと吐き捨てることもできる。UIも完璧で、日本語翻訳もある。
こう並べてみると、本当に見事なゲームだなと思います。バズるに値するゲームだったなって。
気になった点:ギミックゲーであること
他の一線級のゲームと比較すると、底の浅さも見えてしまいました。
根本のローグライクデッキ構築の部分ですが、絵柄もアイテムも限定的なシナジーが多く、デッキ構築の自由度はかなり低いです。意外な組み合わせみたいなサプライズがまったくなく、ほとんど似たような構成でのクリアが多かったです。
結局、攻略のポイントは、既存の強いギミックにいかに早く到達できるかでした。縛りの追加される高階層も、ギミック構築までの準備段階が厳しいというだけで、ギミックが完成すると楽々クリアできます。
リトライ性が高いシステムも相まって、なんというか、張り合いのないゲームだったなと。
他に気になった点としては、日本語訳の言い回しがわかりづらいところがいくつかあったくらいかな。
全体的にはオススメ
絵柄の強さのムラとか、シナジーの偏りとか、気になるところはいっぱいあります。決してパーフェクトなゲームだとは思いません。
それでも、10時間以上夢中になってプレイできる魅力は確かにあり、手軽に遊べるゲームとしては十分合格点のゲームかなと思います。
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