既視感あるけど、形にするだけすごいと思う。
48時間以内にゲームを制作する大会で優勝
Evoland(エボランド)はSHIRO GAMESによるアクションアドベンチャーゲームです。SHIROはアイコン的にもゲーム内容的にも日本語の城のことかなぁと思います。フランス南西部ボルドーのスタジオです。
もともとLudum Dare(ルドゥム・ダレー)という48時間以内にゲームを制作するイベントで優勝した初期Evoland(Evoland Classic」に、いくつかの追加要素とバランス調整を伴って発売されたのが今回レビューするEvolandです。
大会で制作された初期作は、製品版と区別するために「Evoland Classic」という名で呼ばれ、現在でも無料公開されています。
Ludum Dare(wikipedia)
宝箱を開けていくたびにゲームが進化していく
本作最大の特徴は、進行に合わせてゲームが進化(Evolution)していくことです。最初はレトロなゲーム画面で操作も限られていますが、効果音がついたり、音楽がついたり、攻撃方法が増えたり、3D化したりと、ディスプレイとゲームシステムの両方がアップグレードしていくことで、ゲームの歴史を辿っていくような体験ができます。
最初は白黒だったのが、色がついて16ビットになり、
さらに色が細かく、セーブポイントも出来ちゃったりして
角度もついちゃったりして。
景色の変化を見るだけでも楽しめます。
どれを買えばいいのか?
PC版では、関連製品は4つあります。
結論からいうと、「Evoland Legendary Edition」を買うのが正解です。
正直言って、48時間以内に作られたゲームだとか、そういう事前情報なしでプレイした場合、Evolandはそんなに良いゲームではないです。ただ次作Evoland2はかなり出来がよく素直にオススメできます。その際にEvolandをプレイしておくとより楽しめるので、どうせなら一緒のセットで…という理由からです。
日本語はあるが非表示バグあり
Switch版やXBOX版もありますが、自分がプレイしたのは、PC版のEvoland Legendary Editionです。こちらはデフォルトで日本語化されています。ただし、フォント設定にミスがあるようで、中盤以降テキストが表示されなくなります。
解決方法として、こちらの方が差し替えファイルを用意してくれています。
ダウンロードした「.EXE」をゲームフォルダで実行することで、フォルダの差し替えが行われるので、その後は普通にプレイしておkです。自分の場合、ランチャーから起動しなくなりましたが、フォルダから直接起動すれば大丈夫でした。
このバグにぶち当たったときは、もうゲームやめようくらいまで思っていたので、大変助かりました。ありがとうございました。
驚いたのは、TIPSなども表示されるようになったことです。
デフォルトでは下のメッセージ欄に「!」しか表示されず、何がアップグレードされたのか推理するしかなく、それが仕様だと思ってました。再び初めから進めたらちゃんと表示されてましたね。
これからプレイを始める人は、プレイ前にフォント差し替えを行っておくことを推奨します。
ゲームシステムはFF&ゼルダ
「進化」以外のゲームシステムについては、FFとゼルダの混合といった感じです。
基本的に、大マップではFF風のコマンドバトル、ダンジョンなどではゼルダ風のアクションといった使い分けがされています。
コマンドバトルは、UIデザインやコマンド入力待機タイムなどがFFにそっくりです。バランス的には、攻撃か回復だけでゴリ押しできるので楽勝ですが、一部ボスにFF7のようなギミックがあるのでちょっと注意が必要です。
ゲーム中の大部分はゼルダ風のアクションアドベンチャーで構成されています。名前、服装、宝箱を開ける演出や、ダンジョン内のギミックまで、もろにゼルダといった感じです。
アクションは操作性が悪くて正直微妙でした。一方ギミックは既視感あるものが多かったですが、一筋縄ではいかない工夫があって、良く出来ていると思いました。
第2作につながるタイムトラベルギミック
特に感心したのが、タイムトラベルギミックです。レトロ画面=過去、3D=未来とすることで、このゲームの売りである見た目の変化とゲームシステムが合致した見事な仕掛けでした。これは発見ですね。
このギミックは次作Evoland2の軸となるシステムとして続投。やはり評判良かったんですかね。
感想:出来は正直微妙
色眼鏡なしでフラットにこの作品を評価すると、ぶっちゃけ微妙ですね。
まず、ゲーム画面が進化する演出ですが、頭打ちが早かったです。進化には宝箱を開ける必要があるのですが、序盤はほぼ100%進化だったのに、中盤以降はカギとか、スター(やりこみ要素)ばかりで進化がなくなりました。イベントで完成したゲームに肉付けしたという経緯のためか、1本の作品としてみた場合、全体的なバランスがちぐはぐな印象を受けました。序盤の劇的な展開に対して、中盤以降ダラダラすぎるというか、工夫はされているけど、「ゲームの進化を味わえる」という売り文句に対しては蛇足部分が多すぎるように感じました。
そもそも進化もそこまででもなかったです。それに3D化してからはマップ移動のたびに画面ロードが入ってダルかったです。
アクションは、通常攻撃のみで、途中で連続攻撃を手に入れてからはコンボっぽいのができるようになりますが、向き直して連打を繰り返すだけという単調なもので面白くなかったです。
一方、ダンジョンやボス戦はそんな操作性でも楽しめるギミックが用意されていて、既視感はあれど、変化があって面白かったです。ゼルダ的なギミックで、難しすぎないところがいいですね。ほぼ手癖でいけるけど、たまに試行回数をかけるくらい悩んで、でも時間はかからないというバランスが絶妙でした。
尺的に肉薄ですがストーリーもあります。意外と起伏があってビックリしました。ストーリーそのものに感動はしませんでしたが、盛り上げようとする意図が明確で、制作者のこだわりを感じました。
2に向けての前菜
総合すると、狙いは面白いけど、心から面白いと言えるような作品ではなかったですね。やはり実験作的な側面が強く、それにジョーク的なパロが乗っかって、軽い気持ちでプレイする分には楽しめますが、作品そのものの完成度や面白さはそうでもないですね。
ただ2の出来が素晴らしいので、似た世界観やギミックや敵などが出現するこちらを先にプレイすると、2をより楽しめると思います。ゲーム内プレイ時間では1時間40分くらいと、1日でクリアできるボリュームですし、回復やセーブも豊富で、リトライするのはラスボス前くらいですから、軽くプレイする分には、ちょうどいい前菜的作品かと思います。
おまけ:ラスボス攻略
個人的に1番苦労したラスボス戦。3つのギミックを順にこなしていくのですが、なかなか沼りました。
第一段階:叩きつけられた両手を攻撃
振り下ろした両手を攻撃すればおkです。振り下ろす直前にどちらかの腕を引くので、その反対側(必ず外側)に移動すればノーダメでいけます。
第二段階:ブレスを避けて赤い玉を攻撃
- ブレスを吐きながら1周するので避ける
- 前のめりになった胸を叩く
- 後ろの赤い球を叩く
巨体に隠された赤い球の存在に気付くまでのに時間がかかりました。ブレスは右回転と左回転と交互だったような気がします。第一段階をノーダメで突破できていたら、被弾しても問題ないと思います。
第三段階:青い球を打ち返す
赤い球と青い球を打ち込んでくるので、赤い球は回避して、青い球だけ剣で打ち返します。
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