最終話
最終決戦
脱出のための地下道が開通し、ミカヅキとアキヒロを残して続々と戦線から離脱していく鉄華団。数が減った戦場でますます厳しくなると思いきや、ギャラルホルン側の戦力も同じように減り続けていく。勝ちが決まった戦場で誰も命を賭そうとは思わない、恐れをなした……というわけではなくて、これもラスタルの策だった。不意をつくダインスレイヴ隊の一斉射撃。爆撃を受けたかのように変形した地形。2人は致命的な傷を負う。
死を意識するミカヅキ、この感覚は初めてではなかった。オルガと出会う前は死んでいたようなもの。そしてオルガと出会い、自分が産まれた。オルガからもらった命。それを再確認することで再び立ち上がったミカヅキ。バルバトスの目が赤く光る。そんなミカヅキの呼びかけに応える同じく瀕死のアキヒロ。2人に立ちふさがるのはイオクとジュリエッタ。
アキヒロはイオクの口上を聞いて、ラフタのカタキをと一意奮闘。被弾を顧みずにイオクを挟殺、そして散っていった。またミカヅキのほうも、いかにフルスロットルバルバトスといえども、瀕死の身体、瀕死の機体、1対多とあっては、ジリジリと消耗していく一方で、勝負は誰の目からみても明らかだった。相手はこの、負けがみえていて、大義もないのに向かってくる相手が理解できず、恐れや哀れみといった感情を抱く。そんな暴走する悪魔も、ジュリエッタの手によって動きを止めた。
マクギリス・ファリド事件の顛末
一連のクーデター騒ぎはマクギリスの死によって終結しマクギリス・ファリド事件と呼ばれることになった。一時は堕ちたギャラルホルンの権威も、一連のラスタルの活躍により復活することになった。3家(クジャン家、イシュー家、ファリド家)が滅びたセブンスターズによる合議制は廃止され、ギャラルホルンはより民主的に。代表はもちろんラスタルだが。ラスタルは火星の支配を緩め、間接統治を任されていた各経済圏の支配力も弱まり、火星の各都市は火星連合を設立した。その初代連合議長にはクーデリアが就任したが、これにはラスタルとコネのあるテイワズの後押しがあったと言われている。ラスタルとクーデリアの2人はヒューマンデブリ廃止条約に調印。マクギリスの望んだ世界が政敵によって成し遂げられた。
その後
・鉄華団という存在は歴史の影に消えた。散っていった彼等に恥じないように生きていきたいとラスタルに語るクーデリアの耳には鉄華団のシンボル、そして傍には彼女をお嬢と呼ぶユージンがいた。
・マカナイは死んで、アレジがアーブラウ代表に。タカキはその秘書。いずれアレジの後釜になるという。鉄華団では一番の出世頭だろう。
・オルガの死を最も近くで見たライドは、その思いが断ち切れなかったのか、仲間とともに敵討ちを決行。トイレでノブリスを暗殺。
・雪之丞とメリビットはまもなく二人目が産まれるという。
・ガエリオは入院生活。それを見舞いに来たジュリエッタはすっかり大人の女に。
「彼等の居場所は戦場にしかなかった」
と彼等に同情的なガエリオ。相変わらず堅物なジュリエッタ。2人は今まで以上に深い絆になったようだ。
・クーデリアの帰る家には愛する男がいる。ミカヅキの遺産。アトラ、ミカヅキでアカツキ。
感想
作品通しての感想はまた別の記事に書こうと思ってます。なので50話だけの感想です。一言で言うなら、ラスタル有能ということです。マクギリスの理想はラスタルの手によって成就されることになりました。ラスタル個人の掘り下げがなかったので、どういう方向に進むのかわからなかったのですが、めちゃくちゃ聖人だったようです。ジュリエッタも離れないわけです。
さてミカヅキは案の定死んでしまいました。ボコボコに凹んでいくバルバトスの最期は凄まじかった。モビルアーマー戦と同じく赤い眼光を放つバルバトスは、獣というのが相応しい荒々しい動きでした。ジュリエッタはミカヅキの抵抗を理解できず、一件落着して初めて分かったような気になるのですが、ここに作品のテーマの一つがあるのかなぁーと思いました。
それは「どうみるか」ということ。負けが決まっても立ち向かってくるミカヅキをみて、「かわいそう」とか「怖い」とか、各々思うわけだけど、ミカヅキ本人からするとそういった偏見はどうでもいいこと。
序盤に優しいオッサンいたでしょ。散華だったかの回で。ミカヅキからすると、「何勝手に哀れんでんだよ」「てめぇの主観だろ」って感じ。この「君はそう思って、僕はこう思う」という対比。これはガンダムシリーズ定番の分かり合えない構図なんだけど、この作品はこの対比をより際立たせるような演出が多かったと思う。「僕らは分かり合えない、けれども」というのがこれまでの作品だとすると、「僕らは分かり合えない、わかったか!」というのが今作。それが閉鎖的で…。
とこの辺にして、あとで感想記事書きます。↓↓
ひとまずお疲れ様でした!