公式サイトにアンリ・フリュウと東護ノ介(マカナイ・トウゴノスケ)が追加されました。
アーブラウ代表であるマカナイはハーフメタル規制緩和(火星独立)に前向きで、クーデリアを呼んだ爺です。しかし、贈収賄疑惑をかけられ、表舞台から姿を消しているという。そして、その後釜とされているのがアンリ・フリュウ議員です。彼女は前回イズナリオ(統制局)と非常に近い人物であることが明らかになりました。
いつもより気合が入っています。
今回のポイント
・カルタ、ガエリオ、マクギリスの過去
・鉄華団名物正面突破
・お前が死ぬんかい
・大気圏突破
ミカヅキは初めて三日月をみた。
カルタ、ガエリオ、マクギリスの過去
カルタとガエリオはやはり腐れ縁でした。血縁を重視するセブンスターズだし幼い頃から顔なじみなんてのはよくあることだろう。んで、途中からマクギリスがそこに加わった形のようです。マクギリスは今でこそ八方美人のナルシストのような男ですが、初めて二人の前に姿を表したときはムスッとした不機嫌顔で近寄りがたい雰囲気でした。カルタはその時に彼に一目惚れをして今も一途なようです。まぁ、マクギリスには幼い許嫁がいるけどね。ガエリオはカルタの気持ちに感づいているようですが、歓迎という感じではなく、三角関係を彷彿とさせます。
どうしてマクギリスは最初不機嫌だったのか?いったい過去に何があったのか?それこそがマクギリスの野望の本質です。
マクギリスは人を操ることに長けています。「人を操ることは過去を紐解くことで容易になり、輝かしい未来は愚かしい過去の精算のみに消費される」と彼は言います。つまり動機は過去から生まれると。そしてこれは自分もだ、というのです。これが意味するのは、彼が掲げるギャラルホルンの改革は表向きの姿に過ぎず、本来の目的は過去の出来事が動機となった復讐だということです。
その復讐相手は、イズナリオが筆頭でしょう。もしかしたら複数人かもしれません。マクギリスの「嫉妬、憎悪、汚辱、恥辱」という言葉と連動してイズナリオ、東護ノ介、マクマード、ノブリスと画面が切り替わっていきました。マクマードと東護ノ介はそんな悪い人にはみえないので考えにくいですが、可能性は残しておこうと思います。
キーになるのは、目つきの悪い少年マクギリスの隣に立っていた杖をついた男性でしょう。既に登場しているのか、まったくのニューキャラクターなのか現時点では分かりません。が、私が予想するに、この人物はモンターク商会と関わりのある人物ではないかと思います。というのも、今回、オルガが仮面をつけたマクギリスに本当の名前を尋ねるシーンがあります。ギャラルホルンの人間だというのはバレてますから、教えてくれよ、ってわけですね。これに対しマクギリスは「モンタークでいい」と言います。「それが真実の名」だと付け加えて。これが比喩表現なのか、そうでないのか真相は置いておいて。わざわざ意味深なセリフを吐くくらいですから、何か特別な意味があると思います。
組織に服従しながら復讐を狙っている。仮面をつけて、ロリが大好き。シャアとの類似点が多くある。脚本家は意識していると思いますが、主軸ではなく、歌舞伎的な演出の1つでしょう。歌舞伎化するガンダムって前にちょっと話題になったような。今回は戦闘シーンでも初代を思わせました。
鉄華団名物正面突破
物語が佳境に入ったことで、登場人物の出撃前のセリフがすべてフラグにみえてきます。鉄華団だと、ユージンとシノ、特にシノはいつ死んでもおかしくないでしょう。ですが、今回は生き残りました。でも毎回ピンチになってるからいつか普通に死にそう。
さて、鉄華団は地球降下するにも、イサリビはマークされていて、正面から行くとカルタが指揮をとる地球外縁軌道統合艦隊にやられてしまいます。そこで、モンターク(マクギリス)が降下用の船を特別に用意してくれていたのでした。確実に成功させるために、イサリビが艦隊の的になっているうちにこっそり降下するという作戦が取られます。イサリビは過去にブルワーズから拿捕した船を弾除け兼牽引役として使用し、統合艦隊に接近して注意を惹きつけます。毎度のことですが、この世界にはビーム兵器が存在しません。いくら大艦隊の一斉射撃とはいえ、直撃さえ回避すれば致命傷にはなりません。さらに、ユージンが2つの船とアラヤシキ接続してものすごい動きを見せます。
対するカルタの指揮は漫然としていてスキだらけです。そもそもこの地球外縁軌道統合艦隊も統制局からはお飾りと呼ばれていて、その指揮をとる席も閑職扱いされています。もともと能力を求められないポジションに、能力がない人間が充てがわれているわけですね。
作戦立案者はそのことを熟知しています。あるタイミングでブルワーズ船とイサリビが分離し、的が2つに別れます。どちらを狙うかという部下の声にも、カルタはとにかく打てというばかり。操縦士のいないブルワーズ船が先に落ちたのですが、その時にナノミラーチャフ(いわゆるレーダー妨害装置)が拡散し、大艦隊の目が眩んでいるうちにイサリビは突破に成功しました。
そして、イサリビはそれだけに終わらず、ギャラルホルン衛星基地、グラズヘイム1に体当たりを食らわせます。接続制御を失った衛星基地は地球降下を始め、MS部隊はその救援に乗り出すことになり、警備の穴が生まれ作戦は成功です。これだけの動きを、アラヤシキで、しかも船!を操作してみせたユージンの体への負担は大きく、離脱するころには鼻血どころではない血を吹き出しぶっ倒れてしまいました。
お前が死ぬんかい
イサリビが敵艦隊を混乱させているうちに他のメンバーは降下準備を始めます。しかし独自に行動していたガエリオたちに見つかり戦闘が始まります。
キマリスは相変わらずぶっ飛んだ速さですが、真にすごいのはGに耐えながら普通に喋ってるガエリオです。今回は動きがいいカットが多かったので体のことを考える時間も多かった。
そのキマリスは、バルバトスに仕組まれていたリアクティブアーマーに不意をつかれ、スキを作ってしまいます。いよいよここまでか、というタイミングでアインが身を挺して庇い、直撃を受けます。
お前が死ぬんかい!?って思いました。というのも、これまでさんざん因縁をつけてきたアインの思いがまだ消費されていないように思ったからです。作中何度もアインのシーンが挟まり、いわばもう一人の主人公のように扱われていただけに、この最期はあまりにも衝撃的でした。むしろガエリオが死んで、さらに思いを高める展開になるのかなと予想してました。アインがガエリオをかばうのは二戦連続二回目。ガエリオも迂闊だよ。アインは復讐のチャンスをくれたガエリオを慕っていたとはいえ、まさかここまでとは。
大気圏突破
イサリビが注意を向けているといっても、露払いが必要なほどには敵が集まってきます。タービンズもテイワズとバレにくいMSで救援に入り、そこにマクギリスも参戦します。マクギリスの機体はライバル機の伝統、赤い機体でした。このとき、ミカヅキはまだ赤い機体に乗っているのが誰なのか分からないのに「チョコレートの人はすごいな」と口走ります。そしてすぐに自分がおかしなことを言ってることに気付きました。この作品はニュータイプを話の軸に据えてませんが、まったく存在しないわけではありません。アキヒロ兄弟のときにはNT空間っぽい描写がありました。
降下ギリギリ時間だというのに深追いしてくる敵がいて、その対処で、ミカヅキは降下船に乗り遅れてしまいました。バルバトスは大気圏突入を想定していない。このままでは燃え尽きてしまう。ミカヅキはここで、愚かしい過去を思い出します。そして、輝かしい未来へ希望を持つことで今を諦めませんでした。具体的には深追いしてきた敵の機体を利用したようです。マクギリスは「未来は過去を消費するだけ」といったが、必ずしもそうではない。アインの死とミカヅキの生は対照的だ。大気圏を抜けると地球は夜で、空には三日月が見えていた。
感想
19話はここ数話で最高の出来だった。やっぱりガンダムは戦ってなんぼだ!
戦闘シーンにスピード感がありました。画面いっぱいに赤色が広がる大気圏での戦闘も緊張感があってよかった。
今回はマクギリスの闇が垣間見れました。今のマクギリスは仮面に仮面をつけているようです。これまで穏やかな仮面を身につけて粛々と機会を伺っていたのでしょう。彼と一番近いであろうガエリオですら、彼本来の目的を知らないのだから、親友にすら話せないプライベートな話がこの後に待っています。その話は果たして少年が仮面をつけるに値する重い話だろうか?ハードルは否応なしにあがっていく。
また、今回見逃せないシーンとして、「握手」があります。クーデリアがミカヅキに握手を求めるのですが、これは、CGS編のときにもあった1コマです。その時は、クーデリアがミカヅキと対等であるという態度を表明した、いわば虐げられている少年兵と私は対等ですよ、という差別がなければ起こりえない不自然な行動でした。案の定、ミカヅキに冷笑されていました。しかし今は、お互い血で汚れた手、しかし誇らしい手を持った同士の本当に対等な握手でした。この二人の仲がますます縮まっていますが、オルガは何やってんだ?
今回の記事はなんと3800字オーバー。。。