16年前のゲーム!
逆裁を作った男のミステリーアドベンチャー

| 作品名 | ゴーストトリック |
| 開発 | CAPCOM Co., Ltd. |
| リリース日 | 2010年6月19日(DS) 2023年6月30日(Steam) |
| ジャンル | ビジュアルノベル、パズル、アドベンチャー、ミステリー |
| 価格 | 2,990円(Steam) |
| 対応プラットフォーム | DS PC(Steam),Switch,PS4,XboxOne |
| 日本語対応 | あり |
| インストールサイズ | 約5.83GB |
| Steam評価 | 非常に好評(93%) |
| プレイ時間 | 約11時間半 |

- Qどんなゲーム?
- A
主人公死んじゃった!
でもなぜか魂として残り、「モノをアヤツル力」を手に入れる……。
というか、
俺は誰だ?
なんで死んだんだ?
もともと2010年にニンテンドーDSで発売されたタイトルのリメイク。逆転裁判シリーズを手掛けた巧舟氏によるミステリーアドベンチャー。
謎解きギミックもありますが、基本はストーリー重視の「読む」作品。
ざっくりゲームの流れ

主人公は死んでしまって魂の状態。
- 近くのモノに取り憑いて移動する【トリツク】
- モノを少しだけ動かして状況を変える【アヤツル】
- 死者の4分前に戻って何度でもやり直せる【4分前へモドル】
この3つの能力を使って、運命を変えていくのが主人公の役目。
ゲームは大きく2パート構成。

パズルは、
「取り憑いたモノを動かし、さらに移動して隣のモノを動かし……」
といった感じに連鎖的にアクションを起こして、状況を変えていくピタゴラスイッチ的な設計。

面白いのは、この「働きかけ」をリアルタイムで進行する状況の中で行う点。現実で進むドラマを観察しつつ、主人公にしか見えない魂の世界から介入していくのですが、そのタイミングだったり、バレてもいいのかダメなのかといったことまで気を払わなければなりません。
とまあ、一見複雑そうに見えますが、実際の難易度は控えめ。
ゲーム的には用意された手順を見つけるタイプ。

目立つ位置にある動かせそうなモノを選んでいけば大体正解。選択肢の少ないクイズみたいなもの。タイミングもシビアではないし、やり直しも自由。
総じて、謎解きをガッツリ楽しむ作品というよりは、読んで楽しむゲームにユニークなミニゲームがくっついているみたいな感じでした。
感想:ストーリーが面白すぎてパズルがかすむ

面白かった!
そして、意外と泣けました。
ギミック重視の作品かと思いきや、実際にプレイしてみると、とにかくストーリーの引きが強い。プレイ時間は10時間半ほどとコンパクトですが、描写不足は一切感じず、むしろ無駄なくまとまっている印象でした。
章ごとの区切りも短めで、1章20~30分程度。
時間がなかなか取れないときでも、区切りよく進められるのが個人的にはありがたかったです。
めっちゃ逆転裁判

全体的な雰囲気はめっちゃ逆転裁判ライク。
作り手が同じということもあり、シナリオも演出も通じるものがあります。
人の死を扱うシリアスな物語でありながら、悪役もすっとぼけたりしてキャラクター同士のやり取りはコミカルでテンポも良い。
ユニークなキャラが軽妙にやり取りする中で、ふと核心を突くセリフが差し込まれる。
その瞬間、
楽しげだったBGMもふっと途切れて、静寂に。
「……」
この切り替え演出、毎度のことながらたまらない。
瞬時に緊張感が高まり、グッと引き込まれます。
死の4分前に戻り、「死ななかった未来」に更新していく流れも、無罪を勝ち取る感覚にどこか似ている。詰まったらあちこち現場を移動して手がかりを探っていく流れなんかもまさに。別タイトルだけど、あの感じがしっかりとありました。
パズルは演出としては面白い

パズル(謎解き)については、正直そこそこ。
モノに取り憑いて過去を書き換えるという仕組み自体はユニークで、モノ同士の連鎖や、絶妙に届きそうで届かない配置など、設計自体はよく考えられているし、丁寧に作られているなーと。
ただ一方で、根本の構造はシンプルで、選択肢も多くありません。情報量的に総当りでも解けてしまうので、閃きの気持ち良さという点でやや物足りなさが残りました。わざと断たれた線をつなぎ直していくような予定調和感があって、楽ではあるけれど、意外性には欠けるというか…。
なので、自分はパズル的な面白さよりも、雰囲気を楽しむ舞台装置として受け止めました。
リアルタイムで進行するドラマに対して、タイミングを見て介入する緊張感。自分の行動がどのように状況を変えるのかを見守る、シミュレーション的な面白さ。
昔のゲームですが、『銃声とダイヤモンド』を思い出しました。
テキストを自分のペースで読むのではなく、ドラマの進行に合わせにいく。この体験自体がゲームならでは、って感じで好きなポイントでした。
ストーリーについて

シンプルにストーリーが面白い!
クライマックスはしっかりハラハラさせてくるし、ラストはきっちり泣かせにきますし、振り返ると主人公の正体についても伏線がきれいに張られていたし……。こんなに短い尺の作品で何度も揺さぶってくる作品は初めてでした。
奇跡的な偶然とか、体が勝手に動いたとか、そういったドラマの裏に、また別のドラマがあるかもしれない……。
ベタといえばベタだけど、だからこそ素直に面白い。運命や見えない力の存在を、少しだけ信じたくなる。
というか、あったら面白いなって思う。
そうした視点が加わることで、日常の見え方がほんの少し変わる。世界がほんの少しだけ面白くなる。そういう感覚をくれる作品でした。
そして何より、ミサイルの存在感が強い。
単なるサブキャラを超えて、あれはもうヒロインですね。
総評:ストーリーの完成度で大満足

総合すると、パズルゲームとして見るとやや物足りなさはあるものの、ストーリーの完成度がそれを完全に上回る作品でした。
感覚としては、「完成度の高いビジュアルノベルに、軽めのパズルが付いている」タイプ。
純粋なパズルを求めると肩透かしかもしれませんが、物語を楽しむゲームとしては非常に満足度が高かったです。
久々に「いい作品に出会えた」と思える一本でした。

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