先日Epic Storeで配布されたSpelldrifterクリアしました。
ターンベースRPG+カードバトル
SpellDrifter(スペルドリフター)は、カリフォルニアを拠点にするFree Range Games(フリーレンジゲームズ)によって開発されたターン制RPGとデッキ構築の要素を融合させたハイブリッドゲーム。
リリースまでに紆余曲折あり、詳しい流れは以下の記事を参照。
ゲームサイズとクリア時間
インストールサイズは2.47GB。わりと負荷のかかるゲームですが、テクスチャの品質を落とすことで一気に軽いゲームになりました。
クリア時間(スタッフロール流れるまで)は、約13時間半でした。
ラスボス倒した後に、最強武器?っぽいのがドロップしたので、ストーリークリア後もやり込もうと思えばやり込めるでしょう。
日本語はありますが自動翻訳的で、クオリティはかなり低いです。あと、フォントの問題か、ムービー中に漢字が正しく表示されないバグもありましたが、ニュアンスでなんとなくわかります。というより、わかったところでストーリーはあってないようなものなので特に問題ないかと。
ゲームシステムについて
ゲームシステムはファイアーエムブレムやディスガイアのようなターン制SRPGがベースです。
特徴的なのは、
- ①キャラクターを動かして
- ②コマンド使用
というオーソドックスなシステムの
②の部分がカードゲームの要素を持っていることです。
戦闘の流れ
戦闘は画面左上に表示されている行動順に従って進行します。
キャラクターの「移動」は自由に行えますが、「行動」のみ画面下に表示されるカードを使用します。
手札は2ターン毎(1ターン=キャラの番手)に1枚ずつ補充されていきます。上の画像でいうと、右2つはいつでも使用可能なベーシックな「攻撃」「防御」のカード。左3つがデッキから引いたカードです。
カード左上の数字はティック数を表し、数字が大きいほど行動順が後になります。数字が大きい方がカード効果は強力ですが、小さな数字のカードを使用することで行動回数を増やすことも戦略としてありです。
ヒーロー選択
戦闘には3人のヒーローを参加させることができます。
このヒーローを育成し、カスタマイズすることが、本作の魅力の1つだと思います。
ヒーローは大きく4つのタイプに分かれており、それぞれが特有の特徴を持っています。
たとえば、「戦争」タイプは重兵士としての特色があり、「信仰」タイプはヒーラーとしての役割を果たします。同タイプであっても、個々のヒーローは異なる特性やスキルを持っており、使い勝手や戦略性が異なります。
初期段階で使用できるヒーローは4人だけですが、攻略を進めることで新たなヒーローが徐々に追加され、最終的には8体程度のヒーローが利用可能となります。
各ヒーローには、戦闘で使用するデッキが設定されています。
デッキ枚数は20枚で固定で、同じカードは2枚まで含めることができます。3人分編集するのはなかなか大変ですが、やりがいのある作業ではあります。
レベルアップ&カスタマイズ
戦闘終了後、戦果に応じて参加していたヒーローに経験値が配られ、一定程度獲得すると、ヒーローはレベルアップします(最大15)。
レベルアップすると、スター(後述)の最大値増加に加え、新たなカードやアーティファクトを獲得することができます。
アーティファクトとスター
アーティファクトとは、装備品のことです。
アーティファクトには装備するために必要なコストがあり、それがスターです。
つまり、レベルアップすると、新たな装備枠が増えるということです。逆に言うと、レベルアップの恩恵はそれくらいですかねー。
全3ステージ制でStSっぽいマップ
ゲームは合計3つのステージで構成されており、それぞれSlay the Spireのようなマップを攻略していきます。各マス目で様々なイベント(ほとんど戦闘)をこなして進み、最後のボスを倒したらそのステージはクリアです。
マップはボス一直線ではなく、分岐も存在しますが、寄り道するかどうかは自由です。また、戦闘で敗北してもデメリットはなく、すぐに再挑戦できるほか、すでにクリアしたマスでレベル上げすることも可能です。ローグライクっぽい見た目なだけですね。
感想:難しすぎるけど運頼み
いろいろといわくつきのゲームでしたが、それも納得といった感じのクオリティでした。
あらゆる点で完成度が低い…。
難易度はかなりシビア
プレイ時間のほとんどがやり直しの時間だったと思います。それくらい負けるのが前提の非常にシビアな難易度でした。
敵の攻撃力が高すぎる!
敵に囲まれるとあっさりとやられるくらい、極めてピーキーなバランスです。一方で、プレイヤー側の手数は限られており、カードゲーム風と言いながら、「移動」が最も重要で、感覚としては繊細なパズルを解いているような感じです。
かといって本当にパズル的かというと、そうでもなく、結局カードの引き次第=運ゲーであり、本格的なカードゲームの戦略性はあまり感じられませんでした。
また、ステージの難易度調整にも問題があり、難しいステージと簡単なステージのばらつきが激しく、こういったところからも洗練されていないゲームだなという印象を抱きました。
カードゲーム要素薄め
カードゲーム要素はかなり薄味。
最大の問題は、1ターンに1枚しかカードを使用できないことです。これにより、シナジーが発揮する余地が限られ、単発で完結する高火力カード多めの選出になりがちで、プレイングの幅も狭まり、戦闘が単調に感じられました。
どんどん接敵してくるタクティクスRPGとしてのテンポと、1枚1枚効果を積み重ねていくカードゲームのテンポが一致せず、「攻撃力はあるけれど手数が足りない」という状況に、ある種非対称ゲーム的な理不尽さからくる恐怖感はあれど、爽快感はなくてプレイしていて苦痛でした。
アーティファクトもシナジー薄め
アーティファクト(装備品)も特定のカードのみに効果を加算する系が多く、シナジーの幅が狭く、つまらないです。効果自体は強力なものもありますが、デッキ内に同じカードは2枚しか入れることができないため、影響力はほんのわずか。
せっかく「レベル」という概念があるのに、その恩恵がほんの数枚のカードを強化する装備品のみにしか効果がないという仕様は、物足りなく、残念ですね。
その他仕様面の不満
- デッキ編集画面でのサーチやソート機能がない
- カードとアーティファクトが同じページに表示される
- 新カード入手時のマークが短時間で消え、目立ちにくい色
- 相手の情報が詳しく表示されず、攻撃範囲がわからない
- 召喚された敵が即座に行動するの理不尽
- リスタートする際にはストーリーを再生する必要がある
- 日本語翻訳が不自然だが、英語もおかしい
総合評価:未完成感
まとめると、洗練されないまま世に出ちゃったって感じの作品でした。
バランス調整の問題だけでなく、アーティファクトの仕様やUIに手抜きを感じ、プレイしにくさが目立ちます。
ただし、デッキ構築の要素はそこそこ楽しめ、新たなカードやアーティファクトを拾って構築考えるのはまあまあやりごたえがありました。
フルプライスの2,000円だと厳しいゲームだと言わざるを得ませんが、セールで500円とかだったら、まあ納得できるくらいの作品ではないでしょうか。
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