倒すべきはノブナガ!?
Shogun Showdown(将軍 対決)は、和風ドット絵で描かれる架空の戦国時代が舞台のローグライクデッキ構築とターン制ストラテジーを融合させた独自のゲームシステムが特徴のゲームで、イタリア出身のソロデベロッパーであるRoboatino1による作品です。
2023年4月 | 将軍 序章 |
2023年6月 | 将軍 対決 |
本編前にリリースされた体験版(序章)が驚異的な高評価(97%)を獲得し、その成功を受けた開発が進行しています。2023年11月の時点では、依然としてアーリーアクセス中です。
パネル(カード)で戦うターン制バトル
ゲームシステムは、Slay the Spireのようなローグライクデッキ構築要素をベースにしています。
ルート選択、雑魚戦、カード取得や強化、アイテム獲得、ボス戦という定番の流れを繰り返し、マップ終端で待つ将軍を撃破することがプレイヤーの最終目標です。
1周クリアの目安はおおよそ30~50分ほど。
実際の戦闘の流れ
↑画面下のパネルに注目してください。ここに表示されているのは、カードゲームでいうところのカードに相当し、本作では行動パネルと呼ばれています。
この行動パネルを使用することで相手にダメージを与えることができるのですが、それには
- セット(予約)
- プレイ(実行)
というフェイズが必要です。
さらには、
- 移動
- 向き変更
といった動作も必要になります。
これは相手も同様。
つまり、両者が交互に行動を選択するターン制バトルというわけです。
↓実際の流れを画像で説明します。
たとえばこの状況、双方とも行動パネルが未セット状態でいることがわかります。
自分はとりあえずパネルをセットしましょうか。
続けて2個目のパネルをセットした時点で、前方の敵の行動パネルが光りました。これは次のターン攻撃するぞというサインです。
それを見て、攻撃される前にプレイを選択しました。
すると、セットしたパネルが一斉に発動! ちなみに、セットしたパネルは自由に並び替え可能で、下から順にプレイします。
ここではまず剣による近接攻撃が行われ、
続いて弓矢による遠隔攻撃が行われました。
1ターン内に連続して撃破することを連破といい、非常に誉れなことです。それによるボーナスを得られる関連アイテムもあります。
流れを振り返ると、以下のようになります。
- 敵:未行動
- 自:行動パネルセット(剣)
- 敵:行動パネルセット
- 自:行動パネルセット(弓)
- 敵:プレイ告知
- 自:プレイ(剣攻撃、弓攻撃)
ポイントは、交互に行動すること、敵がプレイする前には猶予があること、そしてプレイ時は連続で行動パネルを実行することです。
パネル(カード)強化システム
本作はパネル(カード)カスタマイズのバリエーションが豊かです。攻撃力の増加やクールダウンの短縮だけでなく、凍結や毒といった属性攻撃の追加など、多岐にわたるオプションが用意されています。パネルは強化枠の数だけ強化が可能であり、強化枠自体を更に強化することもできます。
パネルの数字は攻撃力、下の米粒マークはクールダウン、その上の灰色●はカード強化枠を表しています。
感想:ユニークだがカードゲーム的には凡
体験版をプレイしてすぐに「これは面白い!」と即購入を決めました。製品版も最初の頃は夢中になって楽しめました。しかし徐々にゲームのメカニズムを理解するにつれ、「あれ?意外と単調かも…」という思いを抱くようになり、この記事を書く今では「わりと凡作かも」というところまで気持ちが冷めてしまいました。
その理由を端的に言うと、カードゲームとしての面白みに欠けるからです。
1回のプレイで拾えるパネル(カード)は、6枚も拾えればいい方で、デッキ構築というより手札構築といった感じ。パネル同士のシナジーも薄く、無理にシナジーを追求するよりも、汎用性の高いパネルをピックしていった方が勝てます。
手に入るパネルが少ないのは、一度にプレイできる枚数に制限があるからだと思われますが、この仕様が原因で、戦略のバリエーションも狭まっているように感じます。
体験版では、単体で働くシンプルなカード効果を「最初だから」と寛大に受け入れてしまったのですが、製品版でもずっと似たようなカード効果ばかりになるとは思いませんでした。
位置取りが重要なターン制バトルは、パズルのようなプレイ感であり、一手一手が重く、それに見合うやり応えがありました。被弾=解けなかったということで、ペナルティを受けても納得できましたし、上手に立ち回れたときの爽快感、達成感も味わえました。
しかし、初めてのうちは目新しさがあって楽しいパズルも、プレイを重ねるうちに解き方にも慣れ、ミスがなくなり、頭も使わなくなってきます。するとパネルだけに注意が向くのですが、上述のようにカードゲームとしては…という現状があり、うーんといったところです。
総合すると、デッキ構築ゲーム特有の戦略性やシナジーがなく、パズルは慣れると簡単。全体的に非常にこじんまりとした作品という印象を持ちました。コンテンツ量は体験版からドーンと増えているのは間違いないのですが、それに見合う新鮮なプレイ感を味わえなかったのが残念でした。
これからに期待!
とはいえ、これはあくまで現時点での評価です。
ゲーム性については今ひとつという感じが否めませんが、デザインセンスには惹きつけられるものがあります。タイトルからして明らかな和風の世界観は馴染み深くもユニークさがあり、ドット絵アクションにも凝っていて、UIはスッキリしていてチュートリアルも丁寧に作られています。
こうしたセンスから正直なところ、このゲームにはめちゃくちゃ可能性を感じますし、めちゃくちゃ応援しています。アーリーアクセス中であるため、今後の改良次第でゲーム性も大きく向上するでしょうから、その時にもう一度レビューしたいですね。
まずは体験版で
少しでも気になったのなら、体験版からプレイしてみることをオススメします。
体験版には、序章(Prologue)と製品版(Demo)の2種類があり、自分は両方プレイしましたが大きな違いは感じられませんでした。ただ、Demoの方が製品版に近いと思いますので、製品版に興味があるならDemo(下段)がいいと思います。
インストールサイズは約230MBで、1周10~20分ほどでクリアできます。
日本語化するには、OPTIONからJAPANESEを選びます。
手軽にプレイできるやり応えのあるゲームを探している方はぜひ。
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