P4以来のペルソナプレイに大満足!18年ぶりのリメイク初見プレイ【ペルソナ3 リロード】の感想

5.0
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『ペルソナ3』(2006/PS2)のリメイク、『ペルソナ3リロード』をゲームパスでプレイしました。

元の作品はプレイしたことないので自分にとっては実質新作。

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18年ぶりのリメイク作品

作品名ペルソナ3 リロード
開発ATLUS
リリース日2024年2月2日
ジャンルJRPG、コマンドバトル
価格9,680円(Steam
対応プラットフォームPC(Steam、Windows)
XboxONE/X/S、PS4、PS5
日本語完全対応
インストールサイズ22.24GB
プレイ時間約75時間(実プレイ約90時間)

今や大人気のペルソナですが、もともとは女神転生シリーズの派生作品であり、同シリーズ特有の暗くジメジメとした作風でした。

そこへ新風を吹き込んだのが、旧『ペルソナ3』でした。

  • 明るい日常パート
  • オシャレなUI
  • 英語のヴォーカル曲
  • カレンダーシステム
  • コミュシステム

といった4と5にも引き継がれることになる斬新なシステムの導入、これがライト層に大ウケ、シリーズを大きく飛躍させたのです。

ペルソナ3リロード』は、そんな伝説的なオリジナル作品の18年ぶりのリメイク。オリジナルのシナリオそのままに、グラフィック向上やUI改善、一部キャラクターのエピソード補完など、現代風のアップグレードが施されたペルソナシリーズ最新作です。ちなみに、作品同士の結びつきは希薄なため、シリーズ初見でも大丈夫

プレイ時間:ゲーム内プレイ時間は約75時間で、実プレイ時間は約90時間。1日3時間プレイでも1ヶ月はかかる超大作ですね。この時間はイベント時のボイスを聞いたり聞かなかったりした場合のもので、やり込みも死神を倒すくらいしかやらなかったので、プレイスタイルによってはもっと時間がかかるでしょう。

キーマウプレイ:プレイしたのはPC版。キーボード・マウスでプレイしました。会話とコマンドバトル中心なので操作に困ることはありませんでした。ダンジョン探索では、カメラ速度とマウス感度を調整したら快適になりました。

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感想:長かったけどプレイして良かった!

な…長い…。

というのが第一印象。興味が尽きることはなかったものの、終わりが見えなさすぎてじれったく感じるときもありました。それでも気付けば時間は進んでいて、雰囲気がガラリと変わる最終日には、終わってほしくない気持ちの方が上回り……現実と同じですね。エンディングは長いエンディングロールをじーっと見入ってしまうほど、万感の思いというか、喪失というか、呆然というか、そんな感じでした。ただ1つ言えるのは、素晴らしい作品だったということ。プレイして良かった!

スペックの向上で、通行人などのワラワラ感も増したように感じる

全体的に過去にプレイしたことがあるペルソナ4とプレイ体験は大きく変わりませんでしたが、UI面で細かい微修正や些細な工夫が見られ、わずかながら進化を感じられました。

まあでも特筆すべきは演出ですね。イベントムービーもさることながら、アニメーションのクオリティには驚きました。それも頻繁に挿入されるものだから、見入ることが多いです。シンプルに映像作品としても楽しめる。声優も端役に至るまでプロフェッショナル。

日常パートのバリエーションも豊富。すべての人から好かれ、褒められ、感謝されるというリア充の極み。やや持ち上げすぎな感もあるけれど、実力(魅力や学力)も伴っているんだから当たり前か。こんなんリアル青春時代にプレイしたら…もうたまらないだろうね。

  • システムはいつものペルソナ
  • コミュについて
  • 戦闘とダンジョン探索について
  • ストーリーは思っていたより暗め
  • 良くなかった点
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システムはいつものペルソナ

原初のカレンダーシステム

まずシステムについてですが、自分はペルソナは4しかやったことないので、それとしか比較できませんが、システム的にはほぼ変わりなかったです。

1日単位で進行し、朝、学校がある日は授業を受け、放課後と夜に自由時間。それを終えたら次の日。この繰り返しです。自由時間中にダンジョンを攻略する必要がありますが、1~2回程度の突入でクリアできるレベルであり、後はもうイベントが発生するまで遊んでいるだけ(日常パート)ですね。

その自由時間には外食したり、

ネトゲで遊んだり、

一緒に勉強会したり、

まあ、いつも通りのリア充ライフです。

やることが多すぎて混乱しちゃいますが、ネットワーク接続することで他のプレイヤーの同日の行動履歴を見れます。これを指針にすれば大きく失敗することはないだろうと思います。

新たなダンジョンが解禁された日は、こぞってダンジョンに向かっているのを見て笑ったり、まだ名前も知らないコミュ(イベント)進行が出現した時は、なにか見落としがないか焦ったり…参考になるだけでなく、一緒に攻略している気持ちにもなれるので、毎日眺めているだけでも面白かったですね。

メールでのお誘い

メインはコミュ活動になると思います。

携帯メールでの呼び出しやファストトラベル機能が優秀で、ストレスなく攻略することができました。1周目で全コミュMAXにすることはできませんでしたが、残り3人くらいだったので、ペルソナ4に比べるとシビア感は低下した印象。

ちなみに、ロールバックと呼ばれる自動オートセーブ機能が実装されており、これを利用することでいつでも直前の状態に戻ることができます。つまり、選択肢をミスっても、すぐにロードし直せるわけですね。

自分はライブ感重視なため使用しませんでしたが、ロールバックを駆使すれば攻略サイトなどを見ずとも1周目からコミュMAXを目指すことができると思います。1周するのに時間がかかるゲームなので、最初からすべての要素を追っかけたい人にはオススメです。

コミュについて~叱咤激励~

日常パートは、様々な人物との絆を育成するコミュ活動がメインとなります。多くは「ちょっと仲良くなる→ちょっと修羅場→大団円」というワンパターンですが、選択肢によって進行速度に差が生まれるのが面白いところですね。

完全同調を求める人もいれば、その反対の人もいて、当然その中間も多い。どんな言葉が相手に響くのだろうか、と本気で考えると、その人の通ってきた道や感じ方まで理解を広げる必要があります。

こうした選択肢のあるロールプレイでは、プレイヤーの「正しさ」や「自分らしさ」を押し付けるものが多いです。それはその方がプレイヤーが気持ちよくプレイできるのと、教訓的意味合いもあるでしょうね。

しかし本作では、プレイヤーが妥協して、仮面を被るのが正解です。結局、人を動かすには、その人自身の自覚が必要なわけで、触発される言葉は人によって異なるわけです。本気で相手のことを思うなら、自分を押し殺して話を合わせて相手に寄り添うことも大事…という大人な態度が求められる作品ですね。

基本的に主人公はあらゆる人から全肯定される存在ですが、それでも人々からは、譲れない一線というか、絶対に立ち入れないパーソナルスペースを感じました。話は聞くけど本気では受け取らないよ?的な壁。だからこそ、その壁を超えるような関係が結べた時の喜びや尊さに感動するのです。薄い付き合い、深い付き合い。距離は近いけれど心の底からは楽しくない関係よりも、距離はあっても確かに感じ入るところがある関係。うわべだけの仲の良い感じと、真に通じ合った関係の描き分け。自分がペルソナで好きなのはこういうところですね。

思い出コミュ

舞子:かわいい。すべてのエピソードが癒やし。コミュラストと、エピローグでのあの人の演技には笑った。

Y子:一体何者なんだ!? 時代を感じるネットスラング。2006年だとしてもだいぶコテコテ。でも嫌じゃない。最後の別れ方がネトゲ通ってきた者として胸が熱くなるものがあった。本当オシャレ。エピローグはニヤニヤが止まらなかった…。

たなか社長:すべてを語らずとも伝わる空気感こそ、この作品の良いところ。飄々とした口調から不意に放たれる本心がたまらない。大人エピはみんな深みがあって好き。

神木:最初は「なんだこの暗い野郎は」徐々に理解が深まり、エピローグでは1番泣けたかも…。本編にもリンクするような内容。お母さんの演技もしっとりとしていて良かった。

ちなみにコミュは後3人だった。あと1ヶ月あればいけたんだけどなー、最後ピューンと飛んだもんなー。

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戦闘とダンジョン探索について

戦闘はコマンドバトル。シリーズお馴染み。弱点を突くと追加1ターン+相手ノックアウトで、すべての敵をノックアウトすると全体攻撃ができるようになります。この全体攻撃はあらゆる耐性を貫通するので、発動できればほぼ勝利です。そのため、戦闘はひたすら敵の弱点を突く→すべての敵の弱点を突いたら全体攻撃ということの繰り返しになりますね。

ペルソナもいつメン

初見の敵こそ苦戦しますが、弱点が判明した敵相手ならば基本的な戦術は一緒。ライトっちゃライトだけど、単調っちゃ単調かなと。BGMはオシャレだし、視覚的にもカットインやシフトチェンジがかっこいいけれど、ワンパターンな戦闘に作業感を感じることも。イベント戦闘ならともかく、雑魚戦はもう少し高速化できたら良かったですね。ダンジョンに1回潜るごとに1~3時間かかるのに、レベルが上がっても発展性が少なく、面白みはあまり感じられませんでした。かといって裏ボスレベルのギミックは勘弁して。

レベルが離れてもすぐに追いつけるシステム

ダンジョンは全体にわたって正直ダルかったんですが、飽きさせない工夫は随所に見られました。見返りの大きい異形種の出現だったり、探索役の新スキルだったり、わずかな追加要素でしかなかったですが、少しずつ小出しにすることで、プレイに変化をつけようとする試みには好印象。他にも、ワンボタンで弱点コマンドに飛べたり、宝箱を開けたら近くの敵が消滅するなどの些細な配慮はさすがアトラスだなぁと。100時間近いプレイ時間の中で1度もバグに遭遇することがなかったのもすごい。

ストーリーは思っていたより暗め

気まず…

ペルソナシリーズはペルソナ3から一気に明るくなったと言われていますが、思っていたより暗く、生々しいストーリーでした。

完全な悪はなく、人知を超えた力に翻弄される人間と、人間同士の思想的な対立というのは、女神転生のエッセンスを感じさせる世界観。ストレガにしても最初は「なんじゃこいつら」って感じでしたが、事情を知ると同情心の方が上回りました。ストレガ周辺はP3Rで加筆された箇所が多いようですね。

しかし、全体としては「無気力」「自暴自棄」「破壊衝動」が良くないものとして描かれ、ポジティブに生きていこうぜって感じの爽快さを押し出すポップなスタイルは崩れませんでした。あくまでも青春モノの範囲内での話であり、ゴチャゴチャしすぎてないのが良いですね。

いろいろ可哀想な順平

とはいえ、暗いは暗い。

節々に毒があるというか、現実の冷酷さを一貫して描き続けているのが独特の空気感を生み出しています。たとえば街にあふれる無気力症…作中では理由があることでしたが、絶望に打ちひしがれる人々の姿は現実でも見受けられるものです。そんな彼らを見る周りの反応は「不気味だ」「ああはなりたくない」のような自分本位の軽口ばかりで、寒々しいほどのリアリティがあります。だからこそ本物の絆が映えるんですけど…なーんか嫌な感じ。

その無気力症を始め、終盤の判断力を失った人々は、ある種象徴的。コミュ活動ではそれが具体的に描かれ、現実逃避の末に自傷的になる人が多かったです。それでも最終的には自己の内面と向き合い、前向きな選択をするというポジティブな昇華で終わります。つまり、「無気力」も「自暴自棄」も自己との対面が欠けていると。ダークな部分こそが見るべきところでもあったと。これは4でもあったので、シリーズのテーマなんでしょうね。

終盤はアイギス無双:本編では「逃れられない死という概念」と戦うことになるのですが、それと向き合う役目を演じたのは、意外にも途中参加のアイギスで、終盤では主役級の働きでした。何をするにしてもめっちゃ目立ってた。生死がないロボットが死に関する概念を考えるというのはSF作品ではよく見られますが、上辺だけでなく、しっかり本筋と絡んだ内容になっていて見応えがありました。

そのアイギスの役目というのが、冒頭から描かれていた絶望した人間に対するカウンター。最も人間らしくないアイギスが答えを示す、というのが、すべての人間の苦悩を上回る奇跡って感じで、なんともロマンチック。最高の配役だったと思います。ロボットですら奇跡を起こせるのだから、人間も希望を捨てちゃいかんです。

ラストシーンは、すべてが浄化されるかのような、走馬灯を見ているかのような、印象的な終わり方でした。何言ってるかわからない英語曲が続いていたのに、最後の最後に日本語ボーカル曲が来て、歌詞がすっと染み入るという…。さざ波のように何度も押し寄せる叙情性のある曲調も素晴らしい。このエンディングを見るだけでもプレイする価値がありました。本当に感動、大満足でした。

良くなかった点

全体的に大きく満足していますが、気になった点もいくつか。

  • ダンジョン&バトル全般
  • ダンジョン会話が切れる
  • 夜が暇

ダンジョン&バトル全般:2周目始める前の最大の障壁がプレイ時間。その根本原因がダンジョン攻略のダルさです。戦闘は単調でダンジョンにも特にギミックがないので、やりがいを感じられません。サクッと攻略できれば良いのですが、バトル演出がやや長めで、どうしても時間がかかってしまうのがね…。

ダンジョン会話が切れる:ダンジョン攻略中に、場所やメンバーの組み合わせによって変化するつぶやきや掛け合いがあるのですが、聞いている途中でオプションを開いたり階層移動ですぐに消えてしまうのが残念でした。攻略スピードに対してセリフがのんびりすぎて、すべて聞こうと思ったら足を止めざる得ないんですよね。

夜が暇:終盤は夜間にやることがなさすぎて暇でしたねぇ。コミュが昼間に偏りすぎているように思います。ダンジョンは1、2回潜ればミッション的にも金策的にも十分だし、アルバイトでの金稼ぎや能力を鍛える意味もない。効率プレイでもないのに夜普通に寝るだけって勿体ない。

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総合:良作リメイク!!大満足!!

安定の面白さ。

毎年プレイするとなるとしんどい分量だけど、数年に1回プレイするなら最高のシリーズですね。2024年9月には、本編後日談(フェス)にあたるDLCもリリース予定。そちらもぜひやってみたいですね。

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