デジタル化したボードゲーム
For The Kingを一言で表すと、デジタル化したボードゲームです。
リアルで遊ぶTRPGや、漫画遊戯王のバクラのボードゲームに近いです。ジャンルとしては、RPG、ストラテジー、ローグライクといったところでしょう。
イベントや戦闘のたびにダイスを振り、その成否で好転もするし悪化もする運要素が最大の特徴ですね。同時に、レベルアップや装備を整えてキャラクターを強化する王道RPG的面白さもあり、運ゲーでありながら王道の良さを兼ね備えたゲームです。
開発はIronOak Games、カナダの会社ですね。
Steam評価は非常に好評
全てのレビュー:非常に好評
リリース日:2018年4月20日
定価:2050円
全体的に難易度への言及が多かったです。好評か否かは、その難易度を理不尽と捉えるか、または歯ごたえがあると捉えるかの違いによるものと思われます。
どれを買えばいいのか?
DLCとセットになったデラックスエディションがオススメです。
DLCは必須というわけではありませんが、新しいダンジョン、アイテム、職業を追加されてバリエーションが広がるので、個人的にオススメです。
これとは別に無料のスキンパックと、有料のサウンドトラックがあります。
PC版とSwitch版の違いはほとんどない
Switch版はダウンロード版のみで、定価2000円となっています。
PC版との違いですが、公式からのアナウンスはないので、自分で調べた情報になります。
- PC版にのみ存在するデバフがある(病気)
- 発売時期的にDLCは付属していない
ゲーム性に大きな違いはないですね。
ストレージ(サイズ)はDLC込みで2.3GB
実際にダウンロードしたみたところ、DLC込みでサイズは2.31GBでした。
日本語はあります
特に作業は必要なく、ダウンロードした時点で日本語化されていました。
感想・レビュー
ボードゲームをデジタル化
まず、本作の最大の魅力は、ボードゲームのようなゲーム感です。ダイス(フォーカス)を振ってランダムな要素を再現することで、常に不確定要素に翻弄されながら戦闘を進めていくことになります。このようなゲームシステムは、緊張感を高め、運ゲーを前提としながら、プレイヤーの戦略性を問われるものとなっています。
- <ダイスを振って>、出目だけ進める
- <ダイスを振って>、攻撃の命中率やダメージが変わる
- <ダイスを振って>、イベントの善し悪しが決まる
1人の存在感の大きい3対3の戦闘
また、3対3の戦闘が基本のRPGという点も特徴的だと思います。戦闘が小規模であることから、個々のキャラクターのスキルや特性を最大限に活かす必要がある一方、誰か1人でも行動不能になると大きな戦力ダウンになるため、押し引きの判断が他の多人数バトルゲームより難しいと感じました。
敵の攻撃力が高すぎる
本作にはレベルによるスケーリングが大きいという問題があります。これはおそらく敵の強さのバランス調整が、「適正レベルのプレイヤーが、適正レベルの装備をした場合に少し歯ごたえがあるくらい」の調整になっているからだと思われます。実際のところ、そう都合よく装備を更新していくことは難しいので、つねに格上の相手と戦っているような印象を持ちました。
終盤になると、一撃で半分ほど持っていかれることもあります。緊張感はあるものの、あっけなさすぎる結果に萎えてしまうこともあります。明らかに敵の攻撃力が高すぎるため、戦闘が単調すぎるのです。
デバフが強すぎる
戦闘に関して、もう1つ不満があります。それは、敵から受けるデバフ(状態異常など)が強すぎることです。デバフ回復薬は高価で、回復魔法もランダム性が高いため、気楽に回復できません。にも関わらず、雑魚敵もボスも容赦なく連発してきます。しかも、相手の速度のほうが早いことが多いため、出会い頭に敵からデバフをかけられてスタートすることが多く、最初から無条件のペナルティを受けているようで、理不尽に感じることもありました。
対応策として、デバフ無効装備を集めるという方法があります。しかし、デバフ無効装備はそれ以外の能力値が普通であることが多いため、そればかり装備すると、防御力や耐久性に不満が出てきます。すると、上で言及した大味なゲーム性にさらに拍車がかかってしまいます。
一般的に、こういうゲームは、一部強力なデバフがあっても、それだけを無効化しておけば大丈夫なものです。しかし、このゲームの場合は、広範囲に厄介なデバフが多いため、広く無効化装備を集める必要があります。集めるのも大変だし、そればかりだとステータスに穴が空くし、なかなか困難なゲームバランスだと言わざるを得ません。
総合すると良いゲームだがバランスに難点
否定的な評価が多くなりましたが、イマイチなゲームなのか?というとそうではなくて、個人的にはなかなか楽しめました。
やはりランダム性の強いゲームとして、泣くことも多いですが、上振れが起きるとそれ以上に嬉しいですし、RPGらしいレベルを上げて装備を強化していく過程は、どんなゲームを何度やっても面白いものです。
総合して、面白いゲームであると断言できますが、後半になると大味になってしまうため、おしいなと感じました。
最大の良い点は、安さです。結局、安いからいいんですよ。定価2000円で、頻繁にセールがあり、DLCセットのデラックスエディションだと74%オフで700円。この価格のことを考えると、十分すぎるほど楽しめました。
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