ゲームパスでプレイした感想。シーズン3。
ゲーム概要
作品名 | ディアブロ IV |
開発 | Blizzard Entertainment |
リリース日 | 2023年10月18日 |
ジャンル | アクションRPG、ハックアンドスラッシュ |
価格 | 9,800円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam、Windows) XboxONE、SERIES X|S、PS4|PS5 |
日本語 | 完全対応 |
インストールサイズ | 52GB(高解像度アセットは94GB) |
ディアブロⅣは、ブリザード・エンターテイメントによるハックアンドスラッシュスタイルのアクションRPG。会社がマイクロソフトに買収されたこともあってかゲームパスに対応しましたね。
発売から半年経過しましたが、現時点での評判は正直よろしくないです(Steam賛否両論)。前作ディアブロ3も最初は微妙でしたから、いつも通りと言えるかもしれませんが…。
インストールサイズ:4K対応の高解像度アセット(94GB)か通常(52GB)によってサイズが大きく異なります。今回自分のスペック的に通常verでプレイしました。
また、本作をプレイするには、ブリザード社のBattle.netへの接続が必須です。現時点(シーズン3)ではオフラインプレイはできません。実質ネトゲですね。登録~連携までちょっと手間ですが、1度環境が整うと起動も早く、特に不便は感じません。
感想:全体的に余白が気になる
ディアブロ3の思い出:ディアブロは3をプレイしたことがあります。やり込み要素には一通り触り、少なくとも効率的な走り狩りを楽しむほどにはプレイしていた記憶があります。ストーリーやシステムはほぼ忘れてしまいましたが、いかにも洋ゲー!の雰囲気を纏いつつも、中身は超カジュアルなハクスラゲーという印象でした。
うってかわって本作ディアブロ4は、そのカジュアルさが大きく低下しちゃったように思います。難しくなった、遊びにくくなったのもあるのですが、すべての不満に共通して言えることは、無駄な余白が増え、時間がかかりすぎるということに尽きます。
オープンワールドについて
前作からの最大の変化は、マップがオープンワールドになったことです。敵のレベルはプレイヤーのレベルに連動しているため、「いつどのタイミングでどこを攻略しても、同じ報酬」という攻略の自由度と持続的な難易度が魅力……となるはずでした。
移動の手間
このオープンワールド化によって個人的に何よりも気になったのが移動の手間です。クエストの報告、ダンジョンへの移動、街の施設利用、あらゆる行動にちょっとした移動が求められます。普通のオープンワールドゲームならよくある設計ですが、単調な戦闘が続くハクスラというジャンルで、しかも前作と比較されるシリーズ作品というのもあって、どうしても見逃せない余白として気になっちゃいました。
一応ストーリー終盤に解禁される乗馬によって劇的に移動速度は改善されます。しかし、街中ではダッシュできなかったり、謎のクールタイムが存在していたりと、やや引っかかる仕様…。そもそも必要施設がコンパクトに集積し、移動時間自体がほぼゼロだった前作と比較すると、いくら速く移動できたところで…とも思います。
他にオープンワールド関連で気になったのは、「リリスの祭壇」と呼ばれる探索要素。マップのあちこちに点在している施設をタッチすればボーナスを得られる、というまさにオープンワールド的な隠し要素ですが、これがなんと160箇所もあります。160はさすがに…攻略サイトを参考にするにしてもだいぶ心が折れる数字。憎いのはこのボーナスがかなり強力なこと。好きな人がやればいいではなくて、誰もがやるべきコンテンツになっています。ハクスラとかけ離れた部分に時間を使うのはどうにも気が乗りません…。
オンラインプレイについて
共闘プレイはメリットが多くて楽しい
オープンワールドになって良かったこともあります。それはオンラインプレイの実装です。
プレイするには、ブリザード社のBattle.netへの接続が必須です。現時点(シーズン3)ではオフラインプレイはできません。実質ネトゲですね。登録~連携までちょっと手間ですが、1度環境が整うと起動も早く、特に不便は感じません。
おそらく同じ地域(アジア)の同じティア(難易度)のプレイヤーと同じサーバーに振り分けられ、同じワールドを攻略しているのでしょう。偶然居合わせた場合、敵だけ共有し、報酬は各々貰えます。特にパーティなどを組まなくてもいいので気が楽です。もともとシングルで攻略できる難易度ということもあり、協力するとちょっと楽になる程度の、まあ、たまの気分転換ってところでしょうかね。
共闘前提のレギオン(雑魚ラッシュ)、ワールドボス(ボス戦)にも挑戦してみましたが、他のネトゲのような厳しい役割を負うこともなく、シングルプレイのノリでゆる~くクリアできます。最高難易度のトーメントに至っては瞬殺が基本ですから、立っているだけで終わります。プレイヤーは中韓勢が多く、基本みんな無言で、たまーにエモートがあるくらいですね。
敵の強さとレベル
ゲームシステムはシリーズ定番のカメラ固定の見下ろしアクションRPG。キーマウだと昔ながらのクリックゲー操作。レッドストーンが懐かしい。
前作と比較すると、とにかく敵が硬いなと。敵のレベルがプレイヤーに合わせて変動するからなのですが、これは良くも悪くもで、いつまでも歯応えのある戦闘を楽しめる一方で、装備が強くなっても殲滅速度が変わらず爽快感に欠けます。ストーリーはヌルい難易度のチュートリアルだと思っていたので、1周目から想定外の大苦戦を強いられました。
レベルも上がりづらい:最低難易度のティア1はレベル50が上限ですが、そこまでいくのに20~30時間はかかったと思います。変化も少なく、レベル15でパッシブスキルが解禁されてから、レベル50のパラゴンシステムまで新要素が一切ありません。その間ずっと同じような強さの敵と戦い続け、装備もパッとしないものが多く、あまりの単調さにストーリークリアすら挫折しそうでした。
変化が生まれたのはティア3(レベル50~)から。ここから神聖レア(レアの強化版)やユニーク装備(特殊なスキル変化)がドロップするようになり、ようやっとディアブロらしく、ハクスラらしくなっていきます。
レベル60を超えるとパラゴン(自由に割り振りできるステータス、スキル強化)も充実し始め、殲滅速度が格段に上昇。敵を一掃する爽快感、変化をもたらすユニークなドロップ品の数々、レベルアップの恩恵もある、という求めていたゲーム性がやっと訪れた瞬間で、この期間は文句なしに面白かったです。
ハクスラ部分について
アイテム等級はノーマル、マジック、レア、レジェンダリー、ユニークの5段階。レアまでは通常オプションで、レジェンダリー以降は通常OPに加えて特別オプションが付与されます。面白いのはこの特別オプションの抽出付与が自由にできることですね。
- 通常OP優秀なレア←特別オプション付与してレジェンダリー化
- 通常OP微妙なレジェンダリー←抽出して他のレアに貼り付ける
といったようなことができるので、レア装備でも拾う価値があります。
ただ、こういうゲームをやった人がある人ならわかるように、そう都合いいオプションは滅多に付きません。で、本作の場合はそもそものドロップ率が不十分です。シンプルに試行回数が少ない上、確率も低いのです。そのため、なかなか装備更新が進みません。
ディアブロ3で猛威を振るったセット装備も実装されておらず(シーズン3現在)、ユニーク装備の数も限られているため、アイテムのスカ率が異様に高いです。これはやり込み要素に足を踏み入れてから一層感じることで、インベントリいっぱいにアイテムを拾っても、当たりはまずありません。
これは、ユニークアイテム自体の数が少ないのと、通常OPの種類とシナジーの少なさが原因で、当たりくじ(有効装備)自体の数が少ないのが原因だと考えられます。前作や他のハクスラゲーと比べて、移動などで余分に時間はかかるのにリターンが少ないと。これが現時点での本作最大の問題かなと思います。
ストーリーは人間味があって良かった
ストーリーは大変素晴らしかったです。一言で言えば、人間臭いのが良い!
こういうダークファンタジー系の作品では、「固有名詞が固有名詞で固有名詞だ」みたいな目が滑るようなストーリーになりがちですが、本作では比較的抑えられ(あるにはある)、人間ドラマ成分がマシマシだったのが大成功だったと思います。
本筋も至ってシンプル。ジャケ絵にもなっている悪魔リリスが大ボスで、こいつを追っていくだけ。その過程で、リリスに関わる人や、会話の節々から世界観や関係性がなんとなく分かっていく。全理解は難しくとも、リリスが悪いってことだけ把握していれば追っていけます。
仲間を募り、ボスに挑む。キャラクターが名前だけの舞台装置としてではなく、バックボーンや心境の変化などが丁寧に描かれていて、普通に人間のドラマとして楽しめました。お気に入りはロラン。最初はだらしない偏屈爺かと思っていたら、仲間を支え導く存在として徐々に存在感を増していき、ストーリー幕間では語り手も担当。因縁の相手との対峙で生き様をなじられた際は、彼の怠惰と努力の両方を知っているだけに、同じように胸が痛い思いでした。終わり方も切なかった…。
でもやっぱり、本作で1番輝いていたのはリリスですね。ずーっとリリス中心に描かれていたので愛着が湧いたってのもあります。悪いっちゃ悪いんですが、母親的な感傷を見せたり、勝負の前に恐怖を感じると口にしたり、血の涙を流すようなシーンもあったり、すごく人間的なところが、悪魔といえど同情できました。わりと激情型のイナリウスと比べても、大人の女性の落ち着きというか、堂々とした風格が訳ありの悪役って感じで魅力的でしたね。
あと、ムービーのクオリティも凄まじかった。特に地獄での大戦はロード・オブ・ザ・リングを彷彿とさせる異形VS人間の大規模戦闘で、長尺で動きも激しく、数あるゲームムービーの中でもトップクラスのクオリティと感動。このエネルギーがもう少しゲーム性に向けられていたら…。
年月をかけた修正に期待
前作ディアブロ3と比較して、お手軽さ、プレイしやすさの両面で後退し、続けるのはしんどいな~というのが現時点(シーズン3)での正直な感想です。ゲームとしての面白さが出てくるレベル50までが遠すぎるため、気軽にはオススメしづらいですね。
とはいえ、芯から終わっているかというとそんなことはなく、普通に楽しくプレイできたのが正直な感想。ポテンシャルはある。後は調整のみ。
ディアブロ3も発売当初は評判が悪かったはず。それが今や…。だってもうシーズン30だもの。そこまでの月日は必要ないとは思いますが、ディアブロ4も少しずつ改善されていく基調にあると思います。現にシーズン3で実装された紡績堂もなかなか楽しいコンテンツですし(最初からあっても良かったですが!)。
個人的には新コンテンツなどなくても、レベルアップ加速、ファストトラベルの拡充、祭壇削除、ドロップ率増加といったバランス調整だけでも大分遊びやすくなるとは思うんですけどね。ただ、そういったゲームの寿命を縮める思い切った施策はしばらくはなさそう。…ということで、いずれ改善されることを信じて…今はおやすみなさい(アンインストール)。
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