個人的には深くは刺さらなかったけれども、ポジティブ評価。
作品名 | Desktop Dungeons: Enhanced Edition |
開発 | QCF Design |
リリース日 | 2023年4月19日(Steam参照) 実際は2011~13年頃の作品 |
ジャンル | 2D、ローグライクRPG、ターン制 |
価格 | 1,499円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam、Xbox) |
日本語対応 | なし |
インストールサイズ | 約371MB |
Steam評価 | 非常に好評(88%) |
プレイ時間 | 約8時間(未クリア) |
続編や~~ライクの類似作品が気になったので先にオリジナルをプレイしてみた。ちなみに開発は南アフリカのゲームスタジオ。
- Qどんなゲーム?
- A
ターン制のバトルダンジョン。敵が動かない一画面完結のシレン。
1歩が1ターン。敵は動かない。
最大の特徴は、ダンジョンが一画面で完結していること。つまり、マップは狭く、敵やアイテムの数も限られています。結果として、非常にシビアなバランスのリソース管理が求められ、ローグライクの中でも、パズル属性強めの頭を使うタイプの作品と言えるでしょう。
ゲーム画面はこんな感じ。ドット絵のシンプルなデザインで、めっちゃ時代を感じますね。
画面左側に盤面(ダンジョン)、右側にキャラステータスや戦闘予測などが表示されています。
ダンジョンは毎回ランダムで生成され、ダンジョン内のどこかにいるボスを倒せばクリアです。
ただ、このボスが厄介で…。
ボス戦までの道のり
このゲームは、レベル差によるステータス差が顕著で、ボスを倒すためには事前に十分なレベル上げが必要です。
ここでポイントなのが「敵の数が有限」であること。自由に敵が湧いてくるわけではなく、出現する敵の数は決まっています。つまり、ダンジョン内で得られる経験値の総量が限られています。
探索とHP回復のジレンマ
もう一つ重要な要素が「探索でHPとMPが回復するシステム」です。マップ上の未開拓の黒マスを開放することでHPやMPが回復しますが、無駄な探索をしてしまうと、回復手段を使い切ってしまいます。
回復は超貴重。なぜならこのゲームの戦闘は同時ダメージが基本だから。自分が攻撃するたびに相手の反撃を受ける仕様です。しかも、反撃は相手側が先に計算されるため、互いに即死級の攻撃を行う場合、負けるのは自分となります。
探索そのものがリソース
そんな被ダメを受けやすい環境下でHPを回復する手段は、①レベルアップ、②ポーションの使用、③黒マスの開放の3つだけ(信仰は除く)。なかでも黒マスの開放はコストがかからず、かつ安定した回復手段なので、使い勝手抜群。だから探索は温存が鉄則。
…しかし、探索をしなければ敵を見つけられないのも事実。この辺りのさじ加減が難しいところ。探索するかしないか、敵を倒すかスルーするかといったことを慎重に考えながら「必要最低限の探索で、できるだけ効率よく経験値の高い敵を倒す」という戦略を立てるのが、このゲームの核心であり、醍醐味です。
一応、軽いストーリーもあり、荒廃した王国を再興することが大きな目的。ダンジョンで集めた資源を使って施設を建てるという、町発展ゲーム的な要素も少し含まれています。
とはいえ、建設する施設のほとんどは、新しいクラスやダンジョンのアンロックに関わるものであり、ゲームのメインは間違いなくダンジョン探索です。
感想:これはパズルだね
プレイ感はシレンに近い部分もありますが、実際には限られたリソースをどう活用するかが問われるパズルゲームに近い印象です。
探索は回復だし、敵はレベルアップのための餌(経験値)だし、普通のゲームでリスクとされる要素が、このゲームではむしろありがたいリソースとして扱われる点がユニークで新鮮でした。
探索と戦闘の見極めは緊張感があって非常に楽しいです。一方で、盤面が小さいため、解法が固定的というか、プレイの幅がやや窮屈に感じられる点もありました。
良くも悪くもパズル的で、「ここはこうすべき」という最適解がはっきりしているんですよね。特にRPG的な強化要素──例えば装備や呪文を拾って「おお!!」と思っても、それらは純粋なパワーアップではなく、単にギミックの1つとして機能するだけなので、大きな変化を感じにくいです。計算式の途中というか、無機質な感じがして少し物足りなかったです。まあ、それがパズルだと言ってしまえばそれまでですが…。
それと個人的に苦労したのが、信仰システム。神を崇拝することでメリットとデメリットを受けるシステムですが、各神ごとにやってはいけないNG行為なるものが存在し、このペナルティが非常に重い! 神によっては、装備品が全て消失することもあり、初見ではかなり戸惑いました。説明が少なめな点も、やや不親切に感じました。
あと、やっぱり日本語訳ないのが結構きつかったかな~。出てくるアイテムはほとんどイツメンで、必要最低限の知識を得るのにはそれほど苦労しません。ただ、ストーリーやフレーバーテキストが意外と多く、これをフルに楽しむにはある程度の英語力(翻訳力)が必要になるかと。
ゲーム内にTIPSも豊富に用意されていて、それ自体はありがたかったですが、読むのに少し苦労しました。
総合すると、「Desktop Dungeons」は完全にパズルゲームです。RPG的な要素は全てギミックで、リスクとリターンを計算して、効率的なレベルアップを目指すプレイが求められます。ルールさえ覚えればシンプルなゲーム性で、1ステージ10~30分でサクッとプレイできる手軽さも魅力です。
今回自分はどんなゲームかを知りたくてプレイしたので、クリアは断念しましたが、数時間遊んだだけでもまだ多くの要素が残っていて、意外とボリュームがあるなと感じました。最適化や論理パズルが好きな人にはオススメ。
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