先に続編の『Deliver Us Mars』をプレイ済。
ゲーム概要:資源が枯渇した近未来のお話
作品名 | Deliver Us The Moon(デリバー・アス・ザ・ムーン) |
開発 | KeokeN Interactive(オランダ) |
リリース日 | 2019年10月10日 |
ジャンル | 宇宙、SF、アドベンチャー |
価格 | 2,570円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam、Epic、GOG)、 XboxOne、PS4、Switch(予定) |
日本語 | 対応(字幕のみ) |
インストールサイズ | 約8GB |
プレイ時間 | 約6時間 |
始まりは2030年、資源の枯渇によるエネルギー危機によって荒廃が進む地球。これじゃいかんと協調した人類は宇宙に資源を求めた。幸運にも月に資源が見つかり、MPTと呼ばれるエネルギー伝送技術によって、採掘、発電、伝送が月の施設のみで完結するように。
これで一段落と思いきや、2054年、エネルギーの伝送含め月からの応答の一切が消失する事態が発生する(大停電)。資源がないため、なかなか調査へ向かえない人類だったが、ついに用意が整ったのが2059年のこと。
主人公は探索プロジェクトの一員として、「月で何があったのか?」「エネルギーは復旧できるのか?」という2つのミッションに挑むことに…。
合言葉は「Deliver Us The Moon(月へ届け)」
日本語対応について:テキストのみ日本語対応となっています。表札や飾られているポスターまで幅広くローカライズ化されていて、翻訳のクオリティも上々ですが、ムービー中の字幕表示に問題があります。
- 人名「セリフ」 ではなく、
- 人名セリフ
といった感じに、区切りなく表示されているのです。これは…慣れましょう。
ストーリーを楽しむ探索アドベンチャー
基本的にはストーリーを楽しむゲームで、FPS、TPS視点で探索を進め、記録された映像や音声から何があったか?を探るのが目的です。
音声はフルボイス(英語音声)で、臨場感たっぷりのドラマを楽しめます。
道中には軽いギミックがあり、パズルとまではいかずとも、ほんの少し頭をひねる必要がありますね。
特筆すべき点として、単に歩き回るだけでなく、いかにも宇宙な体験ができるイベントが豊富なことが挙げられます。
たとえば、巨大な建造物を前に宇宙に放り出されたり、
月面でバギーを運転したり、ロケット内での発射シーケンスのタスク実行、宇宙ステーションへのドッキング…などなどいろいろあります。
これらはゲーム的には「ごっこ遊び」レベルのミニゲームでしかないのですが、それでも宇宙好きにはたまらないシミュレーションだと思います。
感想:主人公の正体にビックリ!
総合的には、中の上。オンリーワンの体験ができるけれども、苦痛に感じるポイントも。
ビジュアル全般:ガタガタ震えるロケットで飛び立って地球を見下ろす。それだけでも大満足。無機質な月面コロニー内の雰囲気も好き。たった6時間のプレイの中でも、状況や風景のバリエーションが豊富で、ボーっと外を眺めているだけでも楽しめるゲームでした。
ストーリーについて:続編である『Deliver Us Mars』を先にプレイしていたので、黒幕の存在や真相についての驚きやドキドキ感はありませんでしたが、洗練されているなという印象を持ちました。目的が明確であり、余計なやり取りが少なく、専門用語の説明も丁寧であるため、混乱させる要素がほとんどありません。その点、ストーリーに関してはストレスなく楽しめましたね。
主人公を巡るドラマには驚きの展開。謎に迫っていくミステリーとしても秀逸。
基本的にフルボイス作品なのに、なぜか主人公だけ声はなく、宇宙服で身を覆っているため性別もわからない。”名無しさん”かと思っていたら、途中で明かされる正体にビックリ! 正体がわかった瞬間、描かれなかったストーリーが頭の中に思い浮かび、あぁ…と。
クライマックスに近づくにつれ、ミッションに挑む覚悟が強まっていき、それに呼応するように試練感が増していくステージ設計。そこを乗り越えた先の満身創痍のエンディングには深い感動があり、プレイ後感は非常に爽やか。
黒幕の真の狙いやキャシーという少女の行く末など、説明不足による消化不良感もありますが、それよりもドラマ的な感動の方が大きく上回り、ストーリーの満足度は大!
シンプルに、酔う。
良くなかった点:残念だったのが探索パート全体。パズルとも言えないような軽い謎解き要素で構成されているのですが、これのクオリティがイマイチを通り越して苦痛でした。仕掛け自体は非常にシンプルなものの、操作性(感度?)が悪く、カメラも視野が狭いうえに近づいたり遠ざかったりで動きが激しい。大したことないアクションにも大苦労。無重力下では上下が入れ替わったりしてもう大変。6時間でクリアできたとはいえ、毎日少しずつ、数日かかってのクリアでした。
ゲーム性で気になった点:有限の酸素ゲージを無理にゲームに落とし込んでいるように思え、逆にゲーム的すぎるというか、どうせ仕様の範囲内だろうって感じで、過剰演出に感じられて冷めてしまうこともありました。ギミックによっては、酸素ゲージに加えて別の時間制限が課されることもあり、そうなると2つの減少していくタイムが並ぶという珍しい光景が見られます。これはさすがにどうなんだろう?って思いましたね。
続編との比較
『Deliver Us Mars』(火星へ届け)という続編(2)がリリースされています。少し前にEpicで無料配布されており、自分はそっちを先にプレイしました。ゲーム性に大きな変化はありません。
主観で比較するとこんな感じ↓↓
Deliver Us Moon(1) | Deliver Us Mars(2) | |
---|---|---|
グラフィック | ◯ | |
演出 | ◯ | |
システム | ◯ | |
パズル(謎解き) | ◯ | |
ストーリー | ◯ |
ご覧の通り、全体的にはあらゆる点で強化・改善があった続編の方がクオリティは上です。2には日本語吹き替えもありますし。2→1とプレイして個人的に特に違いを感じた部分はグラフィックですね。なんというか質感がまったく違う。
ストーリーは本作の方がシンプルにまとまってて自分は好きですね。それと、本作でストレスだったパズル(謎解き)要素が2では良くも悪くも拡大されていますので、その部分も引っかかる要素かなと。2からプレイした身からしたら、本作のギミックの簡単さは非常にありがたかったです。
- Qどちらからプレイすべき?
- A
間違いなく本作(Deliver Us Moon)から
1をプレイしてわかった…。2は明確に後日談。本作で不十分な説明に終わったOutwardや冷凍睡眠の子が物語に関わってきます。これからプレイする人は、まずは本作(Deliver Us Moon)からプレイしましょう。
総評:そこそこ良作
個人的にはセール中ならオススメのシリーズ。セール中なら60%~70%OFFで900~700円ほどで買えるはずです。まず本作からスタートし、面白ければ続編もぜひ。
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