数年ぶりのプレイ
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』と『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』は発売当時にプレイ済みで、『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』だけ評判が悪くて手に取らなかった。
1作目2作目もいずれ再プレイしたいと思っていたところに、Steamでセールをやっていたのを発見して3作とも一気に購入したのを、最近になってようやくクリアしました。
1,2作目は懐かしく、3作目は新鮮な気持ちで遊ぶことができました。
1,『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』
2,『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』
3,『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』
Switch持っている方なら、これらすべてがまとめて収録+αの内容が入ったセットパック
『ダンガンロンパ トリロジーパック』がオススメです。
1作目『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校』
無意識的な思い出補正もあるかもしれないが、やっぱりこれが1番面白かった。約10年ぶりのプレイでも、大筋では覚えていたので、初見の驚きを再び味わうことはできなかったが、それでも満足度の高い作品だった。
超高校級の才能を使った犯人のトリックを暴く過程が、本格推理モノとしてよく出来ていたし、青春モノの雰囲気も残しつつ、残酷な展開が横並びという中二に激刺さりする内容だった。
あとはシリーズ内で比較的してみると未知というのがよかった。伝統芸能化していく作品にあって、先行き不透明な手探り状態でのプレイは、登場人物たちと同じ目線で楽しめたし素直に怖かった。
- デスゲームに巻き込まれる恐怖を追体験できる
- 未知の展開にハラハラドキドキがとまらない
- ハイセンスなのに、推理はガチ
- センスについてこれなければアウト
- ラストがはっちゃけすぎ?
2作目『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』
一言で表すと、ブラッシュアップ。前作プレイ者を念頭に置いた、細かい調整や小ネタの出し方が絶妙だった。前作キャラクターの再登場や、システム面の微調整(たとえばモノモノマシーンの時短)、学級裁判中のゲームのクオリティ向上という歓迎できる改善がみられたのが本作であった。
インパクトでは1作目ほどではないとしても、シリーズ化するにあたって上々なスタートでしょう。システムの調整が個人的に嬉しく、これから作品を重ねて洗練化されていった先に、またすごい作品が生まれるんじゃないかと、これからのシリーズ展開に期待を抱かせてくれる名作だった。
- あらゆる面で前作の改善がされている
- 演出が強化されてより派手になっている
- 推理は相変わらずガチ
- ロジカルダイブなど一部ゲームが難しくて推理の邪魔になっている
- 展開が前作と同じなので先が読みやすい
- 前作をフリにしすぎている
3作目『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』
あまりの評判の悪さに当時避けたほどの問題作。予想をはるかに上回る問題作っぷりでしたね。炎上なんていうのは一時の感情だけで、後から振り返ってみるとそうでもない事件も多いわけですが、本作の場合、ちゃんと燃えるべくして燃えたと言えるでしょうね。
マウス・キーボード操作に問題
内容の前にまず触れておきたいことが。
Steam版だとキーボードマウス操作に難がありました。1,2作目だとダンガンを撃ち込むのに左クリックだったのに、謎に右クリックへと変わっていました。ゲーム性は大きく変わらないのにこの変化には戸惑いました。
さらに時々キーボードマウスボタンを押しても数秒間反応しないことがありました。これは条件不明でしたが、しょっちゅう発生し、アクション性の高い学級裁判中に出たときなんかは最悪でした。どうやらこれはキーボードマウス操作時のみの不具合らしく、コントローラーを使えば大丈夫だそうですが、1,2作目と問題なかったのに、急に発生した問題だったので、正直言って、わりと早い段階からV3には反感を抱いてしまいました。
演出は超強化
不具合を誘発するのは、演出がさらに強化されたこともあるかと思います。1→2のときも進化を感じましたが、本作は数段飛びに進化したと思います。顕著に感じたのが学級裁判のノンストップ議論です。文字の表示の仕方のバリエーションが格段に増えていて、それを妨げるノイズとのコンビネーションは、シューティングゲームのような芸術性の高さを感じました。
他にも、最初の脱出ゲームだったり、ゲームのキャラクターになるエピソードがあったり、魅せ方に関しては、シリーズ最高と言っていいと思います。
露悪趣味全開
前2作でもそうでしたが、今作は際立って露悪趣味が剥き出しだったように思います。奇をてらうとは違った、あえてのナンセンスというか、そういうのです。
無秩序、無差別、無作法で、気持ち悪さが仕上がりすぎでした。
オチについて
当時はプレイしなかったとはいえ、なぜ炎上しているかは伝え聞いていたため、核心部分についてはある程度推測がついたうえでのプレイでした。案の定、序盤からその推測を裏付けるような違和感ポイントがあり、最後の学級裁判でその事実が明らかになったときも特別驚きはありませんでした。
正直言って冷める展開でしたが、予想はついてたし、「まあええか」くらいの気持ちで進めていきました。しかし問題はそこからだったのです。
深掘ること深掘ること。
軽くワンタッチくらいなら反則とはいえ許容できる範囲でしたが、とことんそっち方面に舵を切られたらもう許せないですね。「やらかした」と聞くと一歩踏み外しただけのことのように思えるので、適切に言い換えると、本作は「やらかして、やらかして、やらかして、やらかした」作品となっています。1回ならともかく、2回目3回目はもうアウトで、4回目に至っては笑えない喜劇です。
プレイ中はなんとか理解しようとがんばりました。ただの感情移入ではなく、本当のキャラクターだったらどうなんだろう、みたいなことも考えました。しかしダメでした。エピローグのエピローグのような段階では、もう何も頭に入ってこなかったです。
シリーズが終わった寂しさ、それも盛大な砕け散った終わり方、なんとも言えない虚無感、お金を払って俺は何をしたんだろうという後悔まで。シリーズ最終作でこんな絶望を残すなんて最低です。
- 魅せ方はこれまでのシリーズでナンバーワン
- 推理パートもクオリティを維持している
- ある意味、伝説的な終わり方
- アクションが難しくなっている
- 後味最悪
振り返ってみる
振り返ってみると、1番楽しめたのは1作目でしたね。顔見知りが殺されていく衝撃、自分も殺されるかもしれないという恐怖、反抗しようにもモノクマに生殺与奪を握られている絶望感。予測不可能なデスゲームの現場にいるんだという感覚が1番強かったです。ゲームなんだけどゲーム感がないほど没頭できました。
そう思うと2作目がある意味、元凶だったかもしれません。テンプレート化したわけですから。超高校級の個性が強いキャラクターが集まり、裁判が終われば新エリアが解放され、最後は首謀者が明らかになる。最後はなんとなく前向きな感じで終わっていく。キャラクターも推理パートもとてもよく出来ていた2作目でしたが、緊張感、臨場感といった面では1作目ほどではありませんでした。
3作目にもなると、もう最初から予想がつくわけです。どうせすぐに殺し合いが始まるんだとか、主人公が死ぬことはないとか、首謀者の意図は後々明らかになるんだとか。いちいち「クソー」みたいな顔をキャラクターが見せても、「前も見た」から何一つ響かないわけです。ゲーム性が向上していっても、話的にはリアリティからどんどん遠ざかっていって「茶番感」が出るのはもうこれは仕方ないことだったと思います。
まさか自分から茶番をぶち壊しにくるとは思いませんでしたが、こういうなんでもあり感も含めてダンガンロンパという感じも今はしています。初めての作品でこういうのをやるのはともかく、人気シリーズでこんなことをやるのは本当にすごいです。
今あらためて思うのは、当時V3を避けて本当に良かったということです。多感な時期にこんなのをやってしまったら、スーパーアンチ化待ったなしだったと思います。自分と同様にV3を避けている人がいたら、「消化する」くらいのモチベーションで始めるのが、1番ちょうどいいのかもしれません。
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