作品名 | BIOHAZARD RE:3 |
開発 | CAPCOM |
リリース日 | 2020年4月3日 |
ジャンル | サバイバルホラー、TPS |
価格 | 3,990円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam、Windows) XboxONE/X/S、PS4、PS5 |
日本語 | 対応 |
インストールサイズ | 22.69GB |
プレイ時間 | 約6時間半 |
1999年発売のPSソフト『バイオハザード3 LAST ESCAPE』のリメイク版。
時系列としては、RE:2の直前~その後の話で、舞台も同じラクーンシティ。主人公はバイオハザード事件を捜査するジルと、事態を引き起こしたアンブレラ社傭兵部隊所属のカルロス。
プレイ時間:クリアまで約6時間半(実時間)。RE:2では主人公2人のそれぞれ表裏ストーリーの全4編から構成されていましたが、本作メインストーリーは1編のみ。Aランク取得に2時間という話ですから、尺は前作より大分短いですね。一部の箇所(病院とラスボス)で少々苦戦しましたが、全体的にはスムーズに攻略することができました。
クリア後特典:クリア後にはショップが解放されます。ここでは、レコードと呼ばれるプレイ中に達成できるミッションをクリアすることで得られるポイントを使って、本編に持ち込める無限武器などを購入できます。RE:2では、Sランククリアなど難しい条件を満たさなければ入手できなかった無限武器が、本作では誰もコツコツとポイントを稼ぐことで手に入るようになりました。これは自分のようなプレイが下手なプレイヤーにはありがたい仕様。
感想:全体的にあっさり仕立て
前作RE:2と比較して、全体的に簡単になった分、体験としても薄味になりましたね。ゾンビは回避できるし、謎解きもほぼない、ストーリーも1本だけ。
回避アクションの追加:前作との最大の違いは、なんといっても回避アクションでしょう。近距離からのゾンビの突進であっても、タイミング良く発動できれば完全回避することができます。他のゲームでいうパリィのような使い勝手ですね。個人的には、RE:2でのもっさりアクションが気になっていたので、かなり嬉しい追加要素でした。特に変化を感じたのは、RE:2でもあった追跡者から追われるシチュエーション。RE:2では狭い通路を塞ぐ壁のような存在でしたが、本作では行き止まりに追いやられても大丈夫なので、心理的余裕がありました。
サバイバルホラー感の喪失:ただ一方で、ゾンビを回避しやすくなったことで、ゾンビから感じる脅威、恐怖は大幅に減少しました。
RE:2では、同じ場所を何度も通る必要があり、通路も狭くて回避できないので、積極的に敵を倒していく必要がありました。加えて弾数が非常にシビアというバランス。いつも困窮していて、不安感、ホラーサバイバル感の強い作品でした。
それが本作では、マップの同じ場所を往復する頻度が減り、1度回避すればその場所は基本的に安全です。そのため、道中敵を倒すことで後々楽になるようなメリットが減り、戦う意義自体がなくなりました。さらに、ナイフの耐久値が無限になったことで、転んだ敵への追撃や死んだふりをする敵の確認がより気軽にできるようになり、弾を節約できる選択肢が増えたことも大きいです。
その結果が、「敵の攻撃は回避できるし、弾は余る」という状況。あの急き立てられるようなドキドキ感強い演出もなぜかなくなり、システム的にも演出的にも、ゾンビがまったく怖くないという作品になってしまいました。
クリアしやすくなったけれども…前作のインパクトを知る者としては非常に物足りなく感じてしまいますね。
謎解きはほぼない:パズル的な要素はごくわずかで、謎解きはほとんどなくなりました。RE:2では、鍵やバッジなど多くのキーアイテムがあり、それも入手と利用法に頭を捻り、ようやっと使用法がわかっても、使用するのは反対側で、しかも道中に新たな敵が出現…みたいに、探索から実際の使用まで相当苦労した覚えがあります。
しかし、RE:3では真っ直ぐプレイしているだけですぐにキーアイテムが見つかり、その利用用途も前作と同じかそれ以下。マップの探索も片道の場合がほとんどであり、謎解きもないのですから、マップの攻略しがいがなく、全体的に淡白に、つまらないステージになりました。
ストーリーは普通:RE:2では、ラクーンシティとアンブレラ社の癒着が段階的に描かれていました。本作では、その関係性を前提に、陰謀の証拠集めとバイオハザードの収束が目的の、それぞれ立場の違うジルとカルロスの活躍が描かれています。スケール感は前作を上回っていたものの、前作でいうレオンとエイダ、クレアとシェリーのようなお互いに刺激し合うような深みのある人間ドラマは見られず、終始リアクション芸で駆け抜けた印象です。そもそもジルとカルロス同士の関係性もバディというには、それを保障するエピソードに欠けていましたし、なんか浅いなと。
印象的なシーン:クリアしてから振り返ってみると、苦労した箇所が1番記憶に残ってますね。まず、病院のあの敵。即死攻撃はズルいって。タイミングがわからなすぎてだいぶ苦戦しましたね…。最後は諦めて、逃げ回りながら戦うという原始的手法で。
カルロスの籠城戦もなかなか大変でした。次から次へと敵が湧いてきて、潤沢な弾と回避アクションが輝く、これぞRE:3といった感じのシューターステージ。何度もゲームオーバーを繰り返しましたが、新鮮でなかなか楽しかったです。
1番時間がかかったのが最後のラスボスギミックですかねー。「時間かかるし、つまらんな~これ」とか思いながら、敵を抑えずちょっとずつ進めてました。撃破後に弾薬が落ちているのに気付き、クリア後に攻略サイトを見て唖然…そりゃそうだ、なんて無駄な時間を…。
総評:RE:2から1枚落ちるけど良作
自分が前作で気になったところは大体修正されているな~という感じでした。
総じて難易度が低下し、かなりプレイしやすくなっています。
しかし一方で、やりごたえやホラーサバイバル特有のドキドキ感が低下し、初見攻略時のインパクトや面白さのピークは前作より明確に劣りますね。なんというか、マイルドすぎてこの作品ならでは!のフックが少ないというか、独自性に欠けているように思います。でもまあ、駄作というわけではなく、普通に面白かったです。前作のクオリティを期待しすぎるとアレ?って感じかな。
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