スレッタと母親
プロスペラのヘッドギアはやはりただの飾りだった。顔こんなだっけはともかく、スレッタがガンダムのことを知らなかったのは意外だった。復讐のことを意図的に隠されているとしたら、知らぬ間に駒にされている可能性が高いわけで、ミオリネとデリング、グエルとヴィムの関係性とまったく同じ状態である。つまり利用する親と利用される子供という構図。やはりスレッタと母も対立する方向に向かっていると思う。
笑い話的にミオリネとの結婚が真実味を増してきているのだけど、スレッタが従順すぎて逆に怖くなってきた。それこそ母親の教育でわざとこういう扱い易い人間になった可能性が。ミオリネに耐えろと言われてつぶやき続けるのも自己催眠のようで怖かった。
決闘委員会とバカにされるグエル
決闘前に決闘委員会に呼び出されたスレッタの前には御三家メンバー。決闘の立会には御三家ほどのパワーが必要ということかもしれないが、御三家は御三家で仲がいいのかなとも思った。
グエルは一般生徒からバカにされててかわいそう。この作品テンポが良いのはモブがクリティカルヒット放つからだよね。無駄玉がないというか。
笑われるグエルに「逃げない人を笑うのは駄目なんです」とかばうスレッタ。でまた「逃げたら1つ、進めば2つ」と。進めば得られるものが多いという意味だった。2度目だなこのセリフ。いよいよ意味ありげだ。
グエルのプライド
決闘は「勝てば正義」で、あとは何をやってもいいという攻略法があり、グエルを勝たせようと父親のヴィムが暗躍していた。
新機体ダリルバルデもそのお膳立ての1つで、意思拡張AIを搭載したそれはパイロットの存在を無視した自律行動マシンだった。グエルはプライドを傷つけられたと感じ、親への反抗心が高まる。
結局自動操縦機構が壊れたことで生身の対決となったが、スレッタが上手で、グエルは敗北。
エアリアル廃棄だスレッタ退学だといった話はなくなり、グエルもスレッタを認めた…と思ったら「結婚してくれ」といったところでおしまい。
その他気付いたこと
OPの「の」
OPの「の」に注目したら、スレッタとミオリネのつなぐ線のようにみえた。つながり、絆を表しているのかな。あるいは親と子、母胎の象徴みたいな。
ヴィムとプロスペラ
ヴィムとプロスペラはもっと深い関係になるかと思ったが、1回限りの関係で終わりそう。対等なパートナー関係ではなくてプロスペラが脅迫していただけみたいだ。プロスペラはヴィムが総裁暗殺を企てていたことを知っていた。プロスペラには独自の情報源がある。ぱっと思い浮かんだのはミオリネの脱出の手助けしてたおばさんだけど、わからんな。シンプルに盗聴かも。
感想
「結婚してくれ」ときたもんだ。
案の定、グエルは態度を軟化させたが、ここまで軟化させるとは! リアルで声が出た。「親の言うことを聞いていればいい」のところで、やはり水星の魔女は親からの自律の物語だと確信した。じゃないとミオリネとデリングのやり取りの焼き直しになるからね。あえて同じようなことを描くのは、親との軋轢が一個人の問題ではなく、作品全体のテーマだから。
「自律」というと、今回新登場したMSダリルバルデ。意識拡張AIなるものが搭載されていて、自動操縦、自律行動していたね。プロローグのルブリスと同じだ。ただ、今回のダリルバルデのAIは人間なら気付けたフェイクに引っかかっていたのでまだ未完成品のようだった。うーんシンギュラリティの話になっていきそうな予感もしてきた。
今回1番印象に残ったのは「結婚してくれ」だけど、ミオリネとスレッタの掛け合いもすごい引っかかった。冒頭にも書いたけど、従順すぎる違和感というかね。権謀術数入り交じる世界で、1人だけ純粋すぎるんだよな。ここから母とミオリネの綱引きが起こるのかも。
「自律」というのが作品のテーマとして、明確になってきた気がする。今回も面白かったです。
コメント