新作発表もされたレジェント級名作『428 〜封鎖された渋谷で〜』の初プレイ感想

4.5
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ADVといったらこれ!、ってくらいド定番タイトル。

実はこれまで一度もプレイしたことがありませんでした。

リリースが2008年というかなりレトロな作品ですが、同監督&脚本家による同系統の新作『シブヤスクランブルストーリーズ』のニュースを見て、

プレイするなら今しかない!」と今更ながら初プレイ!

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作品概要

作品名428 〜封鎖された渋谷で〜
開発Spike Chunsoft
リリース日2008年12月4日(Wii)
2018年9月6日(Steam
ジャンルアドベンチャー、サウンドノベル、ビジュアルノベル、実写
価格3,960円(Steam
対応プラットフォームPC(Steam)
Wii
PS3/PSP
iOS/Android
PS4
日本語対応あり
インストールサイズ約13.5GB
Steam評価非常に好評(87%)
プレイ時間約16時間~(真エンド+ボーナスシナリオプレイ中)
Q
どんなゲーム?
A

実写で描かれるサウンドノベル! 複数の主人公がそれぞれの選択によって互いに影響を与え合う緻密なタイムチャートが特徴的。

スパイク・チュンソフト(チュンソフト)のサウンドノベルシリーズに連なる作品で、『弟切草』や『かまいたちの夜』、『街 〜運命の交差点〜』といった名作の系譜。画面いっぱいに文章が表示される、読むゲームの王道スタイル。

舞台は、タイトルにもあるように渋谷

同じ時間軸を共有する複数の主人公の物語で構成されており、それぞれのシナリオの選択肢によって互いの運命が大きく変わる因果関係の妙が魅力の群像劇となっています。

気まぐれで起こした行動が別の主人公を救うこともあれば、逆に地獄に突き落としてしまうことも……。

また、なんといっても特筆すべきは、背景やイベントシーンに「実写」で作られていること。単なる奇抜さではなく、実写ならではの強みを活かした演出も見どころです。

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感想:総合演出がすごい!

最近はまとまった時間が取れず、毎日少しずつのプレイでした。「途中で飽きないかな」と不安もあったのですが、なんだかんだ真エンドまで到達。全エンド回収はまだですが、ここ2週間ずっと同じゲームを続けていたので、今回はここで一区切り。

一言で、普通に面白かったー。そして何よりも全体の作り込みが本当にすごかった! 派手さや尖った要素というよりも、細部まで手を抜かないクリエイターの愛と情熱を感じられる作品でしたね。

どっしりとしたサスペンスというよりは、コメディタッチで軽妙なやり取りが中心なので、肩の力を抜いてリラックスして楽しめるのも良かったです。

実写ならではの迫力

プレイ前は正直、

「ノベルゲームの画像なんて挿絵程度のものだろう…」

「それが実写になったところで別に…」

「実写?ふーん、ユニークだね」

くらいに思っていました。

が、実際にプレイするとその印象は一変。実写の威力は想像以上。

まず、単純に素材の量が膨大。

仮にこれが実写ではなく絵だったとしても、「ここまでやるのか」と思うレベルで、表情差分、同じ場面での構図の多彩さたるや。

さらに驚くのは、小道具のチラシや携帯の通話時間といった細部まで徹底的に作り込まれている点。当時はAIもないですからね。すべて手作業で撮影していると思うと、手間のかかりように驚かされます。

しかも、その静止画をペタペタと並べているだけではなく、画像を連続させてパラパラ漫画のように動かしたり、要所では登場人物が動いている実写ムービーまであります。もう本当に、TVドラマや舞台を見ているような感覚で事件をリアルで追っているという臨場感がありました。

ストーリーとテンポ

基本的には全キャラが同じ時間を1時間刻みで少しずつ進んでいくシステムなので、各キャラの進行が一気に長くならず、テンポ良く遊べます。文章を読むのが苦手な人や、まとまった時間が取りにくい人にはありがたい仕様。そんな中でも、毎時間ごとに山場があるので、少しのプレイ時間でも楽しめるポイント多数なのが嬉しいところ。

で、ストーリーについてですが、全体的にコメディタッチの作品ということもあり、プレイ後の印象は「とにかく笑える作品だった」という感じが強いです。

大沢が自省するシーンなんかは結構ジーンと来ましたし、命がけのシリアスシーンもありましたが、基本は勢い重視で後味もスッキリ。心にずっしり残るというより、最後まで楽しく読めるエンタメ作品という感じ。

脇役もいい味を出していて、タマ編の柳下の顔芸、大沢編で独特なリズムを持つ梶原、御法川編で出てくるタクドラ君塚の頼もしさなど、ネタキャラいっぱいでみんな好き。彼らが登場するだけで「お、来たぞ!」ってテンション上がってました。

収束のカタルシス

本作の肝でもあるクロスオーバーの仕掛けは、最初は「左行くか、右行くか」みたいなちょっとしたすれ違いが多く、正直ちょっと運ゲーっぽいです。ゲーム攻略的には、結構難しいというか、暗闇を歩いているようなもどかしさがありました。

それが、話が進むにつれ、それぞれのドラマが一つに収束していき、キャラクターたちの動きが次第に噛み合ってくるんですよね。思惑や立場の違う人たちが協調し始めることで、「誰が、どこで、何をすべきか」が自然と明確になってきます。

するとどうなるかというと、選択肢の運要素が減り、ゲームとしてだんだん簡単になっていくんですね。人と人が歩み寄り、力を合わせることでこんなにもスムーズにいくのか!、というある種の人間讃歌のような空気感があり、終盤はその協調が生む爽快感がたまらなくカタルシスでした。

単純っちゃ単純なんだけど、こういうノリ、好き。

最後の真エンドへのルートは、ノーヒントだったため少し手間取ったものの、全体のボリュームや難易度はちょうどよく、最後まで気持ちよく遊べました。

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総評:舞台裏が気になるタイプの人に刺さるかも

プレイ後の率直な気持ちは、「うわぁ!名作だぁ!」というよりかは、「うんうん良い作品だなぁ」といった感じ。大きな感動はなかったけれども、好きな作品だな~と。

個人的には物語の展開そのものより、制作の裏側に思いが向くことが多い作品でした。

たとえば、部屋が荒れたシーンや小物が散らばる演出を見ながら、

「これ、会議室とか借りて撮ってるのかな?」

「この小道具、スタッフがどこかで調達してきたんだろうな……」

とかつい考えてしまうんですよね。

でも、こういう細かいこだわりや舞台裏を感じられるのも、実写作品ならではの魅力。

だからといってゲームではなく、実写映像でやってしまうと、それはそれで退屈になっていたと思います。選択肢だったり、文章が表示される速度、それに合わせた音楽、効果音、その他もろもろの「ゲームっぽい演出」を巧みに挟んでいるからこそ、視覚的にも体験的にも楽しい作品に仕上がっているのでしょう。

オススメです~。

同監督&脚本家による新作『シブヤスクランブルストーリーズ』も楽しみですね!

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