兄を救う弟の物語

作品名 | RUINER(ルイナー) |
開発 | Reikon Games(ポーランド/ワルシャワ) |
リリース日 | 2017年9月26日 |
ジャンル | シューティング、アクション、サイバーパンク |
価格 | 2,300円(Steam) |
対応プラットフォーム | PC(Steam) |
日本語対応 | あり |
インストールサイズ | 約10.1GB |
Steam評価 | 非常に好評(89%) |
プレイ時間 | 約5時間 |
- Qどんなゲーム?
- A
サイバーパンク世界の疾走感あふれる見下ろし高速シューティング

ストーリー:サイバーパンクの未来都市を舞台に、目まぐるしく展開するトップダウン視点の高速シューティングアクション。プレイヤーは脳をハックされた「弟」となり、謎に満ちた女ハッカーの助言を頼りに、誘拐された「兄」を救出すべく命がけの戦いに挑む…。
「右に移動しながら、左を向いて撃つ」

ジャンルでいうと、
を同時に行う、いわゆるツインスティックシューティングで、ゲームテンポは早め。
わりと小忙しいタイプのゲームですね。
ステージ構成と武器
各ステージは部屋ごとに区切られた一方通行の作りとなっており、敵の攻撃をダッシュやバリアでかわしながら、カタナと銃を駆使して戦います。
武器は、無限弾数の初期武器と、ステージ上に配置された有限武器の2種類。
初期武器 | 拾った武器 |
---|---|
弾数無限 | 弾数有限 |
そこそこ強い | かなり強い |
どんどん倒してどんどん拾って武器を入れ替えながら戦っていくのが基本。弾切れして次の武器を拾うまでのスキマに初期武器を使う感じですね。
とはいえ、初期武器自体の性能もそんなに悪くなく、単体でも全然戦えます。
昼飯におにぎりかラーメンかくらいの違い。

敵を倒してレベルアップすることでスキルポイントが獲得でき、これを使ってスローモーション、バリア、回復、爆弾などさまざまな追加アクションスキルを習得できます。
なお、スキルはいつでも再割り振り可能。多彩な戦闘スタイルをいつでも自由に。
プレイ時間と難易度

ストーリークリアまで難易度イージーで約5時間。最初はノーマルで始めたのですが、敵が硬すぎてストレスの方が上回ったので途中でイージーに落としました。
ノーマルは丁寧な立ち回りが求められますが、イージーはやや無理が通る感じです。どちらの場合もオートセーブによる素早いリスタートが可能なので、クリア不可能になることはないと思います。個人的には、ほぼ初見突破できるイージーの方が気楽で自分に合ってました。
感想:シューティング以外が素晴らしい

いろいろ込みで、プレイしてよかったと思ってます。満足感も大きめ。
ただ、手放しにオススメできるかというと、そうでもなく、プレイヤー側の歩み寄りや理解が求められる作品かなぁと。
点滅激しめの画面

オススメしづらい最大の理由が「視覚的負担が大きすぎる!」こと。
光の点滅や激しいエフェクトが多用され、画面全体がチカチカと点滅し、目への負担が高いんですよね。アクションステージ自体が暗めに演出されているので、光る演出との落差が凶悪。「うわあ!」とリアルでやられる感覚が、逆に没入感を高めてくれる面があるかもですが、フィジカル的に疲れるってのは結構なデメリットかと。
シューティングゲームとしては平凡

シューティングとしてのアクション自体の面白さも、正直に言えば微妙でした。武器の種類の豊富さはグッド。ただ、肝心のバランスがAIMゲーとも回避ゲーとも無双ゲーとも言えない中途半端さで、やりこみどころというか、どこに楽しみを見出せばいいかわからなかったです。
それ以上にフィールドの狭さや画面が暗く壁などの障害物が見にくいといったストレス要素がとにかく気になりましたね。
このシューティングとしての平凡さと画面チカチカの問題から、プレイ開始から最初の1時間でモチベ的にしんどくなり、「やめようか」と本気で悩むほどでした。
それ以外が「なんかすごい」

それにもかかわらず、プレイを続けられたのは、その最初の短いプレイ時間の中にも「なんかすごいな」と感じさせる要素がいっぱいあったから。このゲーム、シューティングがプレイ時間の大部分を占めるのですが、それ以外の部分の魅力が際立ちすぎです。

たとえば、拠点となる都市は「これぞサイバーパンク」といった町並みで、広々とした空間に世界観を反映した住民たちの会話が流れてきて、散策するだけでも楽しめるなかなか凝った空間となっています。そんな素敵空間に訪れるのはなんと数回だけ。

そこからバイクで摩天楼を横目に暴走する演出が大好きで、スピード感とライトの陰影がとてもクール。これも2,3回だけのレア演出。
本作はそういう細部にこだわりを持った作品なのです。
振り切ったキャラと意外性あるストーリー
キャラはヤバい意味で振り切れていて、独自の個性が爆発している感じ。テキストの分量自体は少なめながら情報がぎゅっと詰まっており、戦闘前の演出や立ち絵との相乗作用もあって、1回限りのセミボス的な相手でさえも存在感があります。

中でもお気に入りはメインストーリーにも絡む謎の女ハッカー。語尾に顔文字をくっつけて喋るのがユニークで、顔文字のバリエーションも豊富なのも面白かったですね。
こんな殺伐とした世界の中に「(^o^)」なんてナンセンスすぎて最高。

ストーリー展開もクライマックスに一気に盛り上がる仕掛けがあり、プレイ後の余韻も爽やか。
ストーリー中で特に印象に残ったのは、脳ハックした敵ボスを利用して強引に突破するシーン。身体と脳の分離が可能な世界で、脳だけ操作して身体を……という結構グロいシーンなのだけど、「それを可能にする技術」「許容する倫理観」「映像としての衝撃」が同時に押し寄せて、ただただ圧倒されて見入ってしまいました。別にグロいのが良かったわけではなくて、こんな壮絶なシーンをサラッと描くところに凄みを感じましたね。並の作品じゃないなと。
音楽:平沢進
ビジュアル面ではところどころ現れる謎の日本語がいい味。「霊魂ゲームズ」というデベロッパー名からも、なんとなく身近な感じがして応援したくなりますね。ポーランド拠点っぽいけども。そういえばサイバーパンク2077もポーランドだったな。
エンドロールでは日本語ボイスが聞こえてきて、なんだなんだと思っていたら「平沢進」と流れてビックリ。最後の最後まで本当にこだわりを持って作られた作品なんだなぁと。
総評:最初は「イージー」で、演出に集中を

シューティングとしての面白さ自体は抜群というわけではなく、視覚的な負担も大きい。
それでも!
と強く続きを語りたくなるところに本作の魅力があると思います。間違いなく他の作品とは一線を画すユニークさを持った作品。
これから始める人は最初は難易度イージーでのプレイを推奨。シューティング面の厳しさを緩和することで、ストレスなく演出やストーリー、世界観に没入することができると思います。ストーリー自体の尺はそこまでではないので、シューティングとして極めるのは余裕ができてからでも。
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