【MORDHAU感想】中世騎士の剣戟アクション!Chivalry、M&Bの正当進化。紙一重のギリギリ感がたまらない。

4.0
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MORDHAUはモルダウと読むのが一般的です。

本作は、Chivalry: Medieval Warfare(通称:千葉)のDiscordサーバーを起点に開発されました。ゲーム性はその改良版みたいなもので、Mount&Bladeにも影響を受けているようですので、これらのゲームをプレイした事がある人なら、すんなりと入っていける作品だと思います。

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中世のバトルフィールド

一言でいうと、中世が舞台の多人数剣戟バトルです。弓や爆弾なんかもありますが、基本的には剣と剣の戦いで、バチンバチンと打ち合いながら陣取り合戦する感じです。

多人数が殺し合うシリアスな舞台でありながら、集団でワーワーはしゃいでいる感じが、体育の時間のサッカーのようで、どこかアホっぽい気の抜けた雰囲気があります。お祭りゲーとか、バカゲーとか、そう評するレビューが多いのもわかります。なかでも、中世のバトルフィールドと評したSteamレビュアーは天才ですね。プレイ感覚としてBFにとても近いです。

バトルロワイヤル物としては、リスポーンが早いのがいいですね。リスポーン地点から最前線までは時間はかかりますが、リトライ時間がない分、気を抜く瞬間がないので、あっという間に時間が溶けます。

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M&BのPvP鯖みたいな感じ

中世という世界観、独特な剣を振る操作、パリィとフェイントが肝という読み合い要素。そのどれもがMount&BladeのPvP鯖にそっくりです。よりフェアに、グラフィックも向上させたら、そりゃ面白いよなというのが率直な感想です。

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フレンドリーファイア多発!

弓や爆弾があるといっても、大部分は剣と剣の戦いなので、密集&密着なんですよ。そんなゲームにもかかわらず、フレンドリーファイアがあります。しかも発生率はめちゃくちゃ高いです。というか、日常。しょっちゅう食らうしこっちも当てちゃう。

フレンドリーファイアの原因
  • 密集しすぎ
  • 剣の操作が難しい
  • 敵と味方の判別が難しい

剣の操作が難しい

マウスで剣の振り方を操作できるのですが、繊細な動きなのでしょっちゅう誤爆します。たとえば、右から剣を振りたいのに左から振ったり、垂直斬りしたいのに水平斬りになっちゃったり。そのため、味方がいるのを分かっていても味方を斬ってしまいがちです。

剣を振り始めるとキャンセルが難しいというのありますね。フェイントやガードでキャンセルできるのですが、フェイントは受付時間が短く、ガード(パリィ)にはクールタイムがあるので、味方だ!止まれー!と思っても間に合わないことが多いです。

そういうとき自分の場合は、味方のいない方向に視線を移動させたり、地面斬ったりしてました。ある意味、凶器を振り回す怖さを知れますね。

敵と味方の判別が難しい

冗談抜きで、味方同士で争っている光景をよく見ます。誤爆とか荒らしとかではないと思うんですよ。マジでわからなくて戦ってる。2,3発打ち込んで、あぁ違うと去っていく。幸い、フレンドリーファイアにはダメージ補正がかかるので致命傷にはならないんですが、10%削られるだけでも痛いですからね。

その原因として、視認性が悪いというのがありますね。赤と青陣営に別れていて、防具が陣営の色に染色されるのですが、全身真っ赤ーとかなら分かりやすいのですが、下だけ赤とか、ワンポイント的な配色が多いので困惑します。暗いマップだと特に分かりづらいです。フレンドリーファイアが多いので建物内での戦いは嫌いです。

どっち?どっち?と近づいていった先が味方でホッとしたり、味方でもすれ違う瞬間ガードしたり、疑心暗鬼がひどいゲームです。

「H」で味方にマークをつけることができます。

パリィにクールタイム

本作の剣戟システムですが、つまるところパリィとフェイント合戦です。

パリィとは受け流しのことで、敵の剣を払い除ける動きです。敵の攻撃速度が遅く判定も広いため、本作のパリィはとても簡単です。さらにパリィから即座に反撃に移る動きもありますので、まさに攻守の要ともいえるシステムです。

ただし、このパリィにはクールタイムがあります。そこで、フェイントで相手のパリィを引き出し、クールタイム中(パリィを出せない状態)に攻撃をする戦法が用いられます。

この駆け引きはチュートリアルで教わるものですが、実際の戦場ではあまり見かけませんでした。初心者が多い時期というのもありますが、純粋なる1:1の場面が少ないというのもあります。だからこそ、たまにやられるフェイントは効果抜群であり、やられた感、してやった感が大きいです。

リアクションが面白い

屋根の上の吟遊詩人

基本的にコミュニケーションは不要なゲームですが、非言語コミュニケーションが楽しいです。

自分が体験したのでいうと、間違って味方を斬ったフレンドリーファイア時、「え?」って感じに振り返ってきたので、視点上下に動かして「ごめんなさいごめんなさい」みたいなムーブをしたら、それを見た相手がウンウンうなずく…みたいな。

他にも僻地で相手と会って、お互いしゃがみ連打で気まずいままどちらも去っていく…みたいな。

こうしたユーモアがあると面白いですよね。

1:1はガチでも、それ以外の部分はけっこうゆるいゲームだと思います。チームの勝敗は二の次で、個人スタッツ至上主義の人が多い印象です。「やらかし」とか「死にすぎ」とか気にする人はいないので、初心者の方にドンドン参入してもらいたいですねー。

マジの上級者は異次元

Steamのレビューでは、上級者向けのバランス調整で初心者には難しいとありますが、それは事実です。もともと独特な操作感で慣れが必要なうえに、駆け引きの要素もあるので、正面からの殴り合いでは初心者はまず勝てません。

といっても、囲めば大丈夫でしょ!と最初の方は思ってましたが、マジの上級者は囲まれても強かったので考えを改めました。

50キル以上の無双しているプレイヤーと実際に対峙すると、どうしようもない実力の差を感じました。3人で囲ってもまったく攻撃が当たらない。フェイントがうまい。距離感絶妙。ミスもしない。こちらに注目が向いたときは絶望しかないです。

過疎化してランクマッチが機能しなくなると、こんな相手とばかり戦うことになるんでしょうかね……と思うとガックリきますね。Steamは実際に過疎ってそんな状態になったために、萎えた初心者が多かったのかもしれません。彼らはもはや初心者狩りとかいうレベルじゃないですもん。

155キル。ここまで来ると味方でもドン引き

ただし、これは極一部のトッププレイヤーの話で、大部分はどんぐりの背比べというのが、数時間遊んだ体感です。全く無理!って相手はそんないないです。

相手の死角に入ったり背後を取るのもわりかし簡単で、正面から殴り合わなくても、相手の側面や背後から攻撃することを心がければ、初心者でもキルを連続で取ることは可能です。

純粋なプレイヤースキルも必要だが、位置取りを工夫すれば初心者でも戦える

一方的な展開になりがち

敵も味方も入り混じった乱戦で、フレンドリーファイア上等なくらいカオスなのが面白いところであり、フェアなところでもあります。1:1を横から加勢する自分と、それを背後で追いかける敵、それを追いかける味方みたいな。完全に鬼ごっこです。

しかし、リスポーン地点まで押し込まれると、行動範囲が狭まることでカオス成分が薄まります。なぜなら、背後をケアしなくて良くなるのと、出口が限られているので敵の行動を予測しやすくなるからです。

こうなるとシンプルな実力勝負になりがちで、先に押し込まれたほうが実力的に劣るのは間違いなく、そこで試合がほぼ決定的になります。さらに敵陣前という「ゴール」に着いたことで、味方同士合流し、集まった味方vsリスポーンした敵1人という状況になりやすく、より敵を倒しやすくなっているオマケ付きです。

序盤でリスポーン前までいくと、その試合のスタッツはひどいものになります。上級者なら跳ね返せるかもしれませんが、そうでない野良プレイヤー同士でこの包囲を抜け出すのは至難です。

そもそもeスポーツ映えしそうな競った試合自体あんまりなかったです。モルダウは個人競技ですね。

感想

めちゃくちゃハマってます。やはりM&Bと操作感が同じで取っ付き易かったという事情もありましたが、没入感が段違いですね。グラフィックはやはり重要。

本当に危機的な状況に置かれていると感じれば感じるほど、脳が生命の危機を感じ取り、アドレナリンが分泌されているのを自覚できます。手に汗握るとかいうレベルではなく、瞳孔が開いて全身が沸き立つ異常な興奮感を味わうこともありました。

疲労はありますが、この感覚にハマる人はハマるでしょうね。充実感がより大きく、自分が自分でない感覚、あるいは自分を超えた感覚を味わえるからです。

お気に入りキャラ

デフォルトのキャラを一通り遊んでみましたが、騎士がお気に入りです。

大剣のリーチと一撃のデカさにロマンがあります。もっさりとしたゲームで、さらに重装備+大剣という組み合わせなので、まあ遅い。当たらない。だからこそ当たったときの見返りが大きく、挑戦しがいのある兵種です。

絶望的に小回りがきかないので、懐に入られるとかなり厳しく、最初の頃は剣も振れないままボコボコにされることが多かったです。今はだいぶ慣れましたが、にしてもそんなに強くないってのが本音ですね。実際自分が別の兵種で騎士を相手にすると、見極めが容易で、後出しで捲れたりするので、初期スキンということもあって、正直カモ…って思っちゃいます。

特殊能力の「軽傷」は死んでも5秒間気合で生きるというもので、最後の力を振り絞って敵に最後の一撃を食らわさんとする雄叫びがすごいです。武器を落としても拳で殴りかかるその気迫は、自分で操作しながらも、引いちゃうほど。何回もそれを繰り返すうちに、自分もだんだんと移入していって、自分が本当にバーサーカーになった気持ちを味わえます。

その他、槍使いや弓使いが使いやすかったです。

ChivalryやM&B好きは必見

Chivalry、Mount&Bladeといった過去のゲームから、良く言えば正当進化、悪く言えば変わりないです。自分はかなりポジティブに楽しめています。ガワが変わっても、面白いものは面白いんだなぁと。懐かしくもあり新鮮でもある。リフォームされた実家に帰ってきたみたいな奇妙な感覚。

一部のプレイヤーが無双プレイしていますが、それは別世界の話として、味方と一緒に行動することを心がければ初心者でも全然やっていけるゲームだと思います。そのうち鍛えられていって、多少無理しても大丈夫になるので。

あとは人口が減りすぎないことを祈るのみ…。

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