極寒都市の運営
Frostpunk(フロストパンク)は、11 bit studiosによって開発された2018年リリースの都市建設・サバイバル・ストラテジーゲーム。
急激な気温低下に見舞われた架空の世界で、ジェネレーターと呼ばれる暖房を頼りに住民の生存を守りつつ都市を発展させるのがプレイヤーの役目です。
2024年中に続編『Frostpunk2』がリリースされる予定です。
Epic版でのスクリーンショット方法
今回自分がプレイしたのはEpic版です。Epicはゲーム内でスクリーンショットを撮る機能がないため、代わりにWindows標準の画面スクリーンショット機能(Win+Prt)を利用します。しかしなぜか本作では通用しないようでした。
色々調べた結果、2つの方法がありました。
- Win+Gでゲームバーを開いてスクショ
- GeForce Experienceでスクショ
自分は後者のやり方で撮影しました。手順は以下の通りです。
- GeForce Experience起動
- ホーム→右上の歯車→全般→ゲーム内のオーバーレイをオンにする
- Alt+F1で撮影
撮影したスクリーンショットは、デフォルトではCドライブのビデオフォルダ内に保存されます。
日本語あり
日本語化するには、SETTINGSのLANGUAGEから日本語を選びます。翻訳のクオリティは悪くはないですが、一部わかりにくい表現がありました。
温度管理と道徳的葛藤
フロストパンクのゲームシステムは、中央に位置するジェネレーター(暖房)を中心に住宅や生産施設を建設していくオーソドックスな都市建設ゲームです。しかしその中に、極寒の地ならではの要素として温度管理システムがあります。
極寒の環境下では、夜を越すにも、安全に働くにも十分な暖かさが不可欠です。温度は中心のジェネレーターから遠ざかるほど低下し、寒波や嵐の到来によっても影響を受けます。施設の配置を工夫し、より高性能な暖房システムの研究や住宅のアップグレードを急がなければ、病気で動けなくなったり、凍傷にかかって手足を切断する人々が増加するでしょう。
また、都市には「不満」と「希望」というゲージが存在し、住民の要望に応えるかどうかで変動します。重要なのは、これらの要望は必ずしも受け入れなくても良いという点です。道徳的な同情を選ぶのも正解ですし、現実的な冷酷さも時には必要でしょう。
自分自身の決断が、コロニーや自分の心情にどのような影響をもたらすのか。プレイヤーは自然の脅威だけでなく、道徳的ジレンマにも立ち向かわなければならないのです。
感想:初見でのスリリングな体験は唯一無二
似たようなテイストの作品を「フロストパンクのような」といっても通用するくらいこのジャンルでは有名な作品で、前々からプレイしたいと思っていました。ただストアなどでレビューを読むと、何やらシビアそうな感じでプレイするには気合がいりそうだなと感じ、ずっと先延ばしにしていました。で、最近ようやっとモチベーションが高まったので思い切ってプレイに踏み切った次第ですが…まあ、素晴らしい作品ですね。
難しすぎない難易度
プレイ前はずっと心の障壁だった難易度についてですが、実際にプレイしてみると、簡単ではないけども難しすぎることもないくらいのバランスでした。
最初はもちろんボロボロでした。けれど、ダメで元々の心持ちで始めたので、その割には意外といけるなぁという手応えでした。もっとガンガン人が死んでいくのかと思いきや、結構生き残っているし、なーんだと。結局最初のプレイでは資源切れが致命的となって攻略失敗しましたが、その中でも生き残る手段が見え、思ったよりもイケそうだという気持ちになったことを覚えています。
それである程度コツを掴んだ2回目のプレイでは、ボロボロながらもクリアすることができ、ホッとすると同時にストラテジー的にはそこまで難しくはないのかな?という感想を持ちました。
本作は確かにシビアなバランスに基づいたハードな展開を売りにしたゲームで、レビューにも「犠牲」「切断」「強制労働」といった過激なワードが並び、犠牲を前提にしたロスト要素の強いストラテジーという印象を抱かせます。しかし完璧な管理は必要なく、初心者のめちゃくちゃなプレイでもクリアを目指せるくらいのレベルでした。
ストラテジーとしての難しさというよりもむしろ仕様面やゲーム仕掛けの理解が重要で、各ストーリーのタイムスケジュールも決まっているため、ある種記憶ゲーのようなところがあります。めちゃくちゃ簡単!というわけでありませんが、余裕を持ったプレイが可能で、事前知識があればもっとスムーズに攻略できるくらいの難易度調整ですね。高難易度ではどうかわかりませんが…。
壮絶なドラマ
本作はストラテジーゲームとしてだけでなく、極限体験シミュレーションとしても楽しめました。特に手探り状態だった最初の1、2回のプレイ、特にクライマックスは凄まじかったです。
人数で誤魔化していたコロニー運営は限界を迎え、寒さにも技術レベルで負け、もう為す術もないのに、さらに、さらに、と容赦ない追い打ちをかけてくる寒波に加えて、人間同士の争いも勃発。凍死、病死、処刑とこの世の地獄のような壮絶な展開の連続に、ストラテジーゲームということを忘れて見入ってしまいました。
やっと迎えたエンディングも喜びはなく、茫然自失といった感じで、壮絶な体験をしたという記憶だけが残りました。たかがゲームで、それもストラテジーで、こんなにも強烈で濃密で感動的な体験ができるとは…。これほど心が奪われた作品をプレイしたのは本当に久々でした。
良かった点、悪かった点
スリル的な意味でも演出的な意味でもクライマックスがピークであることは間違いないです。悪いニュースが次々と入り、音楽も急き立てるようなものへと変化し、自分が本当にコロニーの一員になったような臨場感を味わえました。
個人的にゲームとして楽しかったのはビーコンでの探索ができるようになってからの都市運営でした。ビーコンがあると探索ができ、資源を持ち帰ったり人を連れ帰ったりすることができるようになります。「研究」「制度」と合わせて数時間置きに新しい通知がくるので、テンポがよく新鮮味が途切れないゲームプレイを楽しめました。
ただし、この中盤~クライマックスという最高に楽しいところまでにたどり着くまでのガイドがやや不足しています。チュートリアルはあるのですが、資源や施設アップグレードといった初見プレイヤーにとってはクリティカルな情報が欠けています。初見への厳しさも難易度の一部と言えなくもないですが、そもそも仕様把握の問題はスタートラインの話だと思いますし、フェアじゃないなーと。
- 資源は有限
- ほぼ無限に資源を得られる施設がある
- 石炭の”ある施設”は石炭を生むだけで、それを回収する収集所×2が必要
- 上位施設は重ねて建築することでアップグレード可能
- 研究所は複数あるとスピードアップ
- 寒くなければ病人は出ない
- 蒸気ハブはジェネレーターと同じ出力(温暖レベル)
ビーコンからが本番
まとめると、めっちゃ楽しめました。難易度高めとはいえ、そこまでぶっ飛んだ難しさではなく、あまりこういうゲームに慣れていない自分でもなんとかなる範囲内でした。ただそこまでのガイドが不足しているので、ある程度プレイヤー側の歩み寄りというか、モチベはいるのかなと。
そしてなんといっても世界観とドラマ性ですよ。19世紀風の、けれど未来感もあるスチームパンクな世界観。迫力ある自然の脅威に晒されながら我慢できない民衆を宥め、生存圏を拡大していく過程にはリアリティがあります。多くを犠牲にしたクライマックスのスリリングな展開は感動的でした。ただのストラテジーゲームとは一線を画す独自の雰囲気があり、人気があるのも納得できるクオリティの作品でした。
コロニーシミュ、ストラテジー系、壮絶なドラマが好きな人におすすめです。仕様を把握するまでは大変かもしれませんが、その分満足感も大きい素晴らしい作品です!
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