数年前に話題になったゲームにいまさらビビる『ドキドキ文芸学部プラス!』の感想

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作品名Doki Doki Literature Club Plus!
(ドキドキ文芸学部プラス!)
開発Team Salvato
リリース日通常版:2017年9月22日
プラス:2021年7月1日
ジャンルビジュアルノベル、ホラー
価格通常版:無料(Steam
プラス:2,215円(Steam
対応プラットフォームPC(Steam、Epic)、
XboxOne|X|S、PS4|PS5、Switch
日本語対応(字幕のみ)
インストールサイズ約2.11GB
プレイ時間約5時間半

今更…って感じもしますが、Epicで配布されたのでプレイ。

ゲーム概要:もともと2017年に公開されたフリーゲームで、その衝撃的な展開から各所で話題になりました。今回プレイしたのは、家庭用ゲーム機用に調整され、いくつかのサイドストーリーなども追加された有料拡張版。

この作品は2017年のものですが、「yandere」や「地雷系」など、ライトに病みを楽しむ文化は今も昔も根強い人気がありますね。病んだキャラが持つ闇や過剰な破壊性には、自己の内面と通じるものがあり、一種の逃避として機能しているのかもしれません。しかし、エンタメとして楽しむにしても、適切な距離感が重要です。この作品の場合は、そのラインを超えているように感じられる部分もあり、精神的に不安を感じやすい人は注意が必要です。

Doki Doki Literature Club! on Steam
The Literature Club is full of cute girls! Will you write the way into their heart? This game is not suitable for childr...

オリジナル版は今でも無料でプレイできます(PCのみ)。

ダイアログボックスのサイズはオプションで変更可能(画像は最大サイズ)

日本語対応:日本の美少女ゲーム風のデザインですが、製作者は海外の人。スマブラのMODやマリオメーカーの改造などで知られている人だったそう。オリジナルは英語のみで有志による翻訳あり。有料版(プラス)はデフォルトで日本語化済み。

プレイ時間:クリア(真エンド)まで約5時間半。一文が短く文字表示速度も速いので、スラスラと読み進められます。初見でも1周するのにかかったのは2~3時間ほどだったと思います。自分の場合、そこから真エンドの探索に時間がかかりました(2時間以上?)。最終的には自力で見つけられず攻略サイトを参考にしてサクッとクリア。サイドストーリーはつまむ程度。

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ゲームシステムはオーソドックスなビジュアルノベル。画面下のダイアログボックス内の文章を「読むゲーム」ですね。

ヒロインがいて…わかりやすい選択肢があって…セーブ&ロードがあって…

表向きは平和な恋愛シミュレーション。

しかし、実際は…というのが、未プレイでもわかる情報。

前フリなのは十分にわかる。はたしてその先はどうなのか???

以下ちょいネタバレ注意

本作独自の詩の作成。すでに不穏なワードが。

結論から言うと、本作はホラーゲームです。

それもじわりじわりと迫ってくるようなサスペンス的な恐怖ではなく、映画館で観たらギャ~~~!と叫ぶタイプのストレートホラー。不意打ち、グロテスク、精神追い詰め系。

ストアページの時点で、だいぶネタバレというか、情報開示しているな~と思っていましたが、それもそのはず。プレイ前の警告がないとブチギレるレベルの怖いヤツですもん。ホラージャンルの中でもトップクラスのビビらせ。

以下感想&もうちょっとネタバレ

怖いは怖いが個人的にはヒットせず。

恐怖の描き方が、それ自体が不穏で恐ろしい言葉や映像を並び立てるといった手法で、羅列的というか、お化け屋敷みたいな仕掛け。怖いは怖いし、恐怖演出としては独創的であることは間違いないけれども、それだけって感じなんですよね。

ストーリーも広げた風呂敷のわりにはあっさりと終わってしまい、恐怖演出を超えるようなインパクトや説得力には欠けていました。プレイ後にはただ単に怖いゲームをプレイしたな…という印象しか残らず、それ以外で特に心に響くものはありませんでした。

以下はもうネタバレ

詩の作成には不穏なワードが…

内面に迫るかと思いきや

詩を作成して交換する流れはとても気に入りました。差し出される詩は比喩表現が多く、意味がわからないものばかりでしたが、わからなくもない部分もある絶妙なニュアンスで、詩を書いた本人すらも気づいていないような隠された内面に迫っていくようで…ミステリー的な楽しみ方ができました。

そういう真正面に暗い設定との対峙になるのかと期待していたら、不憫なキャラクターをもてあそぶような方向に話が進み始め、あれあれ?と。黒幕の真の狙いが明らかになったところではさすがにギョッとしましたが、その展開はアンダーテールやインスクリプションで体験済みだったのと、決着があっさりだったこともあり、深い感動には至りませんでした。もともと遠かったキャラクターとの距離が、ある仕掛けのために、さらに遠くなったように感じられ、追加されたサイドストーリーを楽しむ気にもなれず。

Just Monika

文章作品というより映像作品

といった方が、適切かもしれません。

丁寧な前フリや印象的なOPの利用、BGMの変化など、各種演出は本当に素晴らしいと思いました。恐怖の度合いで言えば、バイオ以上です。

ただし、ストーリーを求める人には少し物足りなく感じられるかもしれません。文章は不穏で恐ろしい言葉が並び立てられているだけで、表面的で深みはなく、あくまでもライブ感を重視した「今プレイしている瞬間」を楽しむタイプの作品かなと。ホラーが好きな人におすすめです。

Doki Doki Literature Club Plus! on Steam
Welcome to the club! Write poems for your crush and experience the terror of school romance in this critically-acclaimed...

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