正式リリースからまもなく1年のタイミングで始めました。
かなり正当進化というか、ゲーム性に大きな変化はなかったですね。
前作から10年、正式リリースから1年
Mount & Blade II: Bannerlord(マウントアンドブレード:バナーロード)は、トルコのゲームスタジオTaleWorldsが手がける、中世風世界を舞台にしたアクションRPGです。
私にとって、前作『Warband』は1000時間近くプレイした、かなり思い入れのある作品でした。このブログを開設したのもそのプレイメモを残すためのようなところがありました。本作『Bannerlord』もずっと気にかけていた作品でしたが、アーリーアクセスから3年、正式リリースから1年経ってようやくの初プレイです。
2(本作)の開発が話題になり始めた頃から、トルコの情勢にも気を使うようになるほど気になっていた作品でしたが、まあ、リリースまで長かった!!
- Mount & Blade (マウント&ブレード):
- ベータ版: 2005年
- フルバージョン: 2008年
- Mount & Blade: Warband (マウント&ブレード ウォーバンド):
- Steam版: 2010年
- Mount & Blade: With Fire & Sword (マウント&ブレード ウィズ ファイア&ソード):
- Steam版: 2011年
- Mount & Blade: Napoleonic Wars (マウント&ブレード ナポレオニック ウォーズ):
- Steam版: 2012年
- Mount & Blade: Viking Conquest (マウント&ブレード バイキングコンクエスト):
- Steam版: 2014年
- Mount & Blade II: Bannerlord (マウント&ブレード II: バナーロード):
- アーリーアクセス: 2020年3月30日
- 正式リリース: 2021年3月30日
最初に告知されたのは2012年9月だったので、正式リリースまで10年近くもかかったことになります。
公式Youtubeのコメント欄も「待ち続けている大喜利」で溢れていますね…。
で、ようやく2020年にリリースされたのですが、①最初はアーリーアクセスでどうやら未完成っぽいのと、②PCスペックが不安という2つの理由から、ずっと二の足を踏んでいました。ただ、もうすぐ正式リリースから1年経過し、いろいろと落ち着いただろうというタイミングで始めてみました。
結論から言うと、最高\(^o^)/
もっと早くやれば良かったな~というのが率直な感想です。待ち望んだ甲斐がありました。
ゲームシステム
ジャンルでいうと、大きくストラテジー、アクション、RPGの3つから構成されています。
バランスは、ストラテジー2、アクション6、RPG2くらいの比率ですね。戦闘を盛り上げるために各種要素がある感じです。
簡易版信長の野望みたいなストラテジー
大きな目標は、架空の大陸であるカルラディアで天下統一を成し遂げることです。
既存の勢力に属すもよし、自ら建国することもよし。どちらの道を選んでも信長の野望シリーズのような城取り合戦を繰り返すことになります。
大局的な戦略は必要なく、外交は「今戦うか」「後で戦うか」の判断、内政は順番に施設を建てていくだけという、かなりシンプルな内容です。戦略ゲームとしては、正直薄味なゲームですね。
シビアな戦場とRTSアクション
戦闘は三人称(一人称も可能)視点のアクションで行われ、剣や槍やクロスボウといった中世の武器で戦います。頭部ならほぼ一撃、それ以外の部位でも数発でダウンというシビアなバランスで、緊張感のある戦いを楽しめます。多少操作にクセはありますが、慣れればある程度の無双プレイも可能になります。ただし、個の力には限界があり、熟練者であっても集団の前では無力です。
戦うのは自分だけではありません。数人~数百人の仲間と共に戦います。これらの仲間にはリアルタイムに指示が出すことができ、陣形の整理や、側面や背面を取る配置、一斉突撃の指示など、戦術RTSの要素もあります。
RTSと聞くとなんだか難しい印象を持ってしまう方もいるかもしれませんが、何も考えずに開幕即突撃でも問題ないですし、本作からオート指示(F6)もできるようになったので、戦術的理解や細かな操作は必須ではありません。
キャラクター育成
本作から特定の行動をすることで自動的に対応スキルが成長していくようになりました。たとえば、弓を使えば弓のスキルが、鍛冶をすれば鍛冶のスキルが伸びていく感じです。
スキルは戦闘に有利なものから内政や金策に役立つものまで、多岐にわたります。万能キャラを目指してもいいし、能力特化型でもいいし、この辺の自由度の高さからくるロールプレイの楽しさも魅力の1つと言えるでしょう。
感想:前作そのままという感じ
良くも悪くもプレイ感は前作とあまり変わりないですね。やることは基本的に同じで、ただ画面が綺麗になり、規模がちょっとデカくなったというだけです。
動作についてですが、大変良いです。前作ではベースシステムの問題か、どんなにハイスペックPCだろうと500人規模の戦場で激重でした。それをよく知っているので、より美麗なグラフィックで規模が拡大した本作は、相当重いんだろうな~というのがプレイを先送りにしていた要因の1つでした。
しかし、その心配はまったくの杞憂でしたね。本作では、1つの戦場に最大1000人(500vs500)まで同時参加できるようになりましたが、驚くほどサクサクとした動作を実現しています。最近のミドルスペックレベルのPCであれば、余裕を持ってプレイできるだろうと思います。この「軽くて大規模」という点だけでも、前作プレイ者を魅了するものがあると思います。
正式リリースから1年の現状
さて、正式リリースから1年経過した2023年10月の現状ですが、新グラフィックの追加やUI改善、細かいバグの修正が今も進行中です。
軽く50時間プレイしただけでも、攻城戦で味方が攻め込まないという困ったバグに出くわし、まだまだ洗練されていないなという印象を受けました。バージョンが安定しないことから、突然MODが使えなくなることがあるようで、その点で不満を訴える声もあるようです。本作はコンシューマ版も展開されていますので、改善作業はまだまだ続いていくことだろうと思います。
ワンパターンなゲーム性
能力を鍛え、軍を拡大し、いずれ領主になり、敵拠点を攻略していく…。結局やることはこれだけです。
戦闘以外の要素のほとんどは金策をサポートするものであり、それもシンプルなつくりで、とにかくやることといったら兵士育成と戦闘だけです。最初の段階では成長を実感しやすいのですが、終盤に差し掛かると、戦略的、戦術的、能力値的、軍団規模的にも変化がほとんど見られず、消化試合感が増していきます。
そういった意味で一本調子なゲームであり、戦略ゲーム的にも底の浅いゲームであることは前作からも変わりません。メインの戦闘も、数や質が正義の編成ゲーであり、細かな指揮や戦術の工夫は必要とされません。クリアするだけなら、ものすごく簡単なゲームだと言えます。
プレイヤーの気分を盛り上げる外部の動機付けもほぼ存在しません。じゃあどこに面白みがあるのか。それはプレイヤー各々が自分で見つけなければなりません。
リアルなヒリヒリ感
私が思うこのゲーム最大の魅力は、やはり戦場の臨場感、ヒリヒリ感にあると思います。
本当にこのゲームはあっけないほど簡単に死ねます。
飛び道具があるとはいえ、弾数も命中率も心もとなく、結局のところは、剣と剣、生身と生身の肉弾戦がメインです。生身と生身の状況では、壁に隠れることも後ろを向いて逃げることもできません。どんなに頑丈な装備で固めようが、一振りで死ねます。そんな脅威の一撃が、まさに目の前で振り下ろされんとする恐怖。このヒヤヒヤ、ヒリヒリこそがこのゲームの魅力で、熱中させる要因であるように思います。
時に、自分や自分の部隊の実力をフルに発揮できないとヤバい戦いに遭遇します。そういった戦場では、生き残るために全力を尽くさなければならず、その時の高揚感や充実感、アドレナリンが分泌される興奮状態が、他のゲームでは味わえない極上の感覚だなぁと。
そんな極上の感覚、極上の戦場を求めて、前作は1000時間近くプレイすることになりました。
ゲームに限らず、創作物というのは、何かを感じるから面白いのではなく、何かを感じている自分を楽しんでいる面もあると思います。そういう意味で、極限状態の自分を観察できることは非常に興味深く、面白い体験だと感じます。
戦場の空気感が好きな人に
一本調子なゲーム性も、適度にリラックスしながら、時には夢中になるメリハリがあるとも言えます。
戦場の空気感が好きな人は絶対ハマると思います。ただし、それ以外の部分は、贔屓目にみても充実していないので、ストラテジーやロールプレイ目的では厳しいかもしれません。
前作プレイヤーにも自信を持っておすすめできます。
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